表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/53

おはよう

 ――おいおい、言わんこっちゃない。死んじまったぞ、君の自信作は。

 画面越しに見た一部始終。

 それでも彼はふっと、いつものアルカイックスマイルを浮かべた。

 ――計算通り? おいおい馬鹿を言うな。結局奴は目覚めないまま終わってしまったんだぞ。


「さて、それはどうでしょう」


 ――なに?

 彼が指さした画面を見て、私は持っていた煙草を落とした。

 ――ど、どういうことだ、これは……?


「『反転昇格(イービルプロモーション)』。ある特定の条件を満たすことで姿を現す特殊役職です。この場合で言いますと、『戦士のプレイヤーにより、村人のプレイヤーが死亡した』際に発現するクラスです。これにより、戦士は『狂戦士』に、『村人』は『復讐者』へとなります」


 ――それでは、やつは生きているということか!?

 彼は表情を崩さず頷いた。そして言葉に喜色を滲ませながら続ける。


「ゲーム開始直後から、彼の“魂”は最後まで安定していなかった。おそらく、予想より“斎藤悠馬”の人格の自我が強かったのが原因だろう。なるべく自己肯定感が弱く、自我が弱い人間を選んだつもりだったが、人間の精神とは存外強大らしい。だが、クラスメイトに殺されたあの瞬間、斎藤悠馬の自我は今度こそ完全に消滅した。ならば」


 ――君の自信作、作られし自我(デザイナーズエゴ)”が発現すると?

 彼は、満足そうにうなずいた。

 私は落とした煙草を踏みにじり、新しい煙草に火を点けた。

 つまり、本当のゲームはここからだということだ。


「さぁ――おはよう、“ユウマ”」


ここまで読んでいただきありがとうございます。

モチベーション的に御意見御感想等で更新ペースが前後するといっても過言ではないので、早期完結目指して是非是非御感想お寄せ下さい笑

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ