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10、手紙

拓へ。


今日も、私は拓のことを考えています。


毎日といったら嘘になるかもしれないけど。


5年間、拓の事を思い出さない日はほとんどなかったよ。


こんな事言って、いつまでも終わった事を言っている女だと思うかもしれないですね。


でもね、それだけ拓との思い出が私の中でずっと宝物だって事。


自分がお墓に入る日まで、拓の事は忘れないよ。


私は、拓が今何をしてどう生きているのかとっても気になります。


どうしてるか知ってどうするの?って思うよね。


でもさ、気になるんだよ。


何したいのか、自分でもわからないけど。


拓の事を好きだった頃とちっともかわらない。


自分がどうしたいのか。


どうありたいのか。


わからないところ。


ただ、ひとつ言えるのはもう一度拓の笑顔がみたいなって思う。


カラオケで一度だけ一緒に写真とったの覚えているかな?


あの時の笑顔が忘れられないよ。


いまでも、黒の眼鏡をかけていますか。


時々、黒ぶち眼鏡をかけている人を見かけると「はっ!」とします。


ブレザーの制服姿の男子高校生をみるとドキッとします。


きっと拓はあの頃のまま、私の中で生きてる。


もちろん今の生活は幸せなんだよ。


それでもあの時こうしていれば…という後悔の気持ちは一生消えないのかなあ?


人は、誰しもどうしようもない思いを抱えているのかな?


終わった事を悔いているのは私だけなのかな?


その疑問は5年間解ける事はなかったよ。


でも、いまを悔いなく生きることはできる。


これから将来を見据えて生きる事はできる。


だから、せめてこの想いを残しておく事にしたよ。


この事を拓に伝えられるかわからないけど。








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