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そして2日目に

はい、書けませんでした!

既にする事は済ましていたので、これ以上暑い外に居る必要もないので、玲夏を連れて家に帰ることにした。帰りながら玲夏から現状で覚えてる範囲の事を簡単に説明してもらっ

照りつける日差しから逃げるように家の中に入ると密閉空間ならではのムワッとした熱気が押し寄せてくる。


「お、お邪魔しまーす」


そう言って玄関を透過しながらすり抜けて入ってきた玲夏を他所にリビングに入りクーラーの電源を入れる。

流石に起動させて直ぐはまだ暑いので扇風機の電源も入れる。これでなんとかなるだろう。


「そういえば、玲夏って暑いのとか寒いのとか大丈夫なのか?」


「そうだね、外にいた時も全く暑くなかったから平気だと思うよ」


ふと疑問に思ったので俺の後ろを浮遊している玲夏に尋ねてみたのだが、それは羨ましいな。だが、まだ死ぬのは勘弁かな。

そんなことを考えながら冷蔵庫からスポーツ飲料を取り出して氷を2個ほど入れたコップに注ぎ、それをテーブルの上に置き、テレビをつけてソファに座る。お盆特集とかそーゆーなのがやっぱり多いな。

そんな事を思いながら見てると玲夏は俺の隣にいつの間にか座っていた。


「......座れんの?」


「うん、座れたっぽい」


「そっか〜、座れたのか〜」


なんだか、これが幽霊なのか、玲夏特別なのか分かんないな。まぁ、玲夏以外の幽霊とか見たことないしなんとも言えないか。

それからお腹が空くまで玲夏と駄弁ったりしてゆったりとした時間を過ごした。


夕食はなんか作るのがめんどくさくなったので、冷凍庫に入って居た冷凍チャーハンをレンジで温めた物とスマホでレシピを見ながら簡単なお吸い物を作り食べた。玲夏は食べれないが、匂いだけは分かるそうみたいで、めっちゃ羨ましそうな視線をこっちに送ってきていた。試しに一口あげようとしたけど透過してなのか、食べれなかったみたいだ。凄く悲しそうな顔してて少し笑ってしまった。



晩御飯を食べ終え、自室に玲夏を押し込んでから風呂に入る。......と言っても、暑いから湯船には溜めずにシャワーで済ませて、自室に戻る。シャワーを浴びる前にクーラーを付けて行ったので部屋は比較的涼しくなっていた。そして少し目線を上にやると、空中をクロールの要領ですいすい泳いで?いる玲夏が居た。が、俺が部屋に帰ってきたのに気付いたらしくクロールを止めてこっちに寄ってくる。


「おかえりー」


「あぁ、うん。......んで、なにやってたんだ?」


「なにって......クロール?」


俺が聞いたはずなのに何故か疑問形で返されてしまった。ちょっと大げさに息を1つ吐いたら、ちょっと慌てた感じで言い訳を始めた。きっと温泉とかで泳いだりしてるのに近い心情だったのかもしれない。思わず口元が綻びそうになる。

それを手で隠すようにして自分のベットに腰を下ろす。俺の後ろを付いてくる形で言い訳を続けていた玲夏だったが、俺があまり聞いてないと分かったのか、少し頬を赤くしたまま隣に座る。それを確認してから俺は口を開く。


「......玲夏はこれからどうしたい?」


あまり考えてなかったが、幽霊になった玲夏はこれからどうしたいのか。俺はそれがとても気になった。

半ば勢いで玲夏を家に呼んだが、その時はそんな事考えてなかった。だけど、シャワーを浴びる時は1人だったから少しだけ考える余裕が出来た。


「うーん......。よく、分かんないかな」


少し悩んで玲夏はそう言った。まぁ、突然そんな事聞いた俺も悪いな。


「あ、だけど無くなった記憶は思い出したいな。多分だけど......忘れたくなかったことがあったと思うから」


どこか曖昧な表現なのに、確信を持って居るような雰囲気で玲夏はそう言った。

なら、とりあえずそれが目標かな?スマホの、電源を入れて時間を確認すると21時ちょっと過ぎの時間だった。


「まぁ、すこし早いけどそろそろ寝るよ。今日はいつもより少し疲れたから。玲夏はどうする?」


「私は寝なくても大丈夫だよ。まぁ、静かに過ごしとくから気にしないでね。んじゃ、あおやすみ」


そう言って玲夏はドアをすり抜けて部屋から抜けて出して行った。

それを見送ってから部屋の明かりを消して俺は目を瞑った。





空が茜色に染まり、何処からか蝉の鳴き声が聞こえてくる中で二人の小学生ぐらい男の子と女の子が座り込んで何かをして居た。何故か後ろ姿しか見ることが出来ず、初めて見るような光景の筈なのに、どこか懐かしく感じる。この場所にはそれ以外何もないのに。


目の前にいる二人はなにか楽しそうに会話しているが声が全く聞こえない。

この光景を見ていると、少しだけこめかみ付近にある古傷が痛んできた。だけど、目が離せない。

そんな時、女の子の声だけはっきり聞こえた。


「この事は二人だけの秘密だよーーーあー君」





目を覚ますと見慣れた天井が目に入った。あれは......夢だったのか?夢の割には鮮明に覚えているのには疑問を感じる。

夢の中で何故か痛くなった古傷のある箇所をさすりながら体を起こしてドアの方を見ると、ドアの前で玲夏は宙に浮いて居た。しかし俯いて居て、表情がよく見えない。

不思議に思い声を掛けようとした時に、玲夏が口を開く。


「あのねーー私を成仏させて」


そう言った彼女の目は強い意志のようなものを感じた。


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