これからの人生
ボルともうします。初投稿です。よろしくお願い致します。
「ハァッハァッ…やっと完成できた…」
男は苦しそうながらもしてやったりの表情で笑いながら言った。男には今左腕と左足は無く、綺麗な切断面からは血が流れている。多分もうすぐ死ぬのだろう。そんなことを思いながら男は誰かが居るわけでもないこの洞窟内で独り言を言った。
「まかせたぜ…この世界から争いを無くす力を、平和をッ!!」
息は途切れ途切れ、最後にニヤッと笑ったかと思うとそのまま力尽きてしまったようだ。その時、コツーンコツーンと誰かが中へ入ってくる足音がする。
「無駄なことを。」
そう言ったのは血の付着する刃のついた槍をもつ少女。最後に男の亡骸を確認するとくるっと踵を返し一言ポツリ。
「あなたのその夢は、その理想は…嫌いじゃなかったわ。」と。
そして、場所は大きく変わり太陽系地球。その中の最も高度な文明をもつ島国、日本。第二次世界大戦後、高度経済成長を経て国として大きく成長したのち、先進国の仲間入りをした。武器の所有は認められず、法が全ての王であり、世界で最も安全の地。そしてその2億人の人口の中、高校生という職業を全うするごく普通の少年が一人。名前は三国智春。
これから起こる事柄は彼がこの安寧の地から遠く離れた世界、ヘキサルドに転移させられ死と隣り合わせの状態で生きるために頑張る、そんなお話だ。