私はエイプ100(佐藤亮二所有)
このお話はフィクションです。登場する人物・団体・地名・施設等は全て架空の存在です。
実在する人物・団体・地名・施設等とは一切関係ありません。
私はエイプ100。今日はご主人様の仲間と一緒に居る。
「・・・・と言う訳で、私はフレームから蘇ったのだ!」
皆さんの昔話は面白い。フレームだけになってガレージに放置されたり
滅茶苦茶な改造をされたのをおじさんに直してもらったり。
長年、家族の一員として働き今の御主人と再スタートしたり。
命が消えるバイクを見たり・・・。
「で、エイプちゃんにはどんな物語があるのかな?」
・・・無いんだよね。どうしよう。
「私の初めての御主人様は、今の御主人様でして・・・。」
「「「「ええ~!すご~い!」」」
いや・・・あんた達の方がよっぽどすごい経験してるから。
出会いは大島サイクルとは別のバイク屋さん。大島のおじさんの事は知ってた。
店長さんの知り合いで、話をしているのを見た事が有る。
「大島サイクルさんの紹介で来ました。エイプください。」
御主人様の第一印象は見るからにやんちゃ坊主。可愛いと思った。
「高嶋高校への通学用やってな。聞いてるで。これなんかどうかな。」
「ボアアップした中古とか無いっすか?」
「初めて買うなら新車が安心やと思うで。トータルすると改造するより安いし。」
私はエイプ50より各部が強化された100よ・・・そんな事を思いながら
店長さんとやんちゃ坊主のやり取りを見てた。
「じゃあ100で。これ下さい。」
そんな出会いでしかないの・・・ご主人様が初めての人。
「きゃ~初めてどうし~!憧れる~!」
そんなに言われると照れます。
店長さんが仕入れておいた在庫・・・新車だったからご主人様以外知らな・・・
あ、モンキーさんの御主人はちょっとだけ乗った事が有ったな。
「で、あのやんちゃ坊主はどうなの?雑に扱われたりしない?」
ゴリラ姐さんが聞いてくるが、雑に扱われた記憶はない。
予想外に丁寧に扱ってくれるよ。初めての愛車で嬉しいって。
ワックスもかけてくれるし、オイル交換も早めにしてくれる。
見た目と違って優しいご主人様なのよ。
「そうね。エイプちゃんの御主人様は優しいよね。
バイクも女の子も優しく扱うもんね~。」
Dioさんが茶化してくる。
「私の御主人様は雑なのだ。寝坊助なのだ!毎朝、冷間でフルスロットルなのだ!」
ゴリラさんの御主人様はバイク使いが荒い。
まぁ、ゴリラさんは強心臓だから心配してないけど。
ウチの御主人様はあんな成りで暖機は欠かさないんだよね。
「扱いが上手いと言えばウチの御主人様ね。プロだもの。」
カブさんの御主人様は白バイ隊員。運転経験豊富だ。
「リードされるって気持ち良いわよ。」
お互い初めてでぎこちないんですけどね。でも一緒に成長って事で。
「エイプちゃんの扱いが上手になってるよね。見てて解るもの。
まぁ、エイプちゃんの御主人は私の御主人に操られてるけどね。」
うう・・・Dioさんを否定できない。
「高校までの道のりは任せなさい。私についてくれば大丈夫。」
長年走り続けて経験豊富なDioさんは私の師匠だ。
御主人様ともどもよろしくお願いします。
その後も私と御主人様はDioさんにリードされ続ける事となった。
私のタンデムシートにDioさんの御主人様が座るようになるのは
また別のお話。
私はエイプ100。まだ走り始めたばかり。
未来に向けて私は走る。
今回は佐藤亮二が乗るエイプ100のお話。女性が集まるとこんな感じでしょうか?
これで主要人物の愛車は揃った感じですね。
大島サイクルはカブ系が得意なお店なので他店を紹介しました。
特殊工具がカブに使う物と違うからです。