ゲンクルサル星系
二話目です。
よろしくお願いします。
多大なる犠牲を払い一生を終える星系から脱出をはたした国家58移民団は、十か月間留まった、宙域を旅立った。この地はのちに再出発の地と呼ばれ、彼らの生まれた星系とともに聖地と呼ばれることとなる。
まだ名前の付く前の事故のあった宙域から移民団が出発してから数日がたった。彼らの出発前から複数の無人資材運搬船で試され安全の確認をされていた短距離ワープを移民団が初めて行う日がやってきた。
彼らの船団の旗艦であった、「クレティアン三世/AHD-58」の艦橋では船員たちがせわしなく動いていた。そんな彼らを眺めるケオリン・ヒンダロンスは一人彼らの動きを眺めていた。ケオリン・ヒンダロンスが艦橋にやってきて一時間ほどの時が立った時、一人の青年がやってきて
「船団長。短距離ワープの準備ができました。」と敬礼してから伝えてきた。
「よし、全艦に向けて通信回線を開いてくれ。」
「了解。二分後に回線開きます。」と艦橋、ケオリン・ヒンダロンスから左手に座る一人の女性が答えた。
「通信長。ありがとう。」
「船団長、回線開くまで。」
「5。」
「4。」
「3。」
「2。」
「1。」
「回線開きます。」
「船団長のケオリン・ヒンダロンスです。船団の皆さん。我々はこれより短距離ワープに入ります。
このワープは短いですが、我々の旅はこれから始まります。新天地をめざしがんばりましょう。」
「では、カウントダウン開始します。」
「5。」
「4。」
「3。」
「2。」
「1。」
「ワープ。」
「ワープ完了しました。」
その後も、国家58移民団は、ワープを繰り返し、一つの星系に立ち寄った。
「船団長。星系外縁部に到着しました。」
「よし、船団にエンジン停止命令を送ってくれ。」
「クレティアン三世より、ヒンダロンス船団各船に告げる。エンジンを停止せよ。」
各船より了解という信号が、入ってきた。
「船団長。詳細な観測結果が出ました。登録されている星図にある星系ではありません。
また、移住可能な惑星・生命が存在する惑星もありません。」
「了解。
当初の予定通りに作戦を開始してくれ。」
国家58移民団はその星系に「ゲンクルサル星系」と名付けた。
船の数が減っており、この旅が長くなると、考えていた船団首脳は、資材などが足らなくなったり、人々を輸送できなくなると考えていた。彼らは協議の結果、この星系で船団を整備しなおすことにしていたためその作業が開始された。
ゲンクルサル星系第四惑星は惑星改造を施せば、移住可能だと思われたので、すぐに科学調査船より惑星改造用の微生物をばらまいた。
しかし、惑星改造が終了するのは何百年後になるので、彼らは準備を整えた後出発することした。彼らは、新たに無人の惑星改造船建造に着手することになった。
工作船「ケイズン四世/JB-5804」が中心となり造船施設を建設した。名前を「ゲンクルサン軌道造船所」と付けた。第一ドックが完成すると無人探査船の建造が開始され、さらに造船設備の拡充も始まった。
時を同じくして、燃料製造船「WV-5802」・「WV-5804」・「WV-5805」・「WV-5807」・「WV-5808」・「WV-5809」は燃料を製造し作成した大型タンクへと燃料の溜め込みを開始した。
ほどなくして、無人探査船「DZ-a1_X1」〜「DZ-a1_X3」が完成すると、星系調査の旅に出発させた。
ゲンクルサン軌道造船所も拡充され設備が増強された。ゲンクルサン軌道造船所に、燃料を送るための燃料製造プラントが星系内五か所に建設された。
さらに自分達の船団に足りなくなっていた船を建造した。
建造されたのは、
・無人資材運搬船WUa2級「WUa2-01」〜「WUa2-27」
・無人タンカーWj級「Wj-01」〜「Wj-20」
・軽武装船「AD2-01」〜「AD2-06」
・科学調査船「リオンタリ一世/RAJ2-01」〜「リオンタリ4世/RAJ2-04」
・工作船「JB2-01」〜「JB2-04」
以上の59隻が第一次拡張計画用の船として計画された。
無人化資材運搬船は、試験機の運用結果から実用化できることが分かった。
船団では、既存の資材運搬船を改造されることになった。乗組員たちは任務からはずされた。彼らは、新造艦の乗組員になることになっていた。
資材運搬船「WU-5801」・「WU-5802」・「WU-5808」・「WU-5809」・「WU-5810」を無人化して「WUa-01」〜「WUa-05」にした。
惑星到着から20か月の時間が過ぎ、船団の船を使用した拡張計画については終了の時を迎えた
内訳は、
・旗艦 1隻 「クレティアン三世/AHD-58」
・科学調査船 5隻 「リアクティブ四世/RAJ-5804」、「リオンタリ一世/RAJ2-01」〜「リオンタリ四世/RAJ2-04」
・工作船 5隻 「ケイズン四世/JB-5804」、「JB2-01」〜「JB2-04」
・軽武装船 7隻 「リアネイミ三世/AD-5803」、「AD2-01」〜「AD2-06」
・移民船20隻 「WT-5801」、「WT-5803」、「WT-5804」、「WT-5805」、「WT-5806」、「WT-5807」、「WT-5809」、「WT-5810」、「WT-5812」、「WT-5813」、「WT-5815」、「WT-5816」、「WT-5818」、「WT-5819」
、「WT-5822」、「WT-5823」、「WT-5824」、「WT-5826」、「WT-5829」、「WT-5830」
・資材運搬船35隻 「WUa-X02」、「WUa-X05」、「WUa-X06」、「WUa-01」〜「WUa-05」、「WUa2-01」〜「WUa2-27」
・無人タンカ20隻 「Wj-01」〜「Wj-20」
燃料製造船 6隻「WV-5802」・「WV-5804」・「WV-5805」・「WV-5807」・「WV-5808」・「WV-5809」
「船団長。船団準備整いました。」
「よろしい。では、船団に発進命令を遅れ。」
「了解。」
「クレティアン三世より、ヒンダロンス船団各船に告げる。発進せよ。」
そして船団は、ゲンクルサル星系から旅立った。




