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第六十六話 付与魔術の奥義

「ルシオラさん。今のあなたは、どんな方法でその姿になっているんですか?」

「……付与術師の奥義を使っているわ。私もどう呼ぶのかは知らないけれど、私の魔力に意識を投影して、この姿を作り出すことができるの。あまり出し続けると、リスクもあるのだけれどね」


(付与術師の奥義……スキル100で習得できる、『霊装』……しかし、このスキルは……)


 俺はあることに思い当たる。ルシオラさんも気づいていないのかもしれないが、俺の推論が当たっていれば、『霊装』で幻影を作るのは、ただの過程にすぎない。

 文字通り、自分の霊体を、誰かに装備させられるとしたら――俺は『霊装』というアクションの詳細を、急ぐ気持ちを抑えながら開いた。



◆スキル詳細◆


名称:霊装

習得条件:付与魔術100


説明:

・術者の魔力によって、任意の姿をした霊体を作り出す。霊体の維持には、一時間につきマナを10消費する。

・霊体を他者に憑依させることで、憑依した対象の能力を強化することができる。


制限:

・相性が合わない他者には憑依することができない。

・憑依した対象より術者の方が能力が高い場合、憑依後の姿は術者に近づく。


使用方法:

・術者がマナを200使用し、霊体を作り出す。

・霊体を受け入れることを、憑依対象に承諾させる。

・憑依している間、『霊装』の維持にマナは消費されない。また、術者の本体の意識は眠った状態となる。



(やっぱりそうだ……このスキルの本来の使い方をすれば……!)


「ルシオラさん、俺たちに力を貸してください。ルシエを守るために、あなたの力が必要なんです!」

「……でも、私は……この場所を離れたら、魔力の供給が途絶えて、姿を保てなくなってしまうわ」

「ここにいるルシオラさんの身体も、必ず蘇らせます。その確実な方法が見つかるまでは……ルシエを守ってほしい。あなたには、それができるはずだ」

「……お母さまが、私を……?」


 守ってくれるのか。本当にそんなことができるのかと縋るように、ルシエが母の幻影――いや、霊体を見上げる。

 ルシオラはその顔を見返し、しばらく何も言わず、娘の顔を見つめる……そして。


「ルシオラさんが、ルシエに宿る。付与魔術の奥義は、それを可能にするものなんです」

「……宿る……この子の身体に……」


 ルシオラさんも俺に言われて、初めて気がついたようだった。『霊装』の本来の使い方に――。


「……私がルシエに宿ることができたら、この子を守ってあげられる。けれど、私を受け入れてくれるかどうかは……」

「お母さまと一緒なら、私は何も怖くないです。お母さまと一緒に行きたい……いつか、ヒロト様のおっしゃるとおりに、ここで眠る身体を蘇らせる日まで……」


 今はエリクシールの使用対象に、ルシオラさんの身体が選択できない――一度凍結した身体を元に戻すには、特殊な方法が必要だということだ。


 だからといっては何だが、ここにある肉体を蘇らせるまでは、ルシエに『霊装』を使うことで、ルシオラさんの力を貸してもらう。それができれば、ルシエが魔王との戦いで命を落とす危険が大きく遠のく。


 それは、ルシオラさんにも分かっているようだった。本当にできるのか、彼女自身も疑問に思っているように見える――それは、一度も試したことがないからだろう。

 俺はもう一つ伝えるべきことがあった、と思い出す。ルシオラさんの護衛獣たちのことだ。


「ルシオラさんの護衛獣は、今でもあなたのことを慕っています。どんな形でもいい、姿を見せてあげてください」

「……あなたはあまりにも優しすぎる。私と共に古城に残ってくれた魔物たちは、魔杖を求める者に殺されることも覚悟していた……なのに、一体も倒さずにここまで来た。そこまでされて、正直を言うと複雑な気分だったわ。まるで、あなたの手のひらの上で、転がされているようで……」

「手加減をしてたといえば、そうです。でも俺は、人に力を貸す護衛獣を、ただの魔物……敵として見ることができないんです。俺も護衛獣を連れてますが、二人とも、すごく大切な仲間だから」


 ユィシアと、ジョゼフィーヌ。ジョゼフィーヌは今は近くに居ないが、俺にとって初めての相棒であり、よく俺を助けてくれた大事な存在だ。

 そして、ユィシアは――もはや使役している護衛獣などではなく、俺にとっては、将来を共にする女性の一人だといえるだろう。


「……あなた、人化した竜ね。その姿……種族は、もしかして……」

「……皇竜ユィシア。ご主人様のしもべ」

「皇竜……やはりそうだったの。始皇竜レティシアの血を引いているのね」


 ――始皇竜。その名を聞いて、ユィシアがかすかに目を見開く。


「レティシア……それは、私の母の名前。どこで、それを……」

彼女レティシアはリリスに対して、種族を超えた共感を抱いているようだった。レティシアはリリスの魂が旅立つところを見届けたあと、姿を消したわ。それからどうしていたのかは知らないけれど……彼女は一人でも仔を産むことができるから、あなたはそうして産まれたのだと思うわ。その姿を見る限りでは、純血の竜だもの」

 ユィシアは自分を半人半竜だと言っていた――それは実は違っていて、彼女の母竜は、処女懐胎でユィシアを産んだということか。

 しかしユィシアは、竜は人と交わって種を残すという本能を持っていた。それが、何故なのか……。

「……純血のままでは、いつか種を残せなくなる。純血の竜は、世界に存在できる数が限られているから」


 それで、俺との間に仔を成したいと言い続けてきたのか。

 しかし俺との間に生まれる仔は、半人半竜になるのか、それとも竜の姿で生まれてきて、人化を覚えるのだろうか。逆に竜化ということも――いや、それは生まれてみないと分からないというやつで、今から心配することでもない。


 話を聞いていたフィリアネスさんが、頬に残る涙を拭いながら、ルシオラさんの前に進み出た。


「……私も、母とは長く折り合いが悪かったのですが、ヒロトのはからいで、溝を埋めることができました。だからというわけではありませんが……ルシエとルシオラ様にも、できるならば、睦まじくしていただきたいのです」

「ありがとう、フィリアネスちゃん。ルシエ……こんな身勝手な母親だけれど、許してくれる?」

「はいっ……お母様……これからは、ずっと一緒に……」


 どれだけルシエが母親に甘えたかったのか。それを思うと、これから待つ戦いの運命を、呪わしくも思ってしまう。

 ――しかし、これからはいつも一緒だ。ルシオラの霊体がルシエの身体に重なり、ルシエの身体が眩い光を放ち始める。



 ◆ログ◆


・《ルシオラ》は呪文を詠唱した。『霊装インカーネーション!』

・《ルシオラ》の霊体が、《ルシエ》の『霊装』に変化していく!

・《ルシエ》の身体に《ルシオラ》の力が宿った。



(……待てよ……説明に、何か重要な一文が含まれてたような……)


 『霊装』を発動すると、ルシエとルシオラさんの、レベルが高い方の姿に近づくという。

 彼女たちのレベル差は30以上――それは、十歳のルシエが、凍結した当時の肉体年齢二十歳のルシオラさんに、急激に近づくということでもあった。


「んっ……くぅ……か、からだが……お母さま、これは……」

『ごめんなさい、少し窮屈かもしれないわね……でも、何とか収まりそう。ここにいる男性はヒロト少年だけだから、大目に見てね』

「ふぁぁっ……そ、そんな……あぁっ……!」


 視界を白く埋め尽くすほどの光の中、俺は手をかざしてルシエの変化を見届ける――もともと十歳にしてはすらりとした手足をしていたが、やはりあどけなさは否めなかった。しかし、見る見るうちに手足が伸び、膝より下の丈だったスカートが、ともすればお尻が見えそうなほどに――いや、俺はどこを凝視しているのだ。


(な、何だか分からないが……これはとにかくすごいぞ、『霊装インカーネーション』……!)


「なんだか悩ましい声が出ていますけれど、大丈夫ですの……? な、何か、見ているこちらが恥ずかしくなってきますわ」

「元の王女殿下の声よりも……不謹慎かもしれないが、飛躍的に艶っぽさが……小生も、年上というだけで対抗することが難しくなってしまうな……」

「ええ……とても良いお声です。ヒロトさんもきっと、お耳を喜ばせておいでになるでしょうね……ふふふっ……」

「セーラ殿も、かなりの美声をしていると思うのだが……こ、これでは、自分の声を発することが恥ずかしくなるではないか……」


(みんなそれぞれに魅力のある声なんだけどな、俺にとっては)


 それについては、後でしっかりと話しておきたいところだが――今はどうしても、ルシエに注目せざるを得ない。


 やがて光が収まる――ルシエは絹のブラウスとスカートに、上から袖のない外套クロークを羽織っていたが、身体が大きくなったせいで、まったくサイズが合わなくなっていた。

 ルシオラさんの高い母性をそのまま反映するかのように、年齢を十歳飛ばして成長した膨らみ――背が伸びてブラウスの丈が足りなくなってしまい、さらに胸に服が押し上げられて、真っ白なお腹とへそが覗いてしまっている。


「……ふぅ……落ち着いたみたいです……」


 そしてルシエはまだまったく自分の変化に自覚がない。しかし目を開けてみて、色々と違和感に気がついたようだ。


「お兄様……私、何だかいつもと見える景色が違うのですが……」


(身長がかなり伸びたからな……俺を追い抜くなんてことが無くて良かった。普通に『お兄様』で大丈夫そうだな)


「で、殿下……おみ足が出てしまっていますわ。これは、あまりヒロトさんの目には見せられませんわよ」

「あ、ああ……そうだな。ルシエは王女様だし、あまり足が出ると、俺の精神衛生上よろしくないな」

「何を口走っているのだ……ルシオラ様の守護を受けているから姿が変わっただけで、ルシエはまだ十歳なのだぞ?」

「え、ええと……それは、小生たちが言えることではないのではないかな、聖騎士殿」

「な、なぜそこで聖騎士と呼ぶのだ。私が聖騎士にあるまじきことをしていたと、遠回しに非難しているのか?」

「ふふっ……やはり、そうなのですね。私たちは罪の絆で結ばれし仲間……皆で揃って、女神様の赦しを願わなければ。さあ、祈りをお捧げください」


 セーラさんの言葉に従うパーティメンバーたち。ユィシアは何のことかよく分からず、顔に疑問符を浮かべている。

 そしてルシエも分からない――かと思いきや、彼女の顔は真っ赤になっていた。十歳、それは性の目覚めを迎えてもおかしくない時期である。まして身体は現在、二十歳くらいなのだ。耳年増な知識をイアンナさんに吹きこまれてもいるし、セーラさんの言う『罪』が、何となくいけないことだと分かってしまっても無理はない。まったく、いけないお姫さまだ。認めよう、俺がそれを言いたかっただけだということを。


「……お兄様、みなさんと、フィル姉様としていたようなことを……お、お胸に触ったりしていたのでしょうか……?」

「い、いや。ルシエ、胸に触るのは決していやらしいことじゃないんだ」

『ルシエにはそういったことはしていないのね。ふふっ……良かった。もししていたら、私も母親として静観するかどうか、悩ましいところだもの』


 そう、ルシエにはルシオラさんが宿っているので、お母さんの前で娘と胸がどうこうという会話をしているシチュエーションなのである。


「あっ……お、お母さま、私の考えが伝わってしまったりはしますか……?」

『ううん、あなたが伝えたいなら伝わるようにできるけれど、普段はそうしないでおくわね。娘といえど、私的なことに立ち入ってはいけないし』

「良かった……お兄様、お母様には伝わらなくて済みそうです。神殿でしていただいたことや、リオナさんたちと過ごしたときのこと……」

『え……? ヒロトくん、まさかうちの娘に……なんてね。母親を名乗らせてもらえるだけでも、あなたには感謝しなければいけないわ』


 このパターンだと、ルシオラさんがお礼をしたいということになり、俺は葛藤したあげく、付与魔術には勝てなかったよということになりかねないわけだが――しかしルシエの身体が大きくなったとはいえ、幻夢の中のように母性の恵みを受けていいのだろうか。そもそも、ルシエに宿ったルシオラさんのスキルを採るなんてことが可能なのか。


(親子同時にというのは、さすがにどうなんだ俺……憑依してる場合は同時っていうのか……? 憑依で身体が成長しても、十歳は十歳なのか……考えることをやめられない……!)


「名無しさん、ヒロトさんの葛藤は、やはり例のあれについてですの?」

「彼ならここでやってくれる可能性も否定できないけれど、どうやら諦める方向に行きそうだね。彼は相手の気持ちを優先するところがあるから」

「な、何の話を……まさかヒロトは、ルシオラ殿に、お礼としてあらぬことを要求するつもりなのか?」

(ぐっ……や、やっぱりそうだよね、フィリアネスさん。俺、間違ってたよ……)


 俺は親子丼という言葉を思い浮かべていたが、フィリアネスさんの倫理感によってディフェンスされた。今日も人の心を保てたことに感謝しなくてはならない。

 ならないのだが――諦めきれない。そんな俺に、ユィシアが援護射撃をくれる。


「あらぬことではない。ご主人様に触れられることは、常に喜ぶべき。そうしないと得られない感覚がある……とても満たされる」

「ええ……常に喜びを持って、ヒロトさんに施しを差し上げなければ。それこそが奉仕の心、慈悲の精神であると女神様もおっしゃっておられます」


 みんな俺が考えていることを薄々と察しているが、セーラさんの語り口に不思議と説得されてしまう。俺も喜びを持って施しに応じたい、と調子に乗ってしまいそうだ。


 しかし――成長したルシエの胸は予想以上に発育している。へそが見えるほどに服を持ち上げるとは、どんな張りと、重力に抗う力を持っているのだろう。ずっしりとしているように見えるが、それは俺の手で計量してみなければ分からない。計量オーバーしていたら何とかして軽くしなければ。搾りたい――こんな衝動に駆られる逸材だったなんて。


 だが、今はまだ機ではない。これだけみんなに見透かされて、なお「あなたと採乳したい」なんてルシオラさんに言おうものなら、俺は欲望に忠実な獣とみなされてしまう。吸乳鬼オーガならぬ、吸乳獣ビーストである。


(今は耐えろ……然るべき時にスキルを採ればいいんだ。耐えるんだ、俺……!)


『ルシエのことを守りぬいたあと、もし、まだ時間が残されていたら……ヒロト君、その時は何かお礼をさせてくれるかしら。私にできることなんて、そんなには無いかもしれないけれど』

「は、はい……じゃなくて、お礼なんていいですよ。俺の方が、ルシオラさんにお願いをを聞いてもらったようなものですから」

『そんなこと……自分の力の本当の使い方すら知らなかったのに、あなたが教えてくれたから、今私はこうしていられるのよ。だから私は、あなたに感謝を伝えたいの。こんな気持ちになるのはとても久しぶりで、気分がいいのよ』


 成長したルシエの姿で、ルシオラさんが微笑んでいる。その晴れ晴れとした顔を見て、俺も、みんなも自然に笑っていた。


「お母様はとても感謝しておいでです。ですから、ご遠慮なさらず、お兄様にお礼をさせてあげてください」

『まあ……ルシエ、もう女性として一人前のことを言うのね。お母さん、あなたがそんなふうに育ってくれて嬉しいわ』

「は、はい……あの、自分で自分の頭を撫でるのは、凄く恥ずかしいのですが……」


 母と娘の睦まじい交流なのだが、ルシエは嬉しそうにしつつも照れている。母に撫でられているのだが、その手は自分の手なのだ。恥ずかしいのは無理もない。


『……どうしたの、じっと見て。ヒロト君も撫でて欲しいの?』

「あ……い、いや。ルシエが嬉しそうで、本当に良かったと思って」

「お兄様……ありがとうございます。私、お兄様にはどれだけ感謝しても、し尽くせません……どうしたら、この感謝の気持ちが伝えられるでしょうか……」


(その答えを教えたら、俺はこの苦しみから解放されるのだろうか……)


「す、すごい精神力ですわ……私の心の目にはギルマスの流す血の涙が見えていますわ」

「お母さんが憑依した相手からというのは、さしもの彼も、段階を踏むべきという判断のようだね。諦めているはずはない、彼がそんなに生易しくはないというのは、小生たちが一番良くわかっている」

「そこまでなのか……ヒロトがすぐそのような交流をしたがるのは、私たちが子供の頃に、甘やかしすぎたからなのだろうか……それとも、最近の交流では足りないのだろうか。も、もっと回数を増やさなくては……っ」


 みんなの手前、俺も今はスッパリと諦め、魔王リリムを倒した暁には、ルシエの身体に宿るルシオラさんのスキルの授受について交渉に臨みたい。

 付与魔術を使ってゴーレムを作る――それに限らず、俺はどんなスキルでも、自分で使って体験してみたい。それこそが、強くなるということでもあるのだから。


 そして気になるのは、霊装状態のルシエのステータス――あのスキルの説明通りであれば、今の彼女が付与術師ルシオラの力を使えることになる。


(凄まじいことになってそうだが……見せてもらうか、『霊装』の力を)



 ◆ステータス◆


名前 ルシエ・ジュネガン

人間 女性 20歳(10歳) レベル70(35)


メインジョブ:プリンセス

サブジョブ:エンチャンター

ライフ:604/604

マナ :1224/1224


スキル:

 【笛】演奏 75

 付与魔術 100

 精霊魔術 12

 杖マスタリー 59(+7)

 軽装備マスタリー 56

 魔術素養 100(±0)

 恵体 47(+2)

 気品 100(+24)

 王統 70(+17)

 母性 81(+9)

 料理 8

 手芸 12


アクション:

 生命付与レベル10(付与魔術100)

 属性付与(付与魔術50)

 チャージマジック(付与魔術80)

 霊装(付与魔術100)

 精霊魔術レベル1(精霊魔術10)

 魔晶解放レベル1(杖マスタリー50)

 多重詠唱(魔術素養100)

 臣従(王統40)

 盟約(王統50)

 手縫い(手芸10)

 授乳(母性20)

 搾乳(母性40)

 説得(母性60)

 子守唄レベル2(母性80)


パッシブ:

 カリスマ(王統10)

 命令(王統30)

 杖装備(杖マスタリー10)

 軽装備(軽装備マスタリー10)

 軽装備効果上昇(軽装備マスタリー50)

 貴族装備(王統20)

 マナー(気品10)

 儀礼(気品30)

 風格(気品50)

 威風(気品70)

 【会食】魅了(気品90)

 フリーパス(気品100)

 魔術効果上昇(杖マスタリー20)

 マジックブースト(魔術素養30)

 育成(母性10)

 慈母(母性50)

 子宝(母性70)


・《ルシオラ》が『霊装』となっている。

・あなたと婚約している。

・あなたに刻印を施されている。



(サブ……ジョブ? そんなシステム、エターナル・マギアには無かった……『霊装』を使った場合、例外的にそうなるのか……しかし、十分すぎるほどに強い。これなら、魔王とも戦える……!)


 惜しむらくは、限界突破を持たないために、ステータスの補正が最大限に効いていないところだろうか。だが、人間の領域では限界に近い強さと言える。


 あとは、魔杖を使いこなせるかどうかだ。氷漬けになったルシオラさんの本体が手に持つ魔杖――それを俺が見やると、ルシエは頷き、アイスゴーレムの足元に歩いていく。


『私の言うとおりに呪文を唱えなさい。言い伝えの通りなら、選定者が手にすれば、魔杖は持ち主の属性に応じた姿に変わるはずよ』

「はい、お母様……魔杖カタストロフ。我が手に来たりて、あるべき姿に戻れ……!」


 ルシエが杖に向けて両手を差し出す。すると、凍りついていたはずの杖が音もなくルシオラさんの本体の手を離れて、空中に浮き上がった。


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