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コミュ難の俺が、交渉スキルに全振りして転生した結果  作者: とーわ/朱月十話
第七章 少年期 西方領編二部 育成編
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第五十四話 断髪式/来訪者

 朝方、俺が先に目を覚ますと、ユィシアは俺の隣で身体を丸めるようにして眠っていた。


 彼女はふだん、完全に意識が眠ることは無いそうで、いつでも外敵が来たら覚醒する習性があるそうなのだが――今はどう見ても深く眠っていた。俺が動いてもまつ毛が動くくらいで、すぅすぅと安らかに寝息を立てている。


(俺が隣にいるから、安心してるのか……だとしたら、良かったな)


 白い頬に触れてみたくなるが、起こしてしまってはいけないので、俺はしばらく片腕を突いて頭を支え、ユィシアの寝顔を見ていた。


「……おはよう、ヒロトくん。って、挨拶していいのかな」


(なにっ……!?)


 いきなり後ろから声をかけられ、思わずビクッとしてしまいそうになる。ゆっくり振り返ると、そこには顔を赤くしつつ、俺をジト目で見ているアンナマリーさんがいた。


「な、なんで……アンナマリーさん、起こしに来てくれたとか?」

「う、うーん、まあそうだけど……」

「ちょ、ちょっと待った。えーと、他の場所で……」



◆ログ◆

・あなたは『忍び足』を使用した。あなたの気配が消えた。



 俺はそろそろとベッドを抜け出す。ユィシアは俺がいなくなった気配だけは察したのか、俺の枕をたぐり寄せると、ぎゅっと抱きしめるようにする――俺の匂いがするから、無意識に抱きまくらにしてるんだろうか。


 とりあえず部屋の外に出る。まだ早いので、誰も起き出していないようだ。窓からは朝の光が差し込んでいる。


「……ヒロトくん、あの子はふつうの人間じゃないみたいだけど……あの角って、ドラゴンの角だよね?」

「あ、ああ。あの子はユィシアって言って、この町の西の竜の巣にいたんだ」

「ドラゴンって、そう簡単に調教テイムできたり、人間と仲良くする存在じゃないって言われてるのに……ボクが想像もつかないくらい、すごい冒険をしてきたんだね……」


 寝間着姿で、いつもしている鉢巻も外していると、アンナマリーさんの印象がかなり違って見える。眼帯はやはり外せないようで、そこだけはリラックスした格好の中で異彩を放っていた。


「ヒロトくんは、女の人を惹きつける力を持ってるよね? ボクにも一回かけたでしょ」

「っ……い、いや、今は濫用はしてない……って、そういう問題じゃないよな……」

「ふふっ……やっぱり気にしながら使ってたんだ。いけないことだと思ってても、ボクにはそれだけのことをする価値があったってことなのかな?」

「う、うん……本当にごめん。赤ん坊だからって、調子に乗りすぎてたよな……」


 アンナマリーさんは楽しそうに俺を見ている。何も言葉にしないので、無性に恥ずかしくなってくる……何か、俺という人間の本質を見透かされているようだ。


 思えば初めて出会った時もそうだった。アンナマリーさんは、赤ん坊の俺の我がままを許して、大目に見てくれていた。


 そして、一日だけで俺の前からいなくなった。今回もそうなるんじゃないかという不安が、不意に胸をよぎる。


「ヒロトくん、どうしたの?」

「い、いや……その。アンナマリーさんに、もう少し……いや、ずっと、俺のパーティに残って欲しいと思って。また、居なくなったりしないでほしい」


 何を言っているんだ、と思う。冒険者である彼女を、無理に引き留めてはいけない――そう思うのに、気持ちが抑えられなかった。


「ずっとって、簡単に言っちゃっていいの? ヒロトくんは、もういっぱいお相手がいるんじゃないのかな?」

「……それでも遠くに行って欲しくないんだ。何かの理由がなければ、俺と一緒に冒険して欲しい」


 俺は彼女がふらりと家に立ち寄り、そして旅立っていった時から、その生き方に憧れていた。

 エターナル・マギアはもともと、各国に存在するダンジョンやクエストのレベルにばらつきがあったので、常に色んな国を周り続ける必要があるゲームだった。

 だから俺は、一つの場所に留まるより、他の場所を見てみたい気持ちがあった。領土を得たとしても、そこが安定すれば、拠点の一つと考えて旅に出たい。

 『冒険者』とはジョブの名前でもあり、エターナル・マギアの全てのプレイヤーに対する呼称でもあった。常に冒険をし続けることが課せられた宿命であり、何よりも俺がそうしていて楽しかった。新しい土地で、新しい人に出会い、新しい迷宮に潜る。その繰り返しでも、十分にのめりこむことができたのだ。


「……キミのパーティをいつか抜ける理由があるとしたら、この片目かな。キミも気にしてくれてたと思うけど、これは『魔眼』っていうの。ボクは聖槍の力を完全に引き出すために、普通の人と違う眼を手に入れる必要があった。でも、まだ宿してもらったばかりで、うまく見えない……封印を解くには、私が魔眼の主として認められないといけないんだって」


 魔眼のことをなかなか聞けずにいたが、期せずして彼女のほうから話してもらえた。聖槍を使うために必要な眼……ということは、聖剣を使う際にも、何らかの身体条件が必要ということになるのか。


 魔剣カラミティを聖剣に変えられる選定者は、一体どこにいるのか――それを見つけることさえできれば、父さんを魔剣の護り手の役目から開放できる。

 俺は斧マスタリーが上がりにくくなったために、別の武器を使ってみたくなって剣を握り、ウェンディと剣の訓練をしたことがある――それゆえに、『剣装備』と『薙ぎ払い』は会得している。しかし、聖剣マスタリーと剣マスタリーを持っていても、『魔剣の選定者である』ということにはなるかどうかはわからない。なぜなら、聖剣マスタリー自体は、武器の数より多く保有者がいる可能性があるからだ。『選定者が一人ではない』という推論もできるが、確信に足る材料はない。


「それにしても……聖槍なのに、『魔眼』なんだな」

「魔眼の力を私が引き出せれば、『聖眼』ってことになるのかもしれない。ヒロトくんは、魔眼に興味はある? 手に入れたいなら、宿してくれる人の居場所は教えてあげられるよ」

「そうだな……もし俺が持てる聖なる武器があるなら、その時は……」


 本当は『もし』なんて思ってはいなかった。

 魔王を討つ力を持つ武器。それを俺が自分で振るうことができたら、そう思わずにはいられない。


「……『聖斧』が、キミを選んでくれるといいね。ボクのお父さんは、得意な武器と、手に入った武器が噛み合わなかったけど……ボクを置いて一人で旅に出てから、見つけられたのかな……」


 もしそうなら、ヒューリッドは本当の意味で勇者になったのだと言える――だが、彼は表舞台から姿を消した。

 俺は、そうはならない。大切な人たちを残して居なくなるようなことは、絶対にしたくない。

 そうしたら、前世と同じになってしまう。何の恩返しもできないままで、


「ヒロトくん……どうしたの? つらそうな顔してるよ?」

「あ……」


 このところ、前世のことを良く思い出させられる。全く忘れていたはずなのに、やはり消えることはない。

 心配させてはいけない、早く笑わなければ。


 けれどそう思うあいだに、俺はアンナマリーさんに抱きしめられていた。


「……大きくなったのに、そういう寂しそうな顔しちゃだめだよ? こうしたくなっちゃうでしょ」

「ご、ごめん……そんなつもりじゃなかったんだ」


 慰めてもらいたかったわけじゃない。不意に思い出してしまっただけだ。

 そして辛くなるとしても、それは全て俺のせいだ。俺が、正しい道を選べなかったから――やり直すために、この異世界を生きているから。


「……ううん、こっちこそごめんね。本当はボクもずっと一緒に冒険したい。でも、キミはボクが思うよりもはるかに強かった。ボクはきっと、キミには追いつけない」

「追いつけなくたっていい。今だって十分、アンナマリーさんは強いんだから。みんなだって……」

「……それでもみんな、ヒロトくんの横を歩きたいんだよ。それができてるのは、ユィシアちゃんだけじゃないかな。見ただけでわかるよ、どれだけ彼女が強いのか……」


 これだけの人たちが、俺の近くにいたいと望んでくれる。

 それがあまりにも、恵まれすぎているように感じていた。

 みんなを育成して、強くしたい。そうしたら俺はもっと安心できるし、攻略で詰まることもない。

 ――そう思いながらも、俺は、自分が強ければ全てを守れると思っていた。

 そんな俺の心を、アンナマリーさんはやはり肌で感じ取っていた。彼女には、何も隠し事ができない。


「そのうちみんなは、誰が一番強いのかを確かめたくなると思う。ヒロトくんと戦って、ついていく資格があるのか確かめたいっていう人もいるかもしれない」


 スーさんがそうだった。ミコトさんだって、本当はそう思っているだろう。対人戦で無敵だった彼女が、単純なスキルの値で俺に差をつけられたとしても、戦わずに負けを認めるなんてことはない。


「守ってもらうだけじゃなくて、ボクもヒロトくんを守りたい。それが、一緒に冒険するってことだと思う」

「……そうだな。本当にそうだ……」


 ゲームではパーティの誰が欠けても、最難関ダンジョンの雑魚すら倒すことができなかった。

 俺はもっと本気で、皆を育てることを考えるべきだ。真にこの世界を踏破し、女神の所に辿り着こうと願うのなら。


「……なんて。本当は、必要としてもらえたらそれだけでいいのにね。ごめんね、面倒で」

「それは……面倒って言わないよ」


 必要としてもらえるだけでいい、そんな気持ちでいてくれるのなら――すぐにでも。


「ヒロトくんには、いくら強がっても全部受け止められちゃう。ほんとはまだ八歳なのにね……」


 アンナマリーさんは俺の頬に触れて、すりすりと撫でる。そして彼女は俺にもっと近づいて――、


 そのときお約束だと言わんばかりに、ガチャ、とどこかのドアが開いた。


「あら、ヒロトとアンナマリーさん。こんな早くにどうしたの? もう少し寝てていいのよ」


 姿を見せたのはレミリア母さんだった。アンナマリーさんは咄嗟に離れるが、まだ顔は赤いままだった。


「な、何か手伝うことないかと思って……そうだよね、アンナマリーさん」

「え? う、うん……居候してるだけもいけないから、後でお手伝いさせてください」

「そう? そこまで言ってくれるなら、お言葉に甘えようかしら。スーと一緒に下にいるから、もし良かったら来てね。ヒロト、ソニアが私の部屋で寝てるから、着替えてから起こしてあげて」

「う、うん……分かったよ、母さん」


 ユィシアは人間の食事を取る必要が無いのだが、どうしようか。と思ったら、母さんの声で起きてしまったらしく、念話が届いた。


(……起きたらご主人様がいなくて不安になった)


(ご、ごめん。ちょっと抜け出す用事があってさ。また埋め合わせするよ)


(……約束した。ご主人様のスライムが部屋に入ってきたから、護衛獣同士で交流を試みてみる)


(最近かまってなかったからな。そのうち呼ぶから、って伝えておいてくれ)


 ユィシアはスライムとも念話できるのだろうか、とふと思った。もしそうなら、ジョゼフィーヌ(スライム)が何を考えているか聞いてみたい。


 ジョゼフィーヌはもうすぐスライムスキルが100に達する。レベルも50になっていて、実は十分すぎるほど戦力になったりする。スライムが苦手な人も多いので、なかなか人前に出せないのだが。

 いつでも呼び出せる護衛獣は、ここぞという時に助けになる可能性がある。近いうちに呼び出して、今の状態スペックを確かめておこう。


 ユィシアの気配が離れたところで、アンナマリーさんは身だしなみを整えてこちらを振り向いた。母さんが起きてきて相当驚いたらしく、胸を押さえている。


「はぁ……びっくりした。さすがにお母さんに見られたら気まずいもんね」


 それなら廊下じゃなく、アンナマリーさんが使っている客室に予め移動すべきだったのではありませぬか、と俺の中の軍師が囁く。そこまで用意周到に行動して、どんだけ吸いたいんだと思われたら困るじゃないか、と俺の青少年的な部分が言う。


「じゃ、じゃあ……ボクは着替えてからレミリアさんを手伝いに行くね」

「あ、ああ……俺もそうするよ。ソニアも起こさないとな」



 その後、着替えた後で母さんの部屋に行き、ソニアを起こした。ソニアは寝起きはものすごく大人しかったが、やがて意識がはっきりしてくると、「抱っこして」と言ってきたり、おはようのキスをしたりと懐きまくっていた。だが俺はといえば、アンナマリーさんからいつ『用心棒』スキルをもらえるのかばかり考えてしまう。不甲斐ない兄を許してほしい。



 ◆◇◆



 朝食のあと、俺は家の庭先で、汚れてもいい布を敷いた上に椅子を置き、切った髪を除けるための布を羽織って座っていた。

 何が始まるかといえば、断髪だ。俺はついに、急成長して伸びてしまった髪をさっぱりと切ることになった。

 集まった人々を見回し、クリスさんが司会か何かのように、俺の肩に手を置いて言う。


「えー、ではこれより、ヒロト君の髪を切りたいと思います」

「どうしてあなたが仕切ってるのか分からないけど……クリス、この子のお母さんは私なのよ?」

「ご、ごめん姉さん、怒らないで。ちゃんと姉さんに譲るから」

「姉さんじゃなくて、『お姉ちゃん』でしょ? 何大人ぶってるの」

「うぅっ……わ、私も騎士団長になったんだし、ちょっとくらい大人ぶりたいというか、もう大人だし……」


 クリスさんは母さんに圧倒されている。こうして見ると、具足グリーヴの底が厚い分だけクリスさんの方が背が高いが、裸足になれば同じくらいの身長だ。双子とはいかないが、すごく似ている。


 そのクリスさんと母さんに内緒で親密になってしまった事実……背徳的だ。クリスさんは秘密にしてくれると言ったけど、もし気が変わったらと思うと落ち着かない。母さんに似てる叔母さんから秘密で授乳を受けましたなどと、字面だけ見るとスキャンダラスにもほどがある。


「じゃあ、リオナちゃんたちに先に切ってもらいましょうか。髪が短くなってくると、切るのが大変だしね」

「ありがとう、レミリアお母さん! ヒロちゃん、私が切ってあげるね!」

「……私も切っていいの?」

「ミルテ、はさみは気をつけて使うのよ。私が先にして、お手本を見せてあげる」


 ステラ姉はお嬢様然としたワンピース姿で、今日もカチューシャがよく似合っている。しかし大人っぽく振舞っているように見えても、俺の髪を切るとなると緊張しているみたいだった。


「……ヒロト、切らせてもらってもいい?」

「いいよ。みんな、わざわざそのために集まってくれたんだし」


 うちの庭は狭くはないが、あまりに人数が多すぎて、ほぼ女性で埋まっている状態だ。仕事に出る父さんは庭の光景を見てしばらく真顔になったあと、『上手くやるんだぞ』と俺の肩を叩いていった。いろいろと深い意味が込められている言葉に、俺の父さんへの尊敬度が10くらい上がった。


「ヒロト、髪は貰って帰ってもいいのじゃな? 強い人物の髪にはいろいろと用途があるのでな」

「ヒロトちゃんの髪で筆を作るとか、確かにいろいろありますよね~」

「マールさん、それは赤ちゃんの髪ですることですよ」


 ネリスさん、マールさん、アレッタさんという珍しい取り合わせ。それも、今日という日ならではだろう。


 赤ん坊の髪で筆を作る習慣が、この異世界にもあるのか。しかし切った髪にまで用途を見いだされるとは、俺はどれだけみんなに大事にされているのだろう。感謝しかない。


「リオナ、少しだけ切ってあげてね。いっぱい切ると、他の方たちの切る分がなくなってしまうから」

「うん、分かった! ヒロちゃん、じっとしててね……」


 ターニャさんがエイミさんに頼んで作ってもらったハサミで、リオナが最初に俺の髪を切る。そして巻き起こる拍手……なぜ拍手なんだろう。無性に照れくさい。


「私も……ヒロトの髪、つやつやしてる……」

「ミルテがそこを切るなら、私もその隣の房を……あっ。ごめんなさい、少し切りすぎちゃった」

「大丈夫だよステラ姉、相当長いから」


 年少組の三人がはさみを入れたあと、次にウェンディと名無しさん、モニカさんが切ってくれた。


「お師匠様の髪を、弟子の私が切る……な、なんだか感動であります……っ、き、切れましたっ……!」

「ふふっ……感慨深いものがあるね。また、髪の短いヒロト君を見られると思うと……小生はどちらも好きだけれどね……」

名無しノーンも結構ちゃっかりしてるわよね、そういうことサラリと言っちゃって……あたしもヒロトの髪、袋に入れて枕の下にでも入れとこうかな。そうしたらよく眠れそうだし」


 モニカさんはパーティ三人の分の袋を用意していて、俺の髪でお守りが三つ作られる。い、いいのか……髪なんて、すぐ伸びてくると思うんだけど。

 そして次はミコトさんだ。彼女は自分で専用の短刀を持ってきており、それで切ってくれた。そして離れるとき、耳元でそっとささやいてくる。


「ギルマスの髪を切るのが恒例行事になったら、楽しいですわね。皆さんで集まる機会ができて……いえ、そのうち全員で一緒に暮らすことになるのでしょうけど」

「み、ミコトさん、それは……」


 どこまで本気で言っているのか、完全に本気なのか。ミコトさんは転生者なのに、感覚がこっちの世界寄りになっている気がする。一夫一妻に、それほどこだわっていないような感じがしてならない。


 髪がかなり短くなって軽くなってきたところで、順番をみんなに譲っていたフィリアネスさんが、ようやくハサミを受け取った。


「ヒロトは、みんなに愛されているな……私も自分のことのように誇らしく思う」

「あ、ありがとう……ちょっと照れるな、みんなの前で言われると」


 俺の髪を手に取り、フィリアネスさんは次の人を待たせないようにすぐはさみを入れる。そして切った髪の束を、持っていた布で大事そうに包んだ。


「肌身離さず持っていよう。ヒロトの身体の一部だからな……捨てるなど、勿体無くてできない」

「フィル姐さんは、このまま結婚式でもしちゃいたそうだよね~」

「雷神さま、このままヒロトちゃんをさらっていっちゃいます?」

「なっ……く、クリス、マール! お、お母様もいらっしゃる手前で、何をおっしゃって……ではない、何を言っているのだ!」


 フィリアネスさんは胸元にお守りを入れる。それがあまりに自然な動きだったので、乳袋に収納されたのだと最初はわからなかった。

 彼女は赤い顔をして母さんを見やる。母さんは微笑みを返す――それを見て俺も顔が熱くなった。

 母さんは、俺とフィリアネスさんのことを知っている。それでいて微笑むということは、答は一つだ。


「ふふっ……あせらなくても大丈夫ですよ、フィリアネス様。息子から、お話は聞いていますから」

「はぅっ……! お、お話とは……申し訳ない、私は大事なご子息に、大変なことを……っ」

「男の子だから、少しくらいのことでは大丈夫ですよ。ねえ、ヒロト。ヒロトは強いのよね、すごく。フィリアネス様も、一人前って認めるくらいに」

「お、俺なんてまだまだだよ。ははは……」


(この流れでは、みんなが違う意味の強さにとりかねないんだけど……や、やっぱり……!)


 みんなの空気が一気に浮ついた感じになる。俺だけが変な想像をしていたということは全く無かった。

 年少組の三人ですら空気の変化を悟って、不思議そうな顔をしている。ステラ姉はもう少しで、『大変なこと』の内容にも気づいてしまいそうだ。そうなったら彼女の俺に対する態度は、どう変化するだろう――怒られそうな気がすごくする。


 そんな空気の中でやってきたのは、クリスさんとメアリーさんだった。メアリーさんは俺に近づくなり、予め書いておいたらしい手紙をさりげなく、膝の上に置いた俺の手の下に差し込む。

 みんながソワソワしているうちにさりげなく手紙を開いてみると、『まさか着任二日目で髪を切らせてもらえるとは思いませんでした。ここまで同行した判断は正しかったです。こちらからの報告は以上です』とある。エルフの彼女はフードをかぶっているが、その下の涼やかな美貌を覗いてみると、かすかに頬が紅潮している。


「メアリーちゃん、昨日からヒロト君になついちゃってるよね? まあ、事情は聞かないでおくけどねえ……んふふ。お姉ちゃんに言えないこと、どんどん増えていっちゃうね。それとも全部言っちゃおうか。私とジェシカと、ヒロトくんがどんな関係になっちゃったか……」

「クリスさん……実を言うと、母さんは俺のやんちゃには慣れちゃってるから、あまり驚かれないと思うよ」

「えっ……そ、そっか……お姉ちゃん、ヒロト君のこと、まだちっちゃい頃と同じ感覚で見てるんだ……」


 クリスさんは母さんに聞こえないくらい小さな声で言う。メアリーさんには聞こえていたので、彼女はどこからか紙を取り出すと、またさらさらと文言を書き記して見せてきた。


『お母様はヒロト様のことを、深く愛していらっしゃるのですね。軍師と総指揮官であるヒロト様の間の信頼関係も、それくらいに緊密に構築したいものです。私が要請したときに、自由時間を共有することを規定します』

「うぁっ……ぐ、軍規はやめてくれっ……!」



 ◆ログ◆


・《メアリー》は『軍規』を発動した!

・『ジークリッド隊』において、新たな軍規が施行された。

・『軍規』スキルによって制定された、ひとつ前の規則は破棄された。



(な、なるほど……スキルで規定できる軍規は、1つずつなんだな……しかし前より悪化……いや、エスカレートしたような……)


「……そういうことなら。メアリーちゃんと一緒に、私もヒロト君のとこに行けばいいよね。そうだ、マールも誘っちゃおう。マール、ヒロト君のこと大好きだもんね」

「なっ……く、クリスちゃん、何言ってるの! 私のいないところで、そんな本当のこと言って!」

「本当のことならいいじゃん。ヒロト君は忙しいんだから、チャンスを逃したら致命的だよ? 私はヒロト君と一緒になる機会があるからいいけどね。赤騎士団は、私も含めてヒロト君の指揮下だから」

「ぐぬぬ……わ、私だってヒロトちゃんのパーティの一員だもん! 指揮下よりパーティの方が偉いんだから!」

『それは聞き捨てなりません。指揮官の頭脳となる軍師は、いわばヒロト様と一体のようなものです。パーティより一心同体の方が偉いです』

「め、メアリーさん……あまり挑発しないで、仲良くしてくれ。指揮官として頼む、このとおりだ……!」

『……そこまでおっしゃるなら仕方がありません。軍規は守ってください。こちらからは以上です』


 マールさんが涙目になっているので、俺は彼女の味方をしたくなってしまう。メアリーさんはちょっぴり拗ねているようだったが、軍規さえ守れば文句はないようだ――くっ、また軍師スキルが上がってしまうのか。中途半端に上げるのも勿体ないので、いっそ10まで上げてしまおうか。だが調子に乗り過ぎると、悠久の古城に行く前の準備期間で、一線を超えてしまいかねない、そんな積極性をメアリーさんからひしひしと感じる。


「んふふ……周りが積極的だと遠慮しなくていいからイイよねぇ……ヒロト君、可愛い耳の形してる……」

「クリス、次はソニアの番なんだから、可愛い姪っ子に順番を譲ってあげてね」

「おにいたん、ソニアがちょきちょきしてあげる。ちょきちょき……」


 ソニアはレミリア母さんに抱えられてやってくると、俺の髪に何回かハサミを入れた。子どもなりに気を使っているようで、あまり沢山は切られなかった。思いやりのある妹に、あとでプレゼントをあげたい気分だ。


「私たちが終わっても、まだ何人も待ってるのよねぇ……」

「あ……お姉ちゃん、私と口調が似てる。やっぱり離れてても姉妹なんだよねえ。うぅ、ちょっと泣きそう」

「またそうやって嘘泣きして。クリス、後でゆっくり話しましょうね」

「う、嘘じゃないんだけどなー。ヒロト君、お母さんにもっと妹を信じろって言ってあげてよ」


 クリスさんがほろりとしたのは本当のようで、少し目が赤くなっていた。彼女の様子を見ていれば、姉であるレミリア母さんを慕ってることはよくわかる。


「ようやく順番が回ってきたのう。この切った髪は、無駄にならぬようにしたいものじゃが……責め苦に使うための筆を作るか、育毛剤くらいしか作れんのう」

「前者がサラリと出てくるのはどうかと思うんだけど……それにしても若くなったね、おばば様。いや、もう若すぎて俺より若いんじゃないかって感じなんだけど、どうなのかな」


 ネリスさんに髪を切られながら話す。彼女はいつもと同じとんがり帽子にローブを身に着けているが、若返る前と変わっていなければ、ローブの下は下着姿だったりするので、何だか見ていてドキドキする。


「ふふっ……やはり若返って良かったのう。年増のままでは、お主もそれなりの見方しかせぬからな。これで、修行がますます楽しくなりそうじゃ……」

「ヒロトさん、教会に通う時間も取っていただければ、女神さまの教えを説いてさしあげますよ。久しぶりに、いかがですか……?」

「うちの店でも、掘り出し物の商品が入ったらヒロトくんのために取っておいてるのよ。来てくれたら、色々積もる話も……と言いたいところだけど、私ももう行き遅れだしね……はぁ」


 ネリスさんと一緒にセーラさんとメルオーネさんが髪を切ってくれる。既に長さは半分ほどになって、肩の辺りまで短くなっていた。もっと切ってもらって、短髪といえる長さにしたいところだ。あまり切りすぎてもアレなので、仕上げを担当するターニャさんの美容師――もとい調髪師としてのスキルに期待がかかる。


「掘り出し物は見てみたいけど、それだけじゃなくて、メルオーネさんとはまた改めて話したいな。もちろんネリスさんのところで修行もするし、礼拝にも行くよ」

「忙しすぎて身体を壊さないようにね……と言いたいけど。近くに来たら、あたしのところにも寄っていきなさい。ステラとアッシュも会いたがってるしね」


 そう言いつつもエレナさんは、昔から俺が遊びに来ると、様子を見て授乳してくれるのが常だった。友達のお母さんから秘密で授乳してもらうというのは、何というかスニーキングミッションをしている気分だったが、今にして思うと良い思い出だ。


「ヒロト坊やのところに来れば、普段会えない人にも会えていいね。メルちゃん、誘ってくれてありがとう」

「ヒロトちゃんは人を惹きつける力がありますから。私は、最初に惹かれたと言っていいんでしょうか……」

「坊っちゃん、失礼いたします……昔からお変わりなく、さらさらとした髪でいらっしゃいますね……」


 エイミさんとサラサさん、スーさんがやってきて、俺の髪にハサミを入れる。エイミさんは小柄なので背伸び気味に、サラサさんは優しい手つきで切ってくれた。彼女とは赤ん坊の頃から触れ合ってきたからか、その手が肌にかすかに触れるだけでも『懐かしい』と感じてしまう。俺にとっての母親は間違いなく母さんだが、『母性』の偉大さを教えられたのは彼女だ――それは今でも変わらない。


(限界突破を、母性を上げるためにサラサさんに授与する……すると胸の大きさはどうなってしまうんだろう。今でもはち切れそうだから、さすがにこれ以上は……)


 座っている俺の髪を切るために普通に近づいただけで、肩に乳房が乗っている。もはや爆乳ではない、彼女の場合は覇乳であるといえよう。乳世界ニューワールドに覇権を唱える女王、それがサラサさんである。もう自分でも何を言っているのかわからない。


「お母さん、ヒロちゃんの肩に胸がのってるよ?」

「あっ……り、リオナ、そういうことはみんなの前では言ってはだめよ。お母さん、わざとしているわけじゃないんだから」



◆ログ◆


・《レミリア》はつぶやいた。「サラサさんったら……でも今となっては私も負けないわよ」

・《フィリアネス》はつぶやいた。「の、載せるというのはどうなのだろうか……サラサ殿の大きさからすると、いたしかたないことなのか……私もしていいのだろうか……い、いやしかし……」

・《メアリー》はつぶやいた。「……なぜ半分は同族なのに、これほどの戦力差が……いえ、まだ負けたと限ったわけではありません」



 メアリーさんはサラサさんがハーフエルフだと察していて、意識しているようだ。二人きりにしたら、親しくなれるかもしれない。

 そして次に順番が回ってきたのは、アンナマリーさんだ。彼女は俺に近づくなり、苦笑して言う。


「みんなヒロトくんにお熱だから、ボクはあっさりめにしておくね。髪はもらっておこうかな」


(二、三ヶ月したら結構伸びると思うんだけどな。俺の髪のご利益は果たしてあるのか……?)


 そうこうしているうちに、ようやく断髪式も終わりが近づく。フィローネさんがハサミを入れてくれたあと、ついに仕上げのターニャさんにバトンタッチした。


「髪を切るだけで一大行事になるなんて……これは、絶対失敗できないわね」

「ふふっ、そんなこと言ってるけど、ターニャの腕は確かだから。他の町からも、髪を切って欲しいってお客さんが来るくらいだし」

「そうなのか、それは楽しみだな。ターニャさんが思う通りにしてくれていいよ」

「ええ、ヒロトくんの魅力を最大限に引き出してあげる……行くわよ……!」



◆ログ◆


・《ターニャ》は『ドヴェルグの髪切りばさみ+2』を二刀流で装備した。

・《ターニャ》は『シザーハンズ』を発動した!

・あなたの髪が見る間に整えられていく!



(うぉぉ……な、なんか凄いぞ……これ、本当にハサミで切ってるのか……!?)


 ハサミの動く速さが尋常ではない。二つのハサミが縦横無尽に動いて、髪を切っていく――こんなスキルを持っていたら、それは調髪師の仕事も繁盛するわけだ。


 これはもはやショーのようなものだ。俺の髪が整えられていくのを、みんなは驚嘆して眺めている。



◆ログ◆


・《ターニャ》の『シザーハンズ』が完了した。

・あなたは生まれ変わったような気分になった。周囲の視線がいつもより好意的に感じる。

・『交渉術』スキルが1上昇した!



(めったに上がらなくなってたのに、ボーナスを振らなくても上がった……!)


 容姿を整えることも、交渉術に寄与するということか。髪の長い姿も悪くないとみんなは言ってくれたが、やはり短い方が合っているのか。さして容姿に自信のあるわけではない俺だが、ターニャさんに髪を切ってもらうと、それだけで何か自信が湧いてきている――これも『シザーハンズ』の効果なのだろう。


「自分で切っておいてなんだけど、こんなにうまくいくなんて……フィローネ、鏡を見せてあげて」

「え、ええ。ヒロトちゃん、はい」


 ぽーっと見とれていたフィローネさんが、あわてて手鏡を見せてくれる。そこに写っている俺は、髪をさっぱりと切られ、自分で言うのもなんだがかなり爽やかな見た目になっていた。やはり髪型は大事だ。

 ターニャさんとフィローネさんが切った髪を払い、布を外してくれる。俺は立ち上がって、改めてみんなを見回した。誰も何も言わないが、それは似合ってないからではないと思いたい。


「ありがとう、ターニャさん。みんなも、忙しいのに集まってくれて嬉しかったよ。俺の髪をお守りにしたりするのは、ちょっと恥ずかしいけどさ」


 冗談めかせて言うが、みんな固まっていて動かない。な、なぜだ……手鏡を見て確認したが、切りすぎてもいないし、我ながら今までで一番しっくりくる感じで整えてもらったのに。


「……ねえミルテちゃん、ヒロちゃんってこんなにかっこよかった?」

「……新しい髪型だと、前よりすてきに見える」

「ヒロト……王子様みたい……」


 ステラ姉が俺に見とれている――魅了してるわけでもなんでもないのに。そこまで褒めてもらえると、逆に照れくさくて仕方なくなってくる。

 だが、年少組の受けは良くても、他のみんなはどうだろう――と思っていると。


「あぁーーーーん! やっぱり髪切った方がいい! すんごくいいよ、ヒロト君! 」

「ぶぁっ……く、クリスさん、大げさすぎ……ふもっ……!」

「クリスったら、変な声出さないの。ヒロトにはどんな髪型だって似合うから、驚くことじゃないわ」


 レミリア母さんにたしなめられても、クリスさんはぐりぐりと俺を胸に押し付ける。今日は胸甲のないタイプの鎧を身に着けていたが、それはこのためだったのでは……と思ってしまった。


 ◆◇◆


 髪を切り、その後の一時間近くの出来事によって俺は腑抜けにさせられるところだったが、ギリギリのところで生還した。決して時間を無駄にしてはならないので、俺はすぐに次の行動を起こした。


 セディが魔石鉱を採掘する経路について相談したいことがあるというので、俺は彼女の屋敷に向かった。

 ――しかし、その途中で。

 ミゼールの町の北門を出たところで、セディの屋敷の前に、見覚えのある馬車が停まっているのを見た。公国の紋章――ルシエが乗っていた馬車と同じ。その傍らには、青い鎧を身につけた女性騎士の姿がある。


 そして、馬車の中から、見覚えのある侍女に手を引かれて降りてきたのは――。


「ルシエ……!?」


 首都にいるはずのルシエと、侍女のイアンナさん。そして、護衛を務めているのだろう、青騎士団長のジェシカさんがそこにいた。


 ルシエは俺の声に気づいて、こちらを見やる。その次の瞬間、彼女は俺の方に向かって駆け出していた。


「ヒロト様っ……ヒロトさまぁぁっ……!」


 スカートの裾を引き、公女としての貞淑な振る舞いもなにもかもかなぐり捨てて、ルシエはひたむきに俺を見つめて走ってくる。


「っ……ルシエ……まさか、ここに来るなんて思わなかったよ」


 抱きとめると、ルシエは肩を震わせながら、俺の胸で泣きじゃくる。ストロベリーブロンドの髪……やはり間違いない、公女ルシエがここにいる。


「今、この町に来ることが危険であることは分かっています……でも、ヒロト様にひと目お会いしたくて……あぁ……ヒロト様……っ」

「……そうか。大丈夫だよ、俺が……俺たちが、守るからさ。それにルシエの力も、いずれ絶対に必要になるから」


 魔杖カタストロフを『聖杖』に変え、魔王リリムを倒すことができるのはルシエだけだ。

 できるならば、彼女にも少しでもいい、身を守る力と、杖を使いこなす技術を身につけてもらわなくてはならない。ルシエがミゼールに来たことには確かにリスクもあるが、間違いというわけじゃない。


「ルシエ殿下は、ヒロト様のお力になりたいとおっしゃっておいでです。このイアンナも、副王となられるヒロト様を主と思って尽くしましょう。何なりとお申し付けください」

「イアンナさんも久しぶりだな。来てくれて嬉しいよ」

「くぅっ……あ、あまり役に立たないと思っておいでではないのですか? その優しいお言葉……このイアンナを懐柔して、どうなさるおつもりなのですか……っ」


 二人とも変わっていないな、と微笑ましく思う。俺の胸で泣きじゃくっていたルシエも、俺につられるようにして笑っていた。

 ジェシカさんは馬を降りて、俺に同行していたクリスさん、フィリアネスさん、メアリーさんと握手を交わしていた。


「ジェシカさん、お疲れ様。また一緒に戦えるね」

「ああ。互いに背中を預けるとはいかない立場だが、公女殿下を護り、ミゼールを守るために力を尽くそう」

「そのことなのだが……もしミゼールが戦場になるならば、検討すべき策がある。メアリー殿、そうなのだな?」


 フィリアネスさんの問いかけに、メアリーさんはこくりと頷く。

 次第に、盤面は整い始めている。俺は魔王の気配がそう遠くないように思いながら、セディの屋敷に入る途中で、自分の力が今どれほどのものなのかを省みていた。

 あとどれだけ強くなれば、再戦が叶うのか――それとも、今十分に条件を満たしているのか。それはまだ見極められないとしても、これから始まる育成期間で、何を鍛えるべきなのかを把握しておきたかった。



 ◆ステータス◆


名前 ヒロト・ジークリッド

人間 男性 14歳 レベル59


ジョブ:村人

 ライフ:1840/1840

 マナ:1548/1548


スキル:

 斧マスタリー 120 剣マスタリー 10

 聖剣マスタリー 1 【神聖】剣技 53

 【暗黒】剣技 2 精霊魔術 78

 法術士 32 薬師 35 商人 36

 盗賊 33 狩人 30 戦士 32

 忍術 5 守護 1 猛将 3

 竜騎兵 6 戦略 1 気功術 2 


 衛生兵 31 騎士道 30

 聖職者 30 布教 1

 冒険者 30 鍛冶師 30

 歌唱 10 舞踏 1 

 統治 1

 

 恵体 153 魔術素養 127

 気品 32 限界突破 61

 房中術 16 刻印 10


 交渉術 121 幸運 110


アクションスキル:

 薪割り(斧マスタリー10)

 兜割り(斧マスタリー20)

 大切断(斧マスタリー30)

 パワースラッシュ(斧マスタリー40)

 スマッシュ(斧マスタリー50)

 ブレードスピン(斧マスタリー60)

 ブーメラントマホーク(斧マスタリー70)

 ギガントスラッシュ(斧マスタリー80)

 トルネードブレイク(斧マスタリー90)

 ドラゴンデストロイ(斧マスタリー100)

 メテオクラッシュ(斧マスタリー110)

 山崩し(斧マスタリー120)


 薙ぎ払い(剣マスタリー10)


 神威(限界突破50、気功術)


 加護の祈り(【神聖】剣技10)

 魔法剣(【神聖】剣技30)

 ダブル魔法剣(【神聖】剣技50)


 精霊魔術レベル7(精霊魔術70)

 法術レベル3(法術士30)


 ポーション作成(薬師20)


 値踏み(商人10) 目利き(商人20)


 忍び足(盗賊10) 鍵開け(盗賊20)

 隠形(盗賊30)


 狩猟(狩人10) 狙う(狩人20)

 罠作成(狩人30)


 ウォークライ(戦士20)


 応急手当(衛生兵10) 包帯作成(衛生兵20)

 毒抜き(衛生兵30)


 野営(冒険者20)


 メンテナンス(鍛冶師20) 鍛冶レベル3(鍛冶師30)


 祈る(聖職者10) 浄化(聖職者30)


 無敵(恵体100)

 マジックブースト(魔術素養30)

 多重詠唱(魔術素養100)


 艶姿(房中術10)


 値切る(交渉術10) 口説く(交渉術30)

 依頼(交渉術40) 交換(交渉術60)

 隷属化(交渉術95) 看破(交渉術110)

 恭順(交渉術120)


【口づけ】授印(刻印10)


 ×ラッキーアタック(幸運50)

 ×神頼み(幸運70)


パッシブスキル:

 斧装備(斧マスタリー10)

 剣装備(剣マスタリー10)

 弓装備(狩人10)

 杖装備(聖職者10) 聖職者装備(聖職者10)

 軽装備(冒険者10)

 薬草学(薬師10)

 回復薬効果上昇(薬師30)

 手加減(【神聖】剣技30)

 商才(商人30)

 マナー(気品10) 儀礼(気品30)

 勇敢(戦士10) 攻撃力上昇(戦士20)

 気配察知(冒険者30)


 カリスマ(交渉術50)

 【対異性】魅了(交渉術80)

 【対同性】魅了(交渉術85)

 【対魔物】魅了(交渉術90)

 選択肢(交渉術100)


 ×ピックゴールド(幸運10)×ピックアイテム(幸運20)

 ×豪運(幸運30) ×クリティカル確率上昇(幸運80)

 ×天運(幸運100)恩恵(幸運110)


備考欄:


・冒険者ギルドでBランクに認定されている。

・12人のパーティのリーダーである。

・2体の護衛獣を使役している。

・『恩恵』を奴隷リオナに対して使用し、『幸運』スキルを分配している。

・ジュネガン公国赤騎士団を支配下に置いている。

・ジュネガン公国青騎士団を支配下に置いている。

軍師メアリーの規定した『軍規』の影響下にある。

・ジュネガン公国の副王となる資格を持っている。

・ジュネガン公国の貴族の血統を持つ。

・パラディン《フィリアネス》と婚約している。

・プリンセス《ルシエ》の婚約者として認められている。

・『雌皇竜の水晶殻』を所持している。

・人魚から『授乳』を受けた。

・雌皇竜から『授乳』を受けた。

・《名称不明》から『刻印』スキルを授与された。

・《ルシエ》《フィリアネス》《ミコト》《スー》に刻印を与えた。

魔王リリムに生気を吸われた。


 残りスキルポイント:83



※あけましておめでとうございます!

 本年もよろしくお願いいたしますm(_ _)m

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