プロローグ⑶
「あ、あの……大丈夫ですか?」
…………………………。
返事がない?
「もしもーし?」
………。
返事がない………ただの屍のようだ……ってそれはダメだろっ‼︎
にしても返事もないし全く微動だにも動かないし……どうしたものか……とはいえこのまま放置ってわけにもいかないしなぁ〜……
『ニセモノはだぁれ?
ニセモノはだぁれ?
ニセモノはだぁれ?
ふふふ……ニセモノは貴方?
それとも私?
だぁれ?だぁれ?
ニセモノだぁれ?』
っ………『ニセモノの方は』
『しんじゃぁーえ(殺)』
「なっ………なんなんだいきなり………
ニセモノ?……っわけわかんねぇーよ…………ってあれ?さっきの子がいない⁈…………………………………………………」
どういうことなんだ?
俺はただ蹲る少女に声を掛けただけ
なのにいきなりなんなんだ‼︎⁈
ニセモノ?死?
…………馬鹿馬鹿しい。
んなことあるわけねぇー………第一にさっきのだって悪ガキのいたずらかもしれない……最近のは随分と凝ったことをするやつだっているし………でもさっきのは………いやいや…もうやめだやめ、こんなことを考えてる暇があったら先生から貰ったこの山のようなプリントの束を片付けることを考えるとするか……………きっとさっきのは悪い冗談紛いもんだ…………俺には関係ない………………………。
『知らぬが仏
知ったら地獄………
きっと君じゃ耐えられない
君じゃ………ねぇ………』
上空で低く幼い声は
儚く風の向くままに消えていった
(さぁ、悪夢の役者たちによる罠だらけの公演の始まりだ)