1622年の黒船
なんだ、あの船は、帆がない、漕いでもいない
黒い煙を吐き出し、船体の横に取り付けた水車を回して進んでいる
バール王国による歓迎式典に参加するため
二代将軍、徳川秀忠は船上にあった
バール王国からの要請により、人払いを求められた
海上に現れたのは、見たこともない船であった
凄まじい音とともに、船からさらなる黒煙が上がった
砲撃音、大阪の陣で何度も聞いた音
秀忠は身の危険を感じた、大阪の陣で大阪方の突撃を受け、本陣を崩された、あの時以来の命の危機が
迫ってきている
ムノ殿
同じ船に乗り込んでいたバール国王を咎める声が飛ぶ
どういうつもりか?
上様、これが南蛮の隠している船でございます
本国にあると言う、南蛮船がこれか、本国には、さらに凄い船があると吹いておったが、本当だったのか
この船の特徴は風も人も使わず、船が進めることでございます、いつでもどこでも好きなように動けます
向かい風でも、無風の時でも
そして、いくらでも陸に近づくことができるのです
そして、大砲を浴びせると言うのか
これでは海に面した都は、すべて奴らの攻撃を受ける
江戸も一たまりもあるまい、海から離れて暮らすことはできぬ、幕府が詰むわ
なぜ奴らは、この船を送ってこないのだ
このような船が、何隻か現れただけでやつらの言い分を聞かざるおえまい、なぜだ
お答えします、この船は木炭を燃やして進むのでございます、木炭がなくなれば進むことができません
ゆえに、あちこちに木炭を貯めておく必要があるのです、その木炭を貯めておく場所が、まだ充分ではないそれで南蛮から、ここまでは、まだこの船が来れないのです
木炭で動く、信じられぬわ、それが本当ならわが国でも作れるのか
難しく思います
そちの船がここにあるではないか
この船は何とか作ったもので、何隻も作れません
高度な技術が必要なのです
それで、この南蛮船が、わが国に押し掛けるまでに
こちらでも作れるようになるのか?
今すぐ押し寄せるわけではありますまい、時間はあります、その間に作ること可能と存じます
そちの望みは
わが国はキリシタンではありません
宗教とは無縁でございます
わが国とだけでも貿易を続行していただきたい
さすれば、南蛮の技術を盗み、船の完成度を高めることができましょう
わが国にとっても脅威ですので、幕府のお力を借りしたい。
幕府はバール王国との貿易を許可した
南蛮の脅威が語り継がれず、途絶えてしまうことを
心配したバール王国側の要請により、蒸気船は4年に1度は出航し、いずれ来る脅威を限られた者たちへと
伝える役目をになった
今、この情報が広まれば、人心が乱れる
幕府の判断であった




