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第六章 ニナ号の変装


ニナ号の最上階、艦長室。

艦長レイロは、なんと銀の皿のような顔立ちに、白い頬、鳳凰のような目元、塗らずとも赤い唇、描かずとも翠の眉を持つ絶世の美女であった。今のレイロは、花街の若旦那に変装し、艦長補佐の冷凝霜——白く美しい肌に抜群のプロポーションを誇る美女——を執拗にからかっていた。


「凝霜、その見事な九頭身に加えてこのとんでもない美脚、そりゃあ人を惑わすってもんだ!白い肌に美貌、美脚なんて、もう犯罪レベルだよ!」


冷凝霜、その名の通り冷たく霜のごとし。彼女は迷惑そうにレイロを手で払いのけ、冷ややかに言った。

「ニナはすでにA-119号室の乗客、荘莫言の情報を詳細に調査済み:男、17歳。司命城・春風路10番地に居住。司命城では有名な霊植ハンターで、二日前に司命城・星光港から乗船。目的地は啓明星都市。おそらく啓明塔の入学試練に参加するつもりです。」


「おもしろいじゃないか。凝霜、いっそのこと啓明塔の信物を樊清雪に渡しちまおうか?あのふたり、一目惚れの恋人同士なんだろう?運命の人たちにしちまえよ!」


「あなたがそれでいいなら、清雪がニナ号を離れるのは良いことです。」冷凝霜は冷たい声でそう返す。


レイロが女性で、しかも絶世の美人であることを知る者はほとんどいない。というのも、レイロは艦内でめったに姿を見せず、すべてをニナ号のコア光脳を通じて管理しているからだ。また、艦内放送では太く粗い中年男性の声を使っている。さらに、誰も知らない事実として、ニナ号は青龍城の傘下にある六艦六芒星のひとつ「雪芒星」である。

現在、青龍城の老城主は病に伏しており、勢力争いが複雑化しているため、レイロと冷凝霜はこの状況に樊清雪を巻き込みたくなかった。


「じゃあ、そういうことで決まりだな!私の信物、クリスタル・アルカナカード——ワンドのカードを清雪に渡す。それから彼女を蹴っ飛ばして啓明塔の老学究どもに放り込んでやろう。清雪が“雷刀霜剣”の名を再び轟かせてくれればいいじゃないか、ハハハ!」


十年前、レイロと冷凝霜もまた啓明塔で修行していた。雷刀霜剣として、啓明三塔をほぼ制覇し、“青龍の双姝”の名は当時の生徒たちにとってまさに悪夢であった。


プープープー……

ニナ号の量子光脳が空間に声を響かせた。

「艦長レイロ、A-119号室の乗客・荘莫言が緊急面会を要請。内容は“ハリケーン・奈落”に関するもので、真実性指数90%以上と判定。至急面会の上、詳細な確認を推奨します。」


レイロ、冷凝霜、そしてちょうどワンツァイを抱えて艦長室に入ってきた樊清雪の三人は、同時に動きを止めた。


「なんだって!?荘莫言とハリケーン・奈落?さっきこの嘘つき小僧と別れたばかりじゃない?10分も経ってないよね?」

樊清雪は不思議そうに、白い額に手を当てた。


「清雪、すぐに彼を艦長室へ連れて来なさい!」

レイロは一瞬の迷いもなく命令を下した。


「了解しました。」

清雪はワンツァイをそっと床に下ろし、その場を離れた。


「凝霜、ニナ号の変形Aプランを即時起動!」


「了解、艦長。起動しました!ニナ号の新たなエネルギー回路が形成中。A型変形構造は準備段階に入り、30分後に変形開始、50分後に変形完了予定。形態はシャトル型戦闘モードに移行します。」


レイロと冷凝霜は、一切のためらいなく行動を開始した。量子光脳の90%真実判定は、彼女たちにとっては“120%の確信”と同義。

この超人的な慎重さ、素早い判断、完璧な連携こそが、雪芒星・ニナ号が命環の海域を縦横無尽に航行し、乗員と乗客の安全な到着を可能にしてきた所以である。


ニナ号は三つの形態を持っている:


1. 通常航行時に使用する球状航行モジュール——「B形態」。安全性と快適性に優れ、長距離航行に最適。

2. シャトル型戦闘艦形態——「A形態」。攻撃・離脱に最も適した形態。

3. 正三角形型全防御形態——「C形態」。防御力に特化した最も安定した形態。地形の援助を必要とし、固定展開後は移動不能。全エネルギーが防御に転換される。


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