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第36章 再会(二)



黒の円舞ホール、空間ノード。青龍九衛、啓明九相、勾陳六星の三勢力がそれぞれ一角を占め、三角形を描くように対峙していた。その中心には、金色の八面体クリスタル柱――空間ノードが厳かに立っている。


赤い覇刀を地面に真っすぐに突き立て、霸刀・冷戦はその前に座禅を組み、両目を閉じて静かに瞑想していた。彼を護衛する青龍八衛は二人一組となり、東西南北四方向からそれぞれ警戒に当たっている。


啓明九相を率いる木星相・沐風もまた武器を抜かず、動くことなくじっと何かを待っているように見える……。


勾陳六星は、リーダーの御紫芳が暗闇の中に身を隠し、ほとんど姿を見せないが、残る五人は南十字星陣を組み、星光を織り交ぜつついつでも襲撃できる構えを取っている。


高天は一瞥で、遠くに瞬く南十字星陣を捉え、思わず口端を吊り上げた。勾陳の民は厄介だと聞いていたが、まさかここで御紫芳と再会するとは予想外だった。かつて、高天は“炽天使の銃・光の翼”を試作するため、極夜区の光耀谷へ単身で赴き、希少な光耀結晶――“光の心”を求めた際、御紫芳と遭遇し、命を狙われた過去がある。なんとか逃れたものの、今日また空間ノードで彼女と相対するとは。


高天の視線が空間ノードのほうに向き直ると、御紫芳もノードを精査していた手をぴたりと止め、こちらを振り返った。四つの瞳が交錯した瞬間、彼女の紫髪がまるで無風にもかかわらずかすかに揺れた。両手は自然と十字印を結び、高天を狙い定める。しかし、一瞬考えたのち御紫芳は印を解き、冷たい紫の眼差しを保ったまま高天率いる「六三」小隊を見据えた。


その横で樊清雪もまた、全身黒甲の饕餮衛と、その中心に座す霸刀・冷戦の姿を目にし、思わず眉をひそめ、足取りを緩めた。


「清雪、どうした?」

あとから追いついた庄莫言が声をかける。


「莫言お兄ちゃん、気をつけて。あれは青龍九衛よ。」


「それに勾陳六星もいる。」


前方に進む高天も足を止め、仲間と合流した。


「司南お嬢さま、空間ノードの金色柱の後ろに九人いるわ。もう一つの九人隊みたい。」


青龍九衛と啓明九相もまた、別の六人隊の接近に気づいている。


「清雪ちゃん、やっぱり来てたのか! ははは、縁があるねえ!」

霸刀・冷戦は立ち上がると、独り言のように笑いながら言った。彼は盤坐のまま立ち上がったように見え、特に手や体を支える素振りはない。まず辺りをぐるりと見回し、「さあ、お嬢さまにご挨拶しなくちゃ!」と大声を発した。


「一同、大小姐にご挨拶を!」

八衛が一斉に呼応した。


「冷隊長、私のことは樊清雪と呼んでください。大小姐なんて、とんでもないです。冷戦さん、こうして試練場で再会した以上、我々は公正に戦いましょう。遠慮は不要です。」


樊清雪の言葉などおかまいなしに冷戦は続けた。


「清雪ちゃん、出発前に樊会長から『啓明塔で会ったら必ず守るように』と厳命されたんだ。君たち六人、一緒に後ろを付いて来れば安全に出られるよ!」


庄莫言は樊清雪の手をそっと引き、「ねえ、今は黙っておこう」と呼びかけた。


「ふふ……皆さん、早く到着したようですね。うちの小隊も運が良くて、ここに空間ノードを見つけられました。率直に言いましょう。このノードはきっと何か変化を起こします。その前に穏便にしておくのが得策です。小さなことで大きな損失を出し、重要な変化を見逃すようでは困りますからね?」


冷戦は眉間にしわを寄せ、その言葉にじっと耳を傾けた。その視線の先では、啓明九相の面々が、さらに奥から現れた白虎六人衆を捉えていた。


――戦いではなく、今は協調を。空間ノードをめぐる真の局面は、これから幕を開けようとしている。


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