第35章 再会(聚首)
メビウス環――黒の円舞ホール。高天は再び「オーディンの眼」探知機を起動し、モードをメビウス環の力場による屈折率計測モードへと切り替え、「六三」小隊を率いて空間ノードへ向かって進軍していた。
「莫言お兄ちゃん、私たちは空間ノードへの道を見つけることができたけど、他の小隊はどうなの? もし見つけられなかったら、永遠にここに閉じ込められるんじゃない?」
「司南、莫言に少し休ませてやって。自分で考えてみなさい。」
「は〜い、どうやら清雪お姉ちゃんは莫言お兄ちゃんを気遣ってるみたいね。ふふっ、ふふふ!」
「司南、何を言ってるの。彼の実力が一番低いんだから、また誰かに捕まって私たちの弱点として狙われたらどうするのよ。」
樊清雪はそう言いながら司南の手を取って走り出し、あからさまに莫言を煙たがっているような態度を見せた。この時の「六三」小隊は、高天が先頭を歩き、莫言、樊清雪、司南が中間に位置し、元艮と元坎が後衛を務めていた。
莫言は言葉に詰まり、気まずそうに鼻をこすりながら、何と言えばよいか迷っていた。するとその時、胸元の特製ポケット――眠っていた月夜無霜が収められていたそこが、ふいに動いた。霜霜がついに目を覚ましたのだった。
「清雪お姉ちゃん、どうして啓明塔の入学試練は三つの異なる集合地点に分かれてるの? おかげで三人隊や九人隊の情報がまったく分からないよ!」
司南は初めてこの果てしなく広がる空間に足を踏み入れ、周囲にはたまに煌めく光の綿毛のようなものが浮かぶ以外、何も見当たらなかった。樊清雪の手をしっかり握っていても、司南の心はどこか落ち着かず、口を止めることができなかった。まるで話し続けることで、この無限の暗闇に抗おうとしているかのようだった。
その時、莫言が突然立ち止まった。「六三」小隊の全員が即座に警戒態勢をとり、素早く莫言のもとに集まった。
「大丈夫、みんな心配しないで。ただ霜霜が目を覚ましただけだから。」莫言も一瞬驚いたが、すぐに気づいて皆に説明した。
月夜無霜は相変わらず天青色の飾り帯の衣をまとい、天青色の瓔珞宝冠を頭に乗せ、水光のように白く柔らかい小さな足は裸のまま。しかし、今は小さな腰に蒼青色の「奈落の針」が宝剣のように吊るされていた。
「霜霜ちゃーん! やっと会えたよ〜! すっごく会いたかったんだから!」
司南は樊清雪の手を放すと、急いで霜霜のもとへ駆け寄った。
「えっ、司南ちゃん? どうしてここにいるの?」
「やっと気づいたの? このバカ霜霜! 私のこと、親友ってちゃんと覚えてる?」
もはや司南は、黒の円舞ホールに対する恐怖をすっかり忘れていた。霜霜との再会の喜びにどっぷり浸っていたのだった。
莫言は、霜霜と自然に会話している司南の様子に驚いた。霜霜と心の中で言葉を交わすには、脳波リンクが必要なはずだ。司南はいつ霜霜と出会ったのか? しかも、どう見てもかなり親しい様子ではないか?
「モモ、司南はね、以前司命府にいた時に私ができた大切なお友達なんだよ。」
莫言はようやく理解した。自分の霊植が司命府で取引される際、いつも20〜30%も高く買い取られていた理由を。特に品の良い希少な霊植は、50%もの上乗せで収集されたことさえあった。
樊清雪も、司南と霜霜が楽しげに話す様子に驚きを隠せなかった。片や人間の言葉で饒舌にしゃべり、もう一方は「ひんひん」と音を立てて返しているだけ。しかし月夜無霜は、清雪の嬉しそうで驚いた表情を見て、くるりと宙返りして清雪の目の前に現れた。そして彼女の額にキスをし、脳波リンクを起動させた。
樊清雪の耳元に、鈴の音のような霜霜の声が響いた。
「清雪、これで私たちもお話できるようになったよ、ふふっ。」
「モモ、啓明塔の中枢光脳はモイライ・パシー――運命の女神なの。今回の試練には全部で三つの関門があるの。順に『メビウス環』『万象水晶橋』『暗宮問心室』よ。メビウス環の空間ノードは、ちょうど一日後の真夜中に金色の牽引光線を放つの。そのとき、黒の円舞ホールに漂っている光の綿毛たちも道しるべになって、試練の受験者たちを空間ノードへと導くの。」
「その金色の牽引光が出現している間だけ、空間ノードを通過できるわ。もしそれを逃したら、次のチャンスは三日後の真夜中まで来ない。その二回だけ。三度目はないのよ。」
――と、月夜無霜は莫言の脳内に語りかけた。
莫言は得た情報を仲間たちに共有し、やはり空間ノードに向けてできるだけ早く出発することを決めた。金色の牽引光線が現れる前に現地へ到着し、有利な地形を確保することで、「六三」小隊が関門を突破する可能性を高めようとしたのだ。
樊清雪は、そこで再び冷戦と対峙することになるとは思っていなかった。そして、高天にとっても、自分があの勾陳城の御紫芳と空間ノードで再会することなど、まったく予想外の出来事だった。