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第二十一章 出会い



啓明城──高通星命環において、人類が極昼地域に築いた最初の都市であり、別名「風の都市」。人類は啓明城の豊かな風力資源と極昼地域における二十四時間の日照による太陽エネルギーを最大限に活用し、さらに山々が連なる地形を活かして、軽量でシンプルな跨座式モノレール・磁気浮上列車「環城通軌リングトラック」を設計し、都市全域を結んでいる。


環城通軌の車両上部には、きらめく光を反射する光帆が広がり、銀白色の車体は流線型。高度な知能管理システムがもたらす便利さと迅速さに、司命城から来た荘莫言は深く感動していた。


猛スピードで走る環城通軌に乗って、荘莫言、月夜無霜、樊清雪、そして鶏界の絶世美形──旺財は、まっすぐに啓明塔へと向かっていた。


一方、啓明城西港を出航したばかりの「ニーナ号」最上階の艦長室では、雷洛が手元の双月湾刀をくるくると回しながら、遥かなる海と空の境界を見つめていた。気だるげに冷凝霜へ話しかける。


「霜霜、啓明塔の入学選抜方法って変わってなければいいけどね。変わってなかったら、荘莫言、かなりヤバいかもよ、ふふ……」


「清雪がいるから、荘莫言がただの一般人でも、彼女が連れて行けば問題ないわ。ちょうど昔のあなたみたいに。あのとき、普通人の蕭天聖を啓明塔に連れて行ったじゃない。」


「えへへ、それもそうね!蕭天聖、まだ啓明塔にいるのかな?あの子、今やあの頑固な学者たちの目の中の宝石だからね。そういえば霜霜、『颶風奈落』の報告書、どうなってる?青龍二部の連中は簡単には騙されないよ。ニーナ号の乗員の中にも、誰が青龍二部のスパイか釘かなんて、わかったもんじゃない。」


冷凝霜は変わらぬ冷たい表情で答える。


「『颶風奈落』の報告書は明日には用意するから心配しなくていい。ただし、今回青龍城に戻るとなると、洛洛──あなたはニーナ号を離れて雷家に戻らなければならないみたいね。」


……


一方、蕭天聖は目の前に広がる人だかりに緊張し、思わずごくりと唾を飲んだ。大勢の前で話すのにはどうしても慣れない。なにしろ自分はただの一般人なのだから。


「皆さん、ようこそ困難を乗り越え、危険を恐れず、啓明塔学院に来てくださいました。あなたが能力者でも、修練者でも、あるいは私のような普通人でも、ここに立っていること自体がすでに成功です。これからシステムAIが各人にランダムで小さな球体を配ります。その中の番号が、今回の啓明塔入学試験でのあなたの受験番号になります。この番号は他人に絶対に知られてはいけません。知られた場合、その責任はあなた自身にあります!」


約40分後、全員が球体を手にした。荘莫言は表面上は平静を装っていたが、内心では大いに焦っていた。自分の手にした小球を何度もひっくり返して確認したが、番号らしきものはどこにも見当たらない。中は空っぽだったのだ!


「では第一試練を開始します。制限時間は2時間。この時間内に、各自でチームを組んでください。3人、6人、あるいは9人でチームを構成し、チーム全体の番号の合計が369を超えないことが条件です。それを満たせば、第一試練は合格です。」


荘莫言と樊清雪は視線を交わし、以心伝心のようにそれぞれ三本の指を立てた──あと一人見つければチームができるという合図だ。二人はすぐに別行動に出て、荘莫言は周囲をぶらつきながら、啓明塔の周囲の人々を観察し始めた。


そのとき、荘莫言はある人物に目を留めた。彼は人混みの片隅に立っていた。若々しく見えるが、顔色は蒼白で、雪のように白い顔立ちには一切の表情がなく、この世の空気を吸っていないかのようだった。黒くて太い眉毛は剣のように鋭く、ほとんどつながっている。氷のように冷たい双眼は、それでも星のように明るく輝いていた。


彼の姿は、ただ一言で言い表せる──冷たい。


これが、高天という人物が荘莫言に与えた第一印象だった。そしてそれが、二人の人生における初めての「出会い」であった。



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