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第十章 奈落の心


黒い空間は滝のような雨のようだった。


荘莫言は両手の指をしっかりと組み合わせ、人差し指を伸ばして「臨」の字印を結んだ。すると、一丈ほどの気の盾が立ち上がり、三人を守った。


「ねえ、美女二人、未成年の酷使は星間法違反だよ?」

星間時代では科学技術の発展により人間の寿命はさらに延び、法律では人間は25歳で正式に成人とされる。高通星もこの星間法を採用している。


荘莫言は自分が雷洛や冷凝霜よりも実力が弱いことをよく理解していた。だからこそ補助役を務め、雷洛と冷凝霜の力を温存し、緊急事態に備えるべきだと思っていた。高通星の歴史上、おそらく自分たち三人は初めて飓風奈落の内部に足を踏み入れた探検者たちだった。奈落の空間はすべて水で満たされており、真っ暗で何も見えなかった。


「霜霜、どうする?どっちに進む?」雷洛は習慣的に冷凝霜に尋ねた。

雷洛だけが知っている。親友であり副手の冷凝霜の凄さを。死の間際でない限り、どんな大災害が起ころうとも、冷凝霜は常に最も安全で有利な選択を瞬時に判断し、小さな利益を積み重ねて最終的に無事に危機を乗り越えるのだ。


「もし奈落の心の外側が全て水なら、その中心はきっと氷だろう。奈落は既に大きく傷ついている。生きている生命体なら、必ず結晶化した核があるはずだ。その結晶化核を見つけて完全に破壊しなければ、私たちは脱出できない。」


現在、荘莫言は一丈ほどの気の盾しか張れず、雷洛と冷凝霜は彼にぴったりと寄り添い、二人は荘莫言の腰に腕を回して三人は並んで漆黒の空間に浮かんでいた。雷洛も冷凝霜も経験豊富な冒険者であり、この未知の空間に入った最初の間はじっと動かず、声を出さずに観察を続けていた。荘莫言が我慢できずに話し始めるまで、彼女たちは沈黙を守っていた。


「荘莫言、あなたは見えているんでしょ?道案内して、私たちはついていく。」

「冷大美女、また分かってるのか?ここは真っ暗で、どこに道があるんだ?置いていかれなければそれだけでありがたいよ。まずは照明用の結晶石でも出して明かりをつけようか?」

「軽口はやめて。霜霜は一度も間違ったことがない。これから教える、冒険で必ず身につけるべき第一の技:未知の場所に着いたら最初にやるのは防御と観察だ。まず全力で防御し、静かに観察する。暗闇にいる時は、絶対に最初に結晶石で明かりをつけるな。そうしないとたいてい死ぬことになる。しかも多くは仲間に殺されたり、見知らぬ怪物の餌にされたりする。覚えておけよ。お返しに、荘莫言、君の力で道を開け。うちの霜霜は絶対に間違わないから!」


正眼法藏を使い、荘莫言は仕方なくそれを発動した。空間の濃墨のような黒が彼の紫色の瞳に染み込んでいき、周囲に細かな空間の亀裂が浮かび上がった。奈落の心の空間は既に危険な状態であり、先ほど見た雷洛の左手の雷刀には大小の亀裂があり、荘莫言は雷洛の剛猛さと奈落の強さに感嘆した。雷刀と霜剣の斬撃にまともに当たり、雷洛の雷刀がほぼ壊れかけているのに、奈落はまだ生きているのだ!


遠くの滝のような雨は、徐々に細かい霜剣や氷の刃へと変わっていった...


極めて遠く、ぼんやりと、かすかに非常に高い氷山がそびえ立っているのが見えた。

「そっちの方向へ飛ぼう。あそこに氷山があるみたいだ。」


どれほど飛んだかわからない。途中で何度か休憩したものの、荘莫言はすでに疲れ果てていて、回復できないほどの限界だった。今は雷洛に引きずられるように歩いている。

「臨」の字の手印と「正眼法蔵」を同時に使うのは非常に疲労が激しく、特に「正眼法蔵」を使う際の精神的消耗は計り知れなかった。


冷凝霜は二人の前を歩き、剣気で護盾を張りながら、霜剣や氷刀の攻撃を防ぎつつ道を切り開いていた。


真っ直ぐにそびえる氷山は、まるで巨大な柱のように眼前に立っていた。滑らかで鏡のような柱の内部には数えきれないほどの淡い青色の光点が輝き、そのため氷山の十丈(約3メートル)以内は幽玄な青色に包まれていた。


十丈以内には霜剣や氷刀の痕跡は一切なく、代わりに二体の巨大な獣の死骸が忽然と姿を現した。

一体は巨大なムカデのようで、もう一体は巨大なミミズのようだった。













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