27いざ出発①…
よし。いざスタート!
ユノと大型宇宙船でスタートした。
可愛らしい、ちょっぴり昔風な
バックミュージックが流れる。
始めはドーナツ、チョコレートと
お菓子のゾーン
いける!いける!
上上ちょっと下
斜め右上
「あ!」
HPが減る。
来た。金平糖の星群。
ユノ、ドンドン食べてよ。
ナラさんが大変にならないように。
心の中で叫ぶ。
よし。よし。
来た来たー!!わたあめの星雲。
さっきの資源確保が効果的で、進行方向への入り口もバッチリ分かる。
よしよし。
「バズり動画ありがとうー!!」
そしてスターをゲットして…。
来るぞ、
大ダンゴムシ!
(動きは覚えている。
大ダンゴムシは全部で4匹。
時計の反対周りに
12時方向、3時方向、6時方向、9時方向
にいるムシが2時間分戻る。
一定時間止まって、
そしたら1時間分進んでまた2時間分戻る)
大丈夫。大丈夫。
ビームを確実に打ち込んで、2匹倒したら進むんだ。
いける。いける。
1発…。2発…。3発…。
そして連射。
よし!よし!よし!
今だー。
…………
「えつ…。
うそ…。
電源切ればいいんだっけ?
なんで?なんで?なんで?
ヤダー!!
ナラさん…ユノー。」
…………
大ダンゴムシにやられて
死んでしまった…。
…………
信じられなくて、
泣いて、泣いて、泣いて…。
そのまま寝てしまった。
…………
「起きてください、ユノさん!
次は、大ダンゴムシの生息地の
調査と資源回収ですね!」
と、今さっき失敗したはずの
スタート地点に私は戻っていた。
ユノとして。
………
「顔洗ってくる。」
そして気づいたのである。
鏡を覗くと、
オレと
心の中の私の顔が瓜二つだということを。
そこにある…ということを。
そして、手元にスマホがあることを。
急いで、顔認証でスマホのロックを外せるか試みる。
「できたー!!
神様、どっかの世界の私の中にいるユーキ様!!
バズり配信者の皆さまー!!
どうか、どうか、
ナラさんを救う為にも、
知識と、モノを小さくする魔法と、強運を、オレにください。」
と、ひたすら
スイーツ・プラネットの
バズり動画を
焦って
見まくる。
「まだですかー?ユノさん?
置いて行きますよー!!」
「ダメだ。ナラさん。
オレとナラさんの未来がかかってるんだから。
スマホの動画を完璧になるまでチェックするんだ。
さっきは、編集されてること考えないで、
タイミング間違えたんだから。」
「何のことですか?」
「オレがナラさんのこと、失いたくないってことだよ。」
ナラさんの顔が、
真っ赤になっていることなんて、
気づかなかったし、
自分で言った言葉が、
どんな意味として
ナラさんが捉えていたかなんて、
全く頭になかった。
間に合いませんでした…。
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