表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界?でバズっていいですか!  作者: ツユクサ
出会い
13/37

13…回顧録

私は

母側の先祖を辿ると、

フェイの一族にルーツがあり、

魔法が使える。

それはとてもありがたいことと

自分では思っているのだが、


時に、自分の影が薄くて見えない人もいるようで、

街の人が工房の話をすると、


全く何を話しているのか、

意味不明だと

なる人もいるようだった。


ハーフエルフより、

ずーっと、ずっと、

街の人達に近い存在になっているはずなのに、

と、自分では思っているのだが、

時にそのことで

辛い思いもしてきた。


自分も周りも子どもの頃、

私が見えない、感じられない人がいるなんて、

知りもしなかった。


就学期を迎えるにあたり、

母と学校を訪問すると、

何故か、自分の番がずっと回ってこず、


母が「帰ろう」と言った。


ねぇお母さん。

先生達、私の名前、はじめは言ってたよね?

でも、来てないって言ってなかった?

ずーっと居たのに。

意地悪されたのかな?


「あのね、ユーリ。

お母さんも、ユーリも…。」


と、その時初めて、

知ったのである。


…………


シュザンヌさんは、

そんな中でも、

私が子どもの頃からの友人で、


「ユーリさんが見えない、知らない。と言う人が時々いるのだけれど、何でなのかしら?」


と、フォローしてくれた。


………


いいのよ。

シュザンヌさんがいてくれれば、


街の人達からの注文も受付られるし、

私の友人達からの依頼も受けられる。


何も問題なんてないわ。


そう幾度となく、

自分にも言い聞かせるつもりで

シュザンヌさんに、返答してきた。


それは事実、

気心知れた仲間からの依頼が、

自分の存在意義に感じられて心地良いのであった。


………


〇〇橋が見える位までの所に来ると、


そこには水の精霊と、

街で麦を育てる

農家の息子が、

小川のほとりで、

何やら話しては笑い合い、

時々、見つめ合っているかのようにも見える場面であった。


しばしの待ちぼうけを受けたが、

水の精霊に声を掛けるタイミングがみつからず、

次第に、少し辺りが暗くなってきた。


シュザンヌさん、

暗くなってきたので、光の精霊から頂いた飾りが、

あと少しで見えなくなるでしょう。

そうなると、この素敵な服のデザインが、

半減どころが、

ゼロになってしまうでしょう。

私は、シュザンヌさんの

デザインを認めて欲しいので、

一度出直すこととしましょう。


そして、来た道を工房まで戻り、


明日の朝、

朝露が草花と静かな時間を楽しんでいる時に、

出直すこととした。


暗くなると、水面は闇夜を映し出す。

今日は月明かりも弱いので、

この服を今見せる訳にはいかなかった。


今日は、美味しいお酒でも飲んで、

明日の朝早起きすることにしよう。


と、準備をした。


心地よい曲が流れ、

ウトウトと眠りについた。


………


いつものアラームにセットしている曲とは、

今さっきまで違う曲を聴いてた気がする。


けど、何なのか思い出せない。


あれ?

起きれなくて、次の曲までいっちゃってたか。

そうだよね。


と目を覚ます。


ふと、今なら、

ミシンの糸が通せそうな気がする。


というか、


あそこを、ああやって、下に行って…

あれ?何で今までできなかったんだろう?


それすら不思議に思える程、

「できる」確信があった。


キッチンでお湯を沸かす用意をし、


隣の部屋に行き、

デスクにミシンを乗せて、

糸を持ってきた。


指が勝手に動く。


ほらね!

何て簡単かしら。


このまま、「ミシンの使い方」動画を撮っちゃおーっと。



カタカタカタカタ…。



やかんが鳴って、手を止めた。


「バズること間違いなしね。」

という気持ちと、


(簡単にできたわけじゃないわよ。

私がサポートしたから。)

という心の声が聴こえた気がした。


初めての連載中です。

面白かったら、ブックマークと評価をお願いします!

何とか、まずは1週間!と頑張りました。

これからも、読んで、応援して頂けるよう、頑張ります!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ