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落第生部活指導員と現代魔法スポーツ  作者: たなお
2章 タッグバトル編
91/92

91話 タッグバトル②

 カレンの《バスターソード》は祐乃の腕に命中する。


「あうッ‼」


 大したダメージではないが、重量があるせいで姿勢を崩し、地面に倒れた。

 すぐに立ち上がって抵抗しようにも、《エクスプロ―ジョン》は粉々に砕けっている。


――今の祐乃に抵抗する術はなにもない。


 怯んで動けない愛那目掛けて《バスターソード》が頭上に直撃する。


 ドダン――ッ‼


 愛那が地面に叩きつけられ、大きな音が広がった。

 

――スコアボードが更新される。

 

【菅原愛那 HP65】

【夏目祐乃 HP90】

【✕✕カレン HP100】

【紫ハヤト HP100】


 愛那のHPが大幅に削られる。

 試合が有利に進み、ハヤトは思わず歓声をあげる。


「カレンさすがッ‼ 強い‼ サイコーッ‼ 結婚しようッ‼」

「…ダル」

 

 カレンはそっぽを向くと、《バスターソード》を握り直す。


「あんた、こんなんじゃないでしょ」

「もちろんよッ‼ 試合はまだ始まったばかりよッ‼」


 愛那は目を吊り上げ、勢いよく立ち上がると《暗黒剣オメガ》の刃先をカレンに向ける。


「強いわね。わくわくしてきたわ」

「そりゃどうも――ッ‼」


 両者の剣が衝突する。

 数秒は競合ったが――重量が違う。


 愛那は《バスターソード》の重さに吹き飛ばされた。


「…そんな細い剣で、あたしの剣と競合えると思わないで」

「そうね、あなたの言う通りよ――ッ! けど、意識が剣に向きすぎよッ‼ 行きなさいッ‼《降魔の矢・シャドーダーツ》!」」


「な――ッ」


 突如、カレンの背後に魔法陣が出現し――黒い矢が背中を貫いた。

 不意打ちを受け、体勢が崩れた瞬間、《オメガ》がカレンの胸元に炸裂する。


「――カレン」


 カレンが思わぬ反撃を受け、ハヤトが驚いた瞬間を――当然、愛那は見逃さない。 


「あなたも隙まみれよッ‼ 《唸れ、暗黒・ダーカー!》」

「うわ――っ!」


 どーん

 

 黒い魔力の塊がハヤトの腹部に命中し、HPを削る。

 

――スコアボードが更新される。

 

【菅原愛那 HP65】

【夏目祐乃 HP90】

【✕✕カレン HP70】

【紫ハヤト HP80】


「つ、強い…」

 

 愛那の実力を目の当たりにし、祐乃が思わず声を上げる。

 不利な状況を一気にひっくり返したのだ。


「か、勝てる…愛那ちゃんがいれば…ボク達勝てるよ…」


 独り言だった。

 誰にも聞こえないはずの、小さな独り言。


 しかし、シンには聞こえていた。

 聞こえてしまった―――


 優秀な友達の活躍に心を躍らせるの良いことだ。

 けれど祐乃の場合は依存に近い。


(…マズいな)

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