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落第生部活指導員と現代魔法スポーツ  作者: たなお
2章 タッグバトル編
67/73

67話 ※祐乃視点

 深夜。誰もが寝静まった時間帯。

 自室のベッドで寝ていた祐乃は懐かしい夢を見ていた。

 ――――

 ――

 ―

 

 コーチが来る前、まだマジッカ―部に多くの部員がいた頃。

 愛那ちゃんは、がむしゃらに練習していた。

 

 …けれど、それが結果につながることはなく――愛那ちゃんは全く勝てなかった。


 愛那ちゃんは、やる気はあった。

 けど空回りしていたんだと思う。

 

 部活に担任はおらず、誰も教えてくれる人はいない。

 独学で学ぶしかない環境。


 マジッカ―部は部活として機能不全に陥っていた。

 部室は不良のたまり場と化しており、お菓子を食べてスマホを弄っているなら可愛い方だった。


 けど…たばこの吸い殻まで落ちていて…


「何やってんのよ!真面目にやらないなら出て行って!」


 愛那ちゃんは限界が来ており、部室にたむろっていた不良グループに嚙みついた。

 

「真面目ちゃんごっこ楽しい?」

「あんたねッ! いい加減にしなさいよッ!」


 今にも殴り合いの喧嘩が始まりそうだった。

 そこで僕は「ダメだよ。喧嘩は!」と言って仲裁したが――加熱した不良と愛那ちゃんは止まらない。


 そこで僕は()()をしてしまった。

 今でも心の奥底から後悔している提案を――


「マジッカ―部だし…マジッカ―で勝敗つけたら…どうかな?」


 意外にもこの提案を不良はあっさりと受け入れてくれた。

 今でもあの顔は覚えている――まるで『楽勝』と言わんばかりの表情だった。  


 愛那ちゃんが負けるわけないと思っての提案だった。

 あれだけ練習している。

 だから、必ず勝てるって―――

 

 ビーッ

 勝敗を知らせる音がグラウンドに響き渡った。

 

「キッショ。調子のんな」

 

 ―――愛那ちゃんは負けてしまった。

 あそこまで悔しそうな愛那ちゃんを見たのは初めてだった。

 雨に打たれて、悔し涙を流し、ひたすらに地面を叩いていた。


「なんでよッ!あたしの何がダメなのよッ!なんでできないのよッ!!!!!」


 間違いなく愛那ちゃんが正しかった。

 誰よりも真面目に部活に取り組んでいたし、校則に違反した不良が間違っている。

 それは事実だった。

 

 けど――愛那ちゃんは負けた。 

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