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落第生部活指導員と現代魔法スポーツ  作者: たなお
1章 マジッカーフロンティア県代表戦編
30/76

30話 

「あー、疲れた。旧友に会うと、疲弊するぜ」


 嫌味を吐くとシンは溜息を吐いて、背伸びをする。 

 シンにいつ話かけようかと、愛那はモジモジしながら口を開く。


「ねえ……あの……さ……二宮さん?」

「んだよ、気持ち悪い呼び方すんな」


「どう呼べばいいのか、わかんないのよ……」


 昨日の出来事から、すっかりと覇気を失った愛那の姿に、シンは頭をかいた。

 愛那の無自覚な暴走なので自業自得とはいえ、やり過ぎた感は否めない。


「好きに呼べ。シン君以外は認めてやる」

「その呼ばれ方に、抵抗でもあるの……?」


「シン君と呼んでいいヤツは、この世で1人だけなんだよ」

「それなら、ボクは、これからコーチと呼ぶね。部活指導員さんだし、それにとっても強かったから!」


「いいぜ。それで、お前は、俺をどう呼ぶんだ?」

「考えておくわ……」


 相変わらず、意気消沈とする愛那。

 普段、鬱陶しいと感じていた減らず口でさえ、今のシンには恋しかった。


 愛那という女は嫌いだが――あいつの言葉は聞いてると、どことなく活力が湧く。

 自分と悪い箇所だけ似ていて、まるで鏡を見ている気分になった。

 

 心底、イラつく。


 しかし、おかげで活力が沸き、昨日はマジッカ―を最後まで続けられた。

 息吹の時ですら、途中で投げ出したというのに。


「話題が逸れたわ。さっきの人、プロの北里息吹選手よね。勝利してたみたいだけど……。あなた、いったい何者なの……?」

「他人の空似だ。そんな大物に、俺が勝てるわけねーよ」

「……」


 自分でも呆れるくらい、見え見えな嘘。

 人を見る能力が劣っている愛那ですら、疑問を持ったようだった。

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