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現代科学魔法と落第生の部活指導員  作者: たなお
1章 マジッカーフロンティア県代表戦編
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1話 科学で作られた魔法

 ――薄暗い部屋。


 ジャージ姿の青年、二宮(にのみや)シンは自室でぼんやりとテレビを眺めていた。

 薄暗く、静かな自室に甲高い実況の声が響き渡る。

 シンが観ているのはスポーツ番組だ。


『――それでは皆様、お待ちかねのエキシビションマッチとなります!』


 ウォウッ! ウォウッ! ウォウッ! ウォウッ!

 ウォウッ! ウォウッ! ウォウッ! ウォウッ!


『4万人の観客からの声援もバッチリ! 熱気も高まっております!』


 イェーイ!


 白熱するスタジアム。


 観客の視線は、優雅にユニフォームを着こなす男性に集中していた。

 注目の的となっている男性は、スタジアムの観客の歓声に応えるため、大きく両手を振るった。

 スタジアムを飛び回る、テレビカメラ内蔵型ドローンにも笑顔を向け、画面の向こうにいる観客へのサービスも忘れない。


 盛大なファンサービスを受けた観客は、さらなる盛り上がりをみせ、彼へと声援を送る。


 イブキ! イブキ! イブキ! イブキ!

 イブキ! イブキ! イブキ! イブキ!


『さすが無敗記録を誇り、歴代最強のプロと唄われる北里息吹(きたさといぶき)選手! この試合でも、可憐な()()を見せてくれるのでしょうか! では、対戦相手の入場です!』 


 筋肉質の巨漢(きょかん)な男が、入場口から疾風怒濤(しっぷうどとう)の勢いで飛び出し、威嚇するように息吹を睨みつけ、仁王立(におうだ)ちの構えを取る。


 ウオォォォォォォォォォッ‼


 スタジアム中に巨漢な男の雄叫びが響き渡る。


『今回、北里息吹に挑む選手は、県代表戦を勝ち抜いた強者です! 本日も、多くの選手をいとも容易く蹴散らしました! 勝利の秘訣は、あの鍛錬(たんれん)された筋肉、なのでしょうか!? そして、北里息吹選手とチャレンジャーの圧倒的とも言える体格差! しかし、()()()()()()()()()()()()()に性別、体格は関係ありません! おっと――両選手、指定の位置に着いたようです! ()()()()()()の装着も終えております! では――』


『――試合スタートです!』


 わああああああああああああああああああああ‼


 待ちわびたと言わんばかりに観客たちの雄叫びがスタジアムに響き渡った。

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