7ポンッ 夢の夢
「ぅう…」
ここは、どこだ…?
確か俺は大魔王城にいたはずだが…
【夢の夢】
俺は、床に横たわっていた
ばっ
ここは、家か…?
…………………
家…?
なんで、そんなとこにいんだ!?
しかも、テレビがある!
て言うことは…
ここは、異世界じゃなくって現実世界なのか…?
俺は、今の状況を喜んで受け入れられるはずがなかった
せっかく異世界で無双できそうだったのに…
俺の野望が…
俺のすべてが…
そのような、後悔の言葉が彼の脳裏をよぎる
現実に戻されたという現実がやはり受けれられない
今までのあれは全部夢だっていうのか?
ほぼ何もしてないのに…?
…………………
夢……
夢!?
そうだ!
まだ、これが夢だっていう可能性があるじゃないか!
俺は思い切って、漫画のように頬を叩いた
ペチンッ
「痛っ」
優しく叩いたつもりだったが、痛かった
信じたくないが、これは夢ではなく、現実、、
今までのあれが夢だったんだ
心の整理をつけるのに1分30秒ほどかかった
とりあえず、日付を確認するか…
俺はデジタル時計を見た
5月5日?
確か俺の記憶だと、あの日は2月14日だったはずだが?
記憶違いか?
時計が壊れているのかもしれないな
俺はカレンダーを探した
確かに5月のページだが、
ん?
2021年!?
2039年のはずだ…!?
どうなってんだ!?
ん?
いや…?え…?
そもそも、ここは俺の家じゃないぞ…
何が起きてるのかまったくわからない
まず、ここは俺の家じゃないし、ここは俺の住んでいる年でもない
だが、見覚えもある
だから、カレンダーの場所時計の場所を知っていたんだろう
が、なぜこんな重大な事に気づかんかったんだ
ここは、俺が幼稚園の時に、住んでいた家だ
懐かしいな
緊張がなくなってソファーに腰を掛けた
俺の父親は、転勤族だった
2年に一回転勤をする
この家も転勤したときに住んでいた家だった
最初の頃は、転勤先の子と仲良く遊んでいたしそれに溶け込んでいた
が…
転勤すればするほど、転勤先の子と僕との間に友達歴という壁が高くなってきた
つまり、どんどん友達という強い友情の輪に入りづらくなっていた
それに、段々一人で声をかけるのも怖くなり母に頼り入れてもらうようにしてもらっていた
段々、母に頼るのも恥ずかしくなり、家に小学生から家に籠もるようになった
学校にはいってたけどな
そんなときに、ずっと心の拠り所だったのが
戦隊ヒーローの敵だった
たくさんの部下に指示を出し、自分は何もしない
そんな、姿に憧れた
逆に、俺は戦隊ヒーローが嫌いだった
なぜ、自分が傷つくのに戦うのか?
自分で行動するのが嫌いな俺には昔から理解できなかった
ちなみに、今もわかっていない
いつも、ヒーローにやられてしまうが、逆にそれがかっこいい
俺は異世界でもそれを…
したかったのか
結局誰かに見られないと、誰か主人公がいないと悪役(俺)は、ばえない
こう思うといろんな思想がでてくる
ふぅ〜
で…
これから、どうす…
ポチッ
俺は目の前にあったテレビをつけた
丁度戦隊ヒーローがやっていた、
懐かしいな
終わった〜
消すか
ん?
画面に文字がある
俺は、テレビに近寄った
それに、どんどん大きくなっている
いや違う
テレビが近づいてきているんだ
シミュレーションが完了しました
そのアナウンスとともにまばゆい光が俺を襲った
なんだったんだ?
『ミサゲル様!』
『大変です!冒険者が!』
この声は、ていうか名前は…!
俺は目を開けた
目の前には、大魔王城がある
「はあ〜」
「何だ夢だったのかよ」
『はい?』
「良かったが、いろいろとおかしかったな」
『が、細かいことはいいか!』
『良くないですよ!第一の塔が崩れたことにより、冒険者が攻めてきました!』
まぢ!?
続く
コラム 大魔王の睡眠
普通、魔物は寝ない
というより、夜はより活発に動く
脳を整理するときに出る夢などないが、戦いのイメージを作るために虚偽空間を大魔王は作ることができる
脳内で強くなることができるのだ