俺は、友達と楽しく過ごしたい
あれ。
ここ、どこだ?
『誰か!バスタオル持ってこい!』
『今、貸し出し中で……』
『なんでも良い!布をもってこい!』
『救急車はまだなの!?』
気付いたら、視界が真っ赤に染まっていた。
『先生、保健室からシーツ持ってきました』
『急げ!急いで貸せ!!』
『はい!』
その「赤」は、見ているだけで頭がスーッと軽くなるような鮮明な色をしている。
なぜか、俺にはそれが心地よく感じてしまった。
『おい!聞こえるか!』
『——くん!——くん、返事して!寝たらだめよ!』
『…………?』
誰かの声がする。ざわざわとした声と、誰かが叫んでいる声。
しかし、いくら探しても、その人物を見つけることはできなかった。
声が、頭の中にこだまするだけ。
それよりも、眠かった。
昨日、夜更かしして奏と一緒にスマブラしてたからだ。夢中になりすぎて、気付いたら午前4時を回っていた。それから2時間くらいしか寝てないから。眠いよ、そりゃあ。
『——!——!返事しろ!』
『おいやめろ、揺さぶるな!』
『畜生!……おい、——!死んだら許さねえぞ!』
……あれ、奏の声もする。
なんで、そんなに必死になってんの?
そんなに、最後のバトルで負けたの悔しかった?
『……………………』
起きたらまたゲームしよう、奏。約束するから。
だから、今は……。今は、ちょっとだけ寝かせてよ。
大丈夫だよ、すぐ起きるから。




