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その一歩が日常を変える



『これで、同じではないですよね?』




「……」


 あれから、青葉くんは何事もなかったかのように帰っていった。女の子と良く、その、……遊んでるって言ってたから、そういうの慣れてるのかな。日常になってるとか?挨拶みたいなものだったとか!


 双子をお風呂に入れ寝かせた私は、自分の部屋のベッドで悶々とした気持ちをどう抑えようか考えている。


「……同じじゃないってどういうこと?」


 私、変なこと言った?

 だって、双子と同じ扱いするんだもの。文句言いたくなるわ。……いやいや、一言余計だったかも。


「……でも、ご飯食べてくれて良かった。嫌われてもなかった」


 青葉くん、夕飯完食してくれたの。なんなら、要と一緒におかわりしてくれたわ。食欲がないわけじゃなかったみたい。


 ケーキも美味しかった。生クリームが乾いてなかったから、作りたてだったんだろうな。上に乗ってたイチゴも、甘くて美味しかった!青葉くんがいなかったら、余裕で3つは食べられたな。いや、ホールでいけた。


 そうそう。

 青葉くん、お肉よりお魚の方が好きなこともわかったんだ。瑞季と一緒。次は、シーフードグラタンとかどうかな。……次があればだけど。


「……傷、もう痛くないのかな」


 あれ、結構痛かったと思う。転んだというよりは、切ったって感じの傷。もしかして、刺青入れる時に失敗されたとか?

 ……私が心配することじゃあないわね。


「…………」


 待って。

 私、青葉くんのことばかり考えてる。


 なんか、これって。これって……。


 ううん、新しい友達ができて浮かれてるんだ。きっと。

 明後日、学校で「おはよう」って声かけてみよう。


「……っ!宿題忘れてた!」


 私は、唐突にそれを思い出し、勢いよく起き上がった。

 明日は家の掃除したいから、今日終わらせないと!



***




『話あるんだけど、次のオフいつ?』


「……?」


 休憩に入ったオレは、五月からのラインに気づいた。

 いつも使ってる絵文字とかスタンプがない。あいつ、可愛いやつ結構持ってんだけど。

 どうしたんだろ?


『明日午後休み。そっち行く?』


 すぐ、返事が来た。


『うん。昼飯いる?作るけど』


『ほしい。軽食でいい』


『わかった。終わったら連絡して』



「……なんだ?」


 オレは、用事が聞けずに休憩を終えてしまった。



 

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