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熊出没に注意?


 モンテーヌの町を出て1時間程歩くと休むのにちょうどいい場所を見つけたのでとりあえず座って休憩する事にした。


「あー疲れた山登りやべえなクリフさん足疲れないスか?」


「うむ、私は兵士になる前は狩人をしていたので山歩きは得意分野でな」


「えっクリフさんが狩人マジか?」


 ふうんどんなものかちょっと見てみたいかも?

 休憩後、2時間程歩くとようやく山の尾根にたどり着いた。周りの景色を見渡すとそこに「絶景」があった。


「こりゃスゴイなぁ山頂から見る景色は登った人にしか味わえへん醍醐味っちゅうヤツやなぁっ………

 ここまでたどり着くのに協力してくれたあの商人や森の奥に住む子供そしてあの冒険者3人に感謝せなあかんなぁっ マサ坊もそう思うやろ」


「さあな」


「お前、性格アカン奴やなあ、クリフはどないや」


「ふむ、コレはまるで神の描いた絵を見ているようだ。もし聖教国に残っていたらこんなに素晴らしい光景を目にする事はないだろうなあ、私は2人とともにここまで来ることができて良かったと思う」


 山を降りると川を見つけたので休憩する事にした。

 ヨッシーが虚空庫アイテムボックスからイス、バーベキューコンロを引っ張り出して来た。


「よっしゃここでバーベキューにしよか?」


「ヨッシーそれはなんだ?」


「美味いで〜っクリフは楽しみにしときいや」


「ヨッシー野菜とか肉とかあんの?」


「おう、まかせとき!」


 ヨッシーは虚空庫アイテムボックスから肉、野菜、魚、そしてタレを出して焼き出した。


 ヨッシーってホント何でも持っているよな。

 自分が所有している物が出せるっていう事はもしかして自動車とかバイクも可能だったりして?


「ふむ、その道具を使って火で料理する野外料理なのか?それならこの世界にも串焼という似たような物があるぞ」


「青空の下で焼く美味しい肉ときたらお供はコイツやろ!」


 ポイっとオレ達に向けて缶ビールを投げた。


「うお、ビールじゃんか?」


 まさか異世界でビールが飲めるなんてな

 こりゃヨッシーといて大正解だね!

 オレはクリフさんに缶の開け方を教えると彼は何故か缶をジーッと見つめだした。


「うむ、フタが開けやすいように出来ているのか

 何やら不思議な作りの缶だな?」


「おう、ほんなら3人で写真撮ろか?」


「シャシン? それは一体何だ?」


 ヨッシーがスマホで写真を撮って見せるとクリフが信じられないと言いたげな顔で写真をマジマジとみた。


「コレは一体どういう魔法なのだ? なぜこの小さな板の中に私達がいるのだ?」


 うわぁ、出たよ? コレだよ?

 この人超めんどくせぇ?


「コレは魔法とはちゃうねんで、科学の力や」


「カ…ガク? それはなんだ? 初めて聞く言葉だな どういったものなんだろうか」


「多分こっちの世界で言うと錬金術とかそういうのに近い物なんじゃねえの?」


「ワイらの世界は魔法とかは無いけどこっちよりも科学が進歩しとるな、あと食いもんも旨いもんが沢山ありまっせ〜♪」


「そうなのか? すごいなそっちの世界は! ヨッシーから貰ったお菓子も美味しかったし、私も是非とも1度君達の世界へ行ってみたいものだな!」


「マジで! そりゃまぁ確かにウチらの世界はこっちよりも技術が進歩していてもっと情報が発達しているけど、競争が激しく、勝つことが求められ、大人も子供も周囲に負けず引きずり落とし合いで毎日朝から晩まで忙しいクソみたいな奴隷社会だよ」


「ほんまやな、こっちの方は差別とか貧困とかあるけどみんなそんなにあくせく働いている感じじゃないわな」


「うっ奴隷社会って! そもそもそっちの世界はなんでそんなに大変なのだ?」


 ブラックにも肉を持って行ってやるとバサバサと喜びを身体で表現してくれた。


「お、ブラックも食うとるんか、んじゃ最後は

 サーモン焼くで!」


 焼いたサーモンにマヨネーズをかけて酒で一杯

 これがまた美味いんだよな。

 3人でサーモンが焼き上がるのを楽しみに待っていると突然、獣道から傷ついた猫の魔物が現れた。


「キャットマージか」


 俺達はすぐに持っている武器を構え

 クリフの後ろでヨッシーはこの間にもコピー能力スキルを使って毒消、ポーションを増やしまくっている。

 それにしてもこのキャットマージよく見ると怪我をしている。それに何かに怯えているのか辺りをキョロキョロとし出した。


「そちらの人族の方々、どうかアレから助けてはもらえないでしょうか?」


 ブラックが水回復魔法ウォーターヒールを唱えるとキャットマージは体力が回復し再び周りを警戒し出した。


「そのアレっていうのは?」


「き……来た!」


 向こう岸からバシャバシャと川を渡ってコチラに向かって来る黒く大きな物体が見えた。

 出たよ。サーモンの匂いを嗅ぎつけて来ちまったじゃねえかよ!


「くっ……熊やないか?」


「あれはまさかワイルドベアか」


 コイツこんなのに追っかけ回されていたのかよ!

 つーかコレはかなりヤバい状況だぞ!

 一応、ステータスを確認しとくか?



 ———————————————————————


 種族 ワイルドベア


 レベル25


 HP420

 MP0

 SP0


 攻撃290 守り240 速さ221


 スキル

 無し



 ———————————————————————


 オイオイマジか? こんなのに勝てるわけねえじゃん!


 その時、指輪が光を放ちだすと『キャットマージを眷属化テイムしますか YES/NO』という表示が目の前に現れた。何でこんなタイミングで……


 オレは即座にYESを選択してさらに『キャットマージの眷属化に成功しました。続いて名前を付けてください』と表示が出て来た。


「よしっ!お前の名前はいまからニーヤだ」


 その名を聞いたクリフが嬉しそうにさけんだ。


「おおっ大英雄の名前を付けるのか!」


 名前を聞いたその瞬間ニーヤは輝き出し、胸に手を当て、片膝をついてお辞儀をした。


「我が主人あるじよこれより覚醒した我が力

 主人あるじのために使うと誓います。」


 あの深い森に住む変な子供からもらった指輪がまだチカチカと光を放っている。

 アレ? 名付けによるエネルギー消費が今回は無いぞ? もしかしてコイツのチカラなのかも?



 ステータスオン


 ———————————————————————


 ニーヤ・ゲシュタッド

 レベル15

 猫魔導師キャット・キャスター


 HP138

 MP160


 攻撃42 守り130 速さ99


 スキル

 風魔法、土魔法、水魔法、

 回復魔法、火炎魔法、状態変化魔法


 装備

 魔法師の杖

 魔法師のローブ

 魔法師の帽子

 魔法師のリング


 加護: なし

 称号: なし

 進化: 条件を満たしていません


 ———————————————————————


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