異世界召喚
真夏の暑い夜
突然、目の前に光が覆った……と思ったらな…なんだ
ここはさっきとは別のというか全く別の景色
すごく広く豪華な西洋の部屋にいる???
なんか周りに甲冑着て槍を持ってる西洋風の兵士が数人、さらにその奥には弓を構えてる奴もいる。
そして目の前にサンタクロースのような髭を生やした王様みたいな人がいてその周りに変な魔法使いみたいなおっさんが何人かいた。 なんだこりゃ?
一体何処のコスプレ大会だよ??
その中で一番偉そうなオッサンが大袈裟に両手を掲げて叫んだ。
「やったぞ2度めの魔術で成功した。ついに勇者様の召喚に成功しましたぞ。王よ!」
ハア? あのオッサン勇者って……なにいってんの? バカじゃねーか?
妙な視線に気付いて周りを見るとどうやら王様らしいヤツが俺をジッと見つめてる。
なんだよあのサンタクロースみたいな髪型のジジイは俺の事ジーッと見やがってホモか?
俺はそんな趣味ねぇぞ!
「うむ、やはりそなたこそ真の勇者であろう
さぁ勇者様!どうかこの世界をお救いくだされ」
おっ……オレが勇者だって?
じゃなくその後ろにいる奴らを見ていたようだ。まあそうだろうなオレのわけねえよな……
王様のそばにいる神官みたいな奴らが水晶玉を見て何やらザワザワ騒いでいる。
「勇者探知の魔法石が輝いておる。やはりそなた達こそ真の勇者じゃどうかこの世界をお救いくだされ」
なんなんだよコイツら勇者、勇者って
さっき喧嘩していた金髪ヤンキー君が取り巻きを引き連れてツカツカと王様の前に出て説明を求めると
いかにも大臣っぽい奴が
まずここはモンスターやエルフなどが存在する異世界らしい、この国はルーデンハイム聖教国といって絶対人間至上主義の宗教国らしく、この国では亜人や身分の低い人間の奴隷を労働力の中心としている為、他の国とはあまり仲がよくないそうだ
しかも隣の国とはいつ戦争が起きてもおかしくない状態にあり、この国の宗教で崇められている勇者が必要なのだとか、
あと昔から勇者が召喚されて魔王を倒してこの世界が救われたとかいう言い伝えがあるそうな まぁどうでもけど
だが彼等は歓喜した!!
「マジかよ!やったぜ!ここでは日本の法律
関係ねえんだってよ」
「ヨシキさんここって外国みたいだし金髪女食いまくろうぜ」
「おっしゃあぁっここじゃ俺達は勇者様御一行らしいぜ」
王様は彼等を指差し、大臣と何やらヒソヒソと話し出した。
「まず勇者様御一行には豪華な部屋を一室用意させていただくので食事まではそこでくつろぐが良い」
大臣は兵士、魔術師達を見てると
「さぁ我等の目的は果たされた。これで我が聖教国は安泰であろう、あとは残った者の処分だが」
それを見たリーゼントのオッサンがズンズンと王様達に近づき、怒りをあらわにして大臣の胸ぐら掴んだ。
「なんやワイらに対するその扱いはなんやねんな! ワイら強制的に連れてこられたんやぞわかっとんかい!」
すぐに槍を持った兵士達に突き飛ばされ、王様達が冷たい目で蔑む様に俺達を見ている。
「ハァなんだよそりゃ何が勇者だよふざけんじゃねーぞこの野郎!」
突然の理不尽な扱いに怒りを抑えられない眼光鋭い上半身タトゥーの若者は近くにいた兵士に掴みかかった。するとその隣に立っていた兵士が槍で刺し、さらに他の兵士達に羽交い締めにされ、めった刺しにされてしまった。それを見た大臣が王様の横で手を挙げ、
「その者は我等に、我が聖教国に立て付く反逆者!牢獄に連れて行け!」
オイマジかよ、そこまでやるかよ、アレだけ刺されたら死んでるかもしれねえだろコイツら人の命を何だと思ってるんだ?
王様が俺達を睨みつけて怒りをあらわにし、
「我に逆らうという事は、我が十字聖教が滅ぼすべき悪しき外敵という事ぞ!そやつらは我が国の奴隷商人の所にでも連れて行け」
俺達は兵士達に城の外へと連れて行かれた。
途中、城からチラッと見た城下町はまるで中世ヨーロッパのような街並みだった。
うわぁマジで異世界に来ちまったのか
まぁ元の世界には別に何の未練もねえけどよ
つーかこの状況ヤベえぞ
後書き
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