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第二話 おおよそ1万年前の発端

主人公は現代にいた普通の男。

舞台はそのおおよそ1万年後になります。

頑張って1日最低1話は出したい!




 事の発端は、今俺のいる時代から約1万年前。

西暦で言うと、2000とちょっとくらいの時代。

 突如この地球は、ファンタジーな世界と繋がってしまった、らしい。




 世界各地にブラックホールのような黒い穴が生じ、そこから様々な人外の化け物が現れたのだ。

 空にはドラゴン、海にはマーマン、地にはゴブリン。果てには神と揶揄されるような神話生物まで。

 ありとあらゆる種類の化け物が出てきて、地球を蹂躙していった。


 困り果てた人間たちは、侵略してきた化け物達相手に対抗するため、全ての国による連合軍を結成。この対応にあたった。

 いつもは全く協力せず、やれ制裁だのやれ関税だのと争いが絶えない各国であったが、こればかりは協力せざるを得ない。

 とある島に本部を置き、最高の軍備を誇る先進国が一気に集結。化け物どもの掃討に当たった。




 そんな人間対化け物の総力戦。結果はどうだったか?

 まぁ、ボロ負けである。悲しいね。




 放たれた銃弾はゴブリンの腹で止められ、ミサイルはドラゴンのエサになり、戦艦は巨大イカの玩具となった。

 凄いぞ、ゴリゴリと鳥軟骨みたいにミサイルを食すドラゴンとか。映像を見た時は卒倒しかけたモノだ。実際に見ていたら漏らしてたと思う。


 そんなこんなで一切の攻撃が効かず、逆に弄ばれる人間たち。

 最早抵抗の余地なし。そう判断したお偉いさんたちは、次にどんな行動をとればいいのかで頭を悩ませた。

 このまま放って置けば被害は増すばかり、しかし人間の持つ武器はまるで意味を為さない。


「そもそもなんで人間の武器が通用すると思ったのか。相手は絵本に出て来るような本物の化け物だぞ」

「攻撃しようと言ったのはどの国だ」

「全ての責任は他の国にある」


 切羽詰まった状況の中、偉い人お得意の責任の押し付け合いが始まろうとした時、予想外の事が起きた。

 各国首脳が会議をしていた島に、例のドラゴンのうちの一体が乗り込んできたのである。


 バリバリとガラスをぶち破り、地割れが起きる程の衝撃と共に着陸したドラゴン。ヤツは巨大な咆哮を上げるとともに、首脳たちを視界に捉えてズンズンと迫ってきたという。


 これには首脳たちもビックリ。いつものお偉い人特有のオーラは消え、慌てふためく只の人間しかその場にはいなかった。

 アカン、死んでしまう。満場一致でそんな結論に至ったお偉いさん方。そういう所ばっかり意見が合ってしまう。

その場にいた首脳たちは、一目散に逃げようとした。偉い人ってのは自分の居場所に火をつけられるまで利益の事を中心に考えていると聞いたが、まさにその通りの様子であったみたいだ。


さて、ようやくケツに火がついて逃げようとしていた各国の代表たち。

いつもの余裕そうな表情は完全になくなり、全員慌てふためき、会議室の出口まで駆けだそうとした。


 そんな時だ。




「あー聞こえるかな諸君。一応この世界の言語で合っていると思うが……」




 乗り込んできたこのドラゴン、なんと喋ってきたのである。

 しかも、この世界の人間の言葉を駆使して。とんでもない知能をお持ちである。




 そこから人間とモンスターとの間で、戦闘ではなく会話が行われた。

 何度も会話を重ねる中で、人間は地球に来たモンスター達が非常に温和な性格をしてらっしゃる事が分かったそうだ。

 どれくらい温和かというと、人間たちが仕掛けてきた攻撃を全て「もてなし」と思い込んでいたくらいには。

 温和というより、規模が違い過ぎて勘違いしてるだけなんだと思うんだが……。


 まぁその証拠に、人間の方で死者は一切出てなかったらしい。

 首脳たちも「そういえばどの国も滅んでなかったなぁ」と、IQを80くらいに溶かして呟いていたとか。

 巨大イカに襲われた戦艦も散々粘着液を塗ったくられただけで、最後には優しく水面に返されたと聞く。すげぇ紳士的じゃん。


「ミサイルとか痛くなかったんですか?」


 開き直った偉い人たちのうち、一人がドラゴンに向かったそう聞いた。

 するとドラゴンは小首を傾げた後、嬉しい事を思い出したかのように満面の笑みでこう言ったらしい。


「あぁ、あの美味な鉱物の塊か。驚いたぞ、あそこまで洗練されたフォルムと輝きを持ったものを食したことが無い。中身のスパイスもピリリとして非常に刺激的だった。しかもこちらの手を煩わせぬためにわざわざ飛ばして寄越してくれるとは、お気遣い痛み入る」


 これには首脳たちもニッコリ(狂)。

 今までの敵対意思を完全に隠し、おもてなしモードに移行したのだ。

 遊んでいたモンスター達と交渉を開始し、音楽やご馳走(?)を使って化け物達を喜ばせた。


 それから人間はモンスターを排除する考えを捨て、共存する考えに至ったそうな。

 モンスターたちもなぜ世界が繋がったかは分からないそうだが、人間たちと争うつもりは最初から無かったため、人間との共存を快く受け入れた。

 むしろモンスターたちは、人間を弱く儚い生き物であると認識しており、保護すべき存在だと認識していたらしい。

 今まで敵意を持って殺そうとしていた人間たちは、言い様も無い罪悪感に襲われただろう。




 そして世界が繋がってから数百年後、人間とモンスターとの本格的な共存が始まった。

 ほとんどの国は既存の法律などを切り替え、モンスターも順応できるように変更し、国名や地名をモンスターが呼びやすい名前に変更していったらしい。

 ちなみに日本はジャッポルンという名前だ。どこが呼びやすいのかよく分からない。東京に至ってはトッキョ……外人が発音してんのかな?


 まぁ共存とはいっても、人間が一方的に彼らの力を頼る形ではあるのだが。温和なモンスター達は特に気にすることもなく、のんびりと地球という星を楽しんだそうな。




 さて、そんな平和な日々が続いたある日、とある事件が起きた。

 この事件がきっかけに、世界はまたも大きく変動することになる。忌まわしい人の業というか……(さが)が爆発してしまったがゆえに生まれた痛ましい事件。

 いやまぁ、(さが)というか性欲なんだけど。


その事件の名は「新生命爆誕事件」。

別名「チュッチュしたらハーフ出来ちゃった事件」である。



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