プロローグ
いじめられる方が悪い?
やり返しは良くない?
罰せられるべきは誰?
赤と黒の混在が眼前を満たしている。
今は、そう、家畜を焼いているのだ。
生まれてから今日まで、ずっとそうやって生きてきたのだろう。
ぎゃあぎゃあ喚きながら、他人を蹴落としながら。
同情の余地があるとすれば、逆らう相手を間違えたことくらいか。
音を立てて崩れる建物を、コーラ片手に眺める自分は周りからどう見えるのだろう。
そう思うと自然と頬が緩む。
「なんやご機嫌やな」
目の前のずんぐりした男がこちらを向いて、わかっていることをあえて確認するように問うた。
「そりゃあそうよ。夢にまで見た我が心の故郷に恩返しできたのだからね」
素晴らしき赤。しかし赤だけでも面白くない。そこに苦みが、黒があればこそ”復讐”は燃えるのだ。
「で、最後の目標も達成したわけだけど、もうおしまいなのかしら?」
後ろの少女が僕の肩から顔を出しながら言う。
「うん、おしまい」
単純な肯定。当然、僕たちは今までこれだけのために全てを捧げてきたのだから。
達成感から空を仰ぐ。
当然そこには、何もない。
書きたい欲が再燃してまた書こうかなって思います。
続けれるまで続けたい。
この物語はフィクションです。