17 木枯らし
木枯らしは、いつふくのだろう
風はどこからきて、どこに行くのだろう
散歩道には
何本か樹があって
風で吹かれて、だんだんなくなっていく
落ちた葉っぱは
強い風に舞い
クルクル クルクルと
葉っぱがない時には
風だけが何か巻き込むものを
探してるよう
”私は中には入らないから
巻き込まれたりはしないわよ”
”わからないよ、そこに立ってみなよ
グルグル グルグルと体のまわりに
冷たい風で囲んでしまうかもしれないな”
”いいわ、逃げるから
捕まえられっこないからね”
ビュービュー ビュービュー音がして
まるで小さな台風のようだ
部厚いマフラーをぎゅっとさせ
その小さな風の舞をみながら笑う
中には見えるはずのない
白い雲、いや、台風の目が見えるような気がした
大きな葉のプラタナスも
もう最近は見ない、どこへ行ったんだろう
緑から黄色、黄色から茶色に変わって
水分もなく
道をツツツ ツツツと歩いていく
枯れたどの樹からも
何もなくなり
落ちたものは粉々になってしまうけれど
また次の年に芽吹いていく
穏やかに光る緑が
サワサワ サワサワと
風に揺れて
木漏れ日が隙間から出てきて
光のプラズマとも遊ぶ
たくさんの葉っぱと私は
追いかけっこしてはしゃぐのだ
枯れて粉々になるから
風にのまれてしまうから
次の年にキラキラして
眩しい樹と空間を感じられる




