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9~戦闘

言語と同じく戦闘描写も雰囲気で書いているため

おかしいところがあってもスルーしてね!

「…っ!?」


まだ思考の波から完全に帰れていなかったのに、相手が先に動き出した。

斧を持った右手を振りかぶり、左手で首をつかむ軌道で襲い掛かってくるのが見えた。



動体視力はそこまで落ちてないかな……

と、今考えるでもないことを思いつつとっさに後ろにバックステップを踏む。


体の動きは緊張のせいか女になった影響か幾分遅いが、反射神経もそこまで悪くなさそうだ。

不意打ちの時も咄嗟に行動できたことから緊張の度合いのほうが高いのかもしれない。


(とりあえず…、距離をとりつつどこまでやれるか、動きの確認かな…)


着地と同時にさらにバックステップを踏む。

まだまだ体は鈍いが、行動を起こさないとそれこそBAD直行だしね。


反射反射で後ろにステップを踏んでいくが、相手の男もこちらの動きが見えているのか的確に一歩二歩と距離をつめてくる。

さらに離れようと大きくステップを踏むが、歩幅のせいか距離を詰められるほうが早い。


(一度攻撃してみるか…)



相手の左手がこちらの首にあと少しまで近づいた瞬間に、体制を崩さないように

片足を軸にし、くるっと回転し逆に相手に倒れこむように近づいてやる。


「jklっ!?」


相手が驚いた声をあげている気がするがこちらはもう気にしている余裕はない。


近づくときに腰も一緒に少し落とし、相手の左手をかわして回転の威力をそのまま上乗せするようにできるだけ素早く動き、両足で地面を踏みしめ相手の顎目掛けて掌底をぶちかますっ!!


「っせぇい!!」


掛け声とともに気合一閃!



顎に当たりはしたが、……浅いっ!?



「hjjっ!!」


相手が悲鳴を上げるが、意識まではやはり取れなかったようだ。



タイミングは悪くなかった。

いつもならうまく入っていただろう。


しかし…、何分リーチが下がっていた。




……これは結構きついかな。



相手の状態も見たいため、それ以上は追い討ちをかけず相手から離れるように後ろにできるだけ飛んだ。

後ろに飛びながら確認してみると


相手は少しふらつき、斧を手から落としていたが地面に倒れることはなく両の足でしっかりと立っていた。



意識は取れなかったが、……この感じならいけるか?

咄嗟にそう判断し、地面に足が付いた瞬間に再度距離を詰める。

身を屈め、できる限り懐に入りやすいようにし、今度は鳩尾に肘鉄を入れる!


ここまで動いたなかで緊張も和らいだみたいで、先ほどの掌底より威力が乗りそうではあった。



「tkdsplrrrっ!!」


しかし相手もさすが盗賊っぽいやつ、対人は慣れているのだろう。

斧を拾おうとしたり動きが固まったりすることもなく

何かを叫びながら、こちらの顔面目掛けて膝蹴りを入れてきた。


身を屈めていたのが裏目に出てしまい、顔の位置が膝蹴りを入れやすい位置にあったせいもあるのだろう。


顔はまずい!

そう思い肘鉄にもっていっていた右腕を即座にガードに回したが


「…っ…がっ!!」


ボキリと嫌な音とともに体が後ろに吹き飛んだ。



こけたりはしなかったが、多分腕の中ほどが折れたのだろう。

冷や汗と激痛が止まらない。



吹き飛んだおかげで距離と間ができたわけではあるが、相手は余裕綽々といった感じで落とした斧を拾い、またニヤニヤとこちらを見だした。



くっそ…余裕見せやがって……。



意地を張りたいが激痛のせいで顔が歪み、荒い息をついてしまう。


「はぁ……はぁ……」


息を整えようとドクドクいっている心臓を無視し、どう行動するべきか考える。



…これは本格的に逃げかな。



悲鳴を上げていた女の子のことももちろん気になるが、さすがに今の自分だと何もできない。


捕まるより、まだ森を彷徨ったほうがましな気もする。

……貞操的な意味で。


まだ足技も残ってはいるが、リーチも下がっているだろうし、この激痛を抱えたままはきつい。





うん、逃げよう。



相手を確認すると、またこちらの体をじろじろと見ている気がするが


その隙が命取りじゃい!



くるっと反転し、相手から離れるため全速力で駆けようと足に力を入れる。



「っ!?…ぐあっ…ぁぁ……!!」




その瞬間、足が何かに引っ張られた。



さらに、つい受身を取ろうと折れたほうの腕で地面を叩いてしまい

激痛が体中に走り、ドシャッと音とともにうつ伏せに力なく倒れてしまった。



体が痛みで痺れだしたが、何が引っかかったのか

足のほうを何とか確認して見ると




土が蔓の様になっており、足に絡み付いていた。




なんぞ!

ここ一番でなぜ!


と色々のことが頭に思い浮かぶが



足のほうから ザリッ…… ザリッ…… と足音が近づいてくるのに気づき

必死で足に巻きついた土の蔓を外そうともがく。



徐々に近づいてくる足音ともに、頭の中はパニックになり、恐怖心やら何やらが極限まで引き立てられ、過去の一場面がフラッシュバックする。

目からは勝手に涙がたまり、声にならない悲鳴をあげていた気がする。



そして首元まで近づいてくると足音が止まり、少し頭を上げられ首筋に手刀を叩き込まれた。



ブラックアウトしていく視界に最後に見えたのは





さっきまで戦っていた男とは別の魔法使いのような男であった。




10/2 パニックになった後の表現を一部追加。

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