6~好奇心
まず色々と疑問に思うところがあると思う。
さっきまで混乱に混乱が重なり、色々あきらめるような行動をしたのになぜ急にアクティブになったのかとか
行動=詰みって思ってたじゃないとか、思うところはあると思う。
しかし、今の自分の思考にはその考えが全くなく
人がいた!
この一点である。
悲鳴という微妙な危険要素はありはするが、それらすべてを棚上げにできるぐらいの歓喜具合である。
このときばかりは、人付き合いが苦手な自分でも
全面的に人を見たい。話したい。と
コミュ力バリバリな状態になっていたのだ。
まさに もう何も怖くないである。
注意力より好奇心に極振りしつつ悲鳴が聞こえたほうへと足を進めていった。
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早歩きで声の方に歩いていくと、前方から何か言い争ってるような声が聞こえてきた。
若干険悪なムードが漂っている雰囲気を感じ、音などに注意しつつ木の幹に体を隠し、声の方を窺ってみたが
距離がまだ離れているらしく木々が邪魔になっているせいもあり、相手の姿は確認できなかった。
とりあえず相手側からも見られてはいないだろうと判断し、聞き耳をたてて様子を窺うことを優先した。
………
ふむ、どうやら男複数と女が言い争っている感じだ。
言葉の内容は距離のせいか聞き取れはしなかったが、雰囲気は男達が全体的に馬鹿にしたような相手に対し挑発しているような感じで
女の方が悲鳴をあげたほうなのだろう。
必死さというか懇願している感じの声である。
……
…うん
先ほどまでの好奇心が嘘のように消えうせて、テンション駄々下がりである。
言葉は聞き取れないが必死さというか、雰囲気が喧嘩をしている感じでもなく
まさに やめて! 私に乱暴する気でしょう? みたいな状態である。
これは、話し合いというより暴力による会話になりそうで行動ができずにいた。
とりあえず女の方を助けたらいいんじゃね?と思うが
・相手の姿も確認できない。
・声の数的に男複数(5~6人)。
・こちら丸腰(布の服装備)である。
一応小さいころから古武術を叩き込まれており、多少の護身術は使えるとしても
さすがに多勢に無勢である。
そう思うとどうにも行動ができずに聞き耳を立てつつ、様子を窺うしかできなかった。
その時、聞き耳を立てていたのがよかったのか背面から近づいてくる気配に気づけたのは幸いだった。
風の鳴るような音を聞き、とっさの判断で背面を見ずその場で腰を下げつつ
自分がもたれかかっていた木の幹を軸にし、半回転しつつ背面方向にいた相手から距離をとるためバックステップを繰り出せた。
流れるような動作ができたことに自画自賛しつつ、ステップを踏んだ足が地面に付くと同時にガッっと、何か鈍器な物と木の幹が当たった音が響き、その道具を確認するために目を向けてみると
先ほどまで自分の首があったあたりに、錆びた斧のようなものの木でできた部分が打ち付けられていた。
その光景を確認した瞬間、背筋にぶわっと冷や汗が吹き出てきたが
鉄の部分でやられなかっただけ相手にも温情あるんじゃね?と確認できると思ったのだが…
相手の表情の何ともいえない愉悦の表情を見た瞬間
あっ、これはあかんやつだ と判断した。
本日更新分です。
とりあえず盛り上がりがあるところまで駆け足で行きたいとは思います。
話のつながりなど、もしかしたら後々修正するかもしれませんが
よろしくお願いいたします。