4~エルフ
本日も3話更新予定。
ため息が口からもれ出た後、木に触れている手からさっきまでとまた別の感情が流れ込んでくるのが分かった。
なんじゃらほい?と木を見上げると上のほうに茂っている葉っぱたちがガサガサと、大きな音を立てているのが分かった。
何をするでもなく、しばらくぽけーっと木を見上げていると
木の実や頭を撫でてくれたときのように、木の枝の一部がゆっくりと降りてきたので、そちらに意識を移していると、目の前まで木の枝が下りてきて木の実の時のように、枝の一部分が発光をしだした。
また木の実でもくれるのかなと期待半分、うおっ!まぶしっ!と突っ込み半分で見ていると、しばらくしてゆっくり発光が消えていった。
発光が完璧に消えた後、少しガサガサと枝が揺れ
またもやポン!といい音がしそうな感じで葉っぱで編まれた何かが枝に引っかかっていた。
食べ物じゃないのか…、と少しがっかりしていると木に触れている手から新たな感情が流れ込んできた。
{エルフ、マイフレンド}そんな感じのごっつええ宇宙人みたいな感情が流れてきた。
ふむ、とその葉っぱを見てみると
そこそこの大きさであり葉っぱが何枚も重なっている感じであった。
……
…ん?
そこで一つの疑問というか何か引っかかりを覚えて葉っぱの塊を見ながら固まってしまった。
そう。木から流れてきた感情にはエルフという名詞があったのである。
木からの感情は自分の感覚などで返答しているので必ずしもそうではないのだが
どうにもこのエルフという名詞ははずれてはいない気がした。
ファンタジー小説などのノベル関連やゲームなども趣味でよく目を通していたり、プレイしたりとしていたのだが
その中に種族の一つでエルフというのが出てくるので、このエルフという言葉が名詞で、どのような物を指すのかがわかったのである。
それをふまえて、葉っぱの固まりも気になるがそれよりも
「私はエルフなのですか?」と
つい真顔で木を見上げながら答えると、触れている手からその回答の答えっぽいのが流れ込んできた。
{はい。あなたはエルフです。}と。
どこぞの英語の教科書みたいな流れだなと思いながら、木からの答えを噛み砕いて租借していく。
ふむ……
エルフか…、あのファンタジーとかで出てくるエルフかな…
ふむ……
……。
これは、とりあえず
一言あればいいのかなとひらめき
「…何…だと…」
と自分の声には聞こえないかわいらしい声が響いたのだった。