2~確認
何も考えれなくなった自分に気持ちいい風が凪いで行く。
もうね、自分が何で森にいるのか、時間は何時か、目が何で見えているのか、耳が何でとんがってるのか、
そんなこと差し引いてもまず理解できないのが自分の目線の先にあったからだ。
まず全裸ももちろん問題ではある。
その前に自分の体なのだからそこまで驚くことではないじゃない?とお思いかとおもう。
だが、自分の体に付いていてはいけないものが付いていて、付いていなくちゃいけないのがないのである。
つまりね
男の夢が胸に詰まっていて
マイ・サン(息子)が行方不明である。
上記を確認していただければわかると思うが、自分は性別♂である。
もちろんそっち系の手術をやったことなど皆無である。
それなのに
夢があり、希望(息子)がなくなった。
よく漫画などである、女になってる!っていう描写を見るが
見るのと自分がなるのでは話が別すぎる。
すでに頭がパンパンだったのに体を見た瞬間にオーバーフロー全開になるのも仕方ないと思う。
そんな感じで、現状を把握できるようになるまで体感1時間ほどかかったきがする。
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幾分時間はかかったが、多少動けるようにはなったので自分の状態、および周りの確認をしようと
行動を開始できた自分を誰か褒めてほしい。
体を起こし、疑問などをすべて丸投げにし自分の状態を確認していく。
外傷など、目に見える部分は特に問題ないように思う。
確認として顔、首、胸、手首、腰周り、足の付け根、足首など、順番に触って確認していく。
特に動くのには異常はなさそうで、髪の色、髪の長さ、耳の形、体の柔らかさ、声などはおかしさてんこ盛りだが、そこはもう丸投げである。
とりあえず行動はできる状態ではあると思うので体を軽くほぐしつつ、回りを確認していく。
……周りから見ると全裸ストレッチだが気にしない。
ゆっくり自分の周りを見ていくがどこかの森の中、というぐらいしかわからない。
奥を見ようとしても木漏れ日しか見れず木々が乱立していて遠くまで見れない状態だ。
上空を見ようと頭を動かすと、樹齢何年とあるのかわからないぐらいの育ちようで
その木々が高々と伸ばしている感じであった。
太陽も確認できなさそうで、時間も計りづらい。
木漏れ日の具合から、天候は晴れかな?ぐらいである。
地面に目を向けてみると、自分が寝転がっていた土や草と木々の根っこが合わさって結構なアスレチックフィールドではあるが
山などを登っていた自分からすればまだ動ける道ではあった。
さて、現状を把握はできたのでどういう行動をしていこうかと思うわけだが
まず装備がやばい。
全裸(靴なし)・水なし・食料なし・キャンプ系統なし
「………。」
もう、だめかもわからんね。