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10~夢

※主人公視点に戻ります。




夢を見ている。



何でわかるかって?


夢にすでに亡くなった家族が出ているからかな。


…うん、悲しい話ではあるけどもう整理もつけているし納得もしている。

仕方がないことだしね。

だから自分は大丈夫。大丈夫。



それよりも、明晰夢なんて初めて見たけど

本当に夢だと分かるものなのだな。


そんな気持ちを持ちつつ、夢の場面に意識を移した。



小さいころによく父親に連れられ一緒に祖父の田舎に行っていたのだが、どうやらその一時の風景らしい。


亡くなった母や昔飼っていた黒猫と共に戯れている。



雨の日に自動販売機の近くに捨てられていた子猫だ。


一目見た瞬間に小さい時ながらに保護意欲を最大まで掻き立てられて、じいちゃんに怒られたり投げ飛ばされたりしたが


それでも日本最大奥義の一つ



DO・GE・ZA! で押し通したのはいい思い出だ。




それからは本当に可愛がったのを覚えている。



お風呂に入れたときに暴れなくて、この子おとなしい子だなと思いきや、

毛糸で遊ぶとすさまじくアクティブになったり、ご飯は目刺しだと食べないのに焼いただけの魚だとすごい勢いで食べに行ったり、何故か並々ならぬ興味を玉葱に持っていたり、畳にうつ伏せでいると必ず背中に乗ってマッハふみふみをしてきたり……



語りだすと色々と出てくるのだがとにかく可愛かったのを覚えている。


本当に懐かしいな…。

もう何年も昔の事になるのか…、そんなことを思っていると



夢の場面が動く。



黒猫と戯れているところをじいちゃんに呼ばれ、嫌々ながらに母親と共に台所のほうにかけていく小さいころの自分。



そういった場面を少し上からの俯瞰で見ている今の自分。



小さいころの自分を目で追っていたが、ふと子猫を見るとこっちをじっと見ている。



………


これはもしかしてあれか!



実体はないけど一緒に遊べるのか!



そう思うと視点が徐々に下がっていき、子猫の前で正座待機になった感覚がある。


その膝の上に子猫が登ってくる。



ふぉぉ~と感激していると、膝の上から上半身に前足の爪を引っ掛け後ろの二本足で膝の上に立とうとしている。


上の上着は破れてもいいやつだっけかなとか、意味のないことを考えていると


子猫の前足二本の内の一本を鼻に置かれ、さらにもう一本の前足を少し後ろに下げてためを加えた後



「にゃ~」と一鳴きと共におでこにネコパンチを食らった。






「あいてっ!」



目を覚ましました。



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