1~目覚め
小説初投稿です
色々オリジナルも入るので楽しんでいただけたらと思います。
閉じている目に光を感じる。
体を凪いでいく風がとても気持ちがいい。
草や木の青々とした香りを感じる。
その匂いや風を受けてゆっくりと意識を覚醒させていく。
小さいころによく行っていた田舎の匂いに似ていて
懐かしさとなぜこんな匂いが?と疑問と郷愁の念が入り混じる。
耳にはスズメとはまた違った鳥のような声も聞こえる。
疑問は深くなる一方だが、まず時間を確認しようと自分の頭の近くにいつも置いてある携帯を見つけようと手を伸ばすが、
それらしきものに触れず屋外に生えているような草、土に触れる感触がある。
外で寝た記憶もなく、何でそんな感触が?とあらたなる疑問に思い至ったところでゆっくりと目を開けていく。
太陽のまぶしさを感じ、携帯を探していた方の手で日陰を作りつつ状況を確認するために目を開ける。
まず目に入ったのは青空とそれらを隠すように天まで延びている木々が目に入った。
少し戸惑いはしたが昔、小さいころに祖父や父に修行と称され寝ている間に森に放り込まれることが多々あり、
成人してからめっきりそんなことも無くなったのにまた修行関連かなと、幾分平静を保ちつつ回りに目を向けれた自分を褒め称えたい。
まずどうすればいいのか行動として叩き込まれているため、それに伴った行動をしようと思った時
ふと更なる疑問が頭に思い浮かび目の辺りに手を持っていってしまう。
自分の目の辺りをぺたぺたと触り、疑問が困惑に変わり、耳の辺りに手を持っていってフリーズしてしまった。
修行時の行動としては0点なんだが、それよりも大変なことに頭がついていかず止まってしまったのだ。
まず説明しておくと、自分は目が悪く眼鏡を常時かけるほどの悪さであり、
眼鏡をかけないと遠くは見えない近くも見えないとかなりの悪さで、必需品といっていいほど中学時代あたりから眼鏡は欠かせないものである。
そう
まず遠くの木々が眼鏡をかけていないのにはっきり見えるということがおかしいのである。
それに伴って、(眼鏡かけてたっけ?)と思い顔付近をぺたりんこしていたのである。
そしてもうひとつ……、フリーズした原因が
耳を触った感触がおかしい。
頭の中に無意識に
あ、ありのまま今起こったことを話すぜ…
というセリフが出てくるぐらい感触がおかしかった。
色々な出来事に冷静に立ち回れる自信が少しはあったが粉々に砕けるぐらいの出来事である。
なにせ耳がシャープにとがっている感じだからだ。
「oh…」
つい呟いてしまうぐらいおかしい状態である。
眼鏡のことも解決していないのに新たな異常のせいで、頭の中はエマージェンシーコールが鳴り響いているが
それと同時に耳の形を確認するためにぺたぺた触っていく。
形を確認すると、頭の外側に向かって耳が伸びている感じがし、自分の今の感情を表してか少しピコピコ動いている感触もあった。
「すぅ…ふぅ……」
冷静になるためにゆっくりと深く、深呼吸を行う。
しばらく、耳を触りながら深呼吸を繰り返し
幾分落ち着いた頃合に自分の状態を確認するべき!
と最優先事項が出来上がったので上体をゆっくりと起こし、ゆっくりと視線を下げていって…
さすがに許容限界が来た。
「なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
普段、叫び声など上げる機会は全くないに等しい自分の声とは思えない声が森に響いていった・・・
そう。 自分は全裸であった。