SとWとIとM。
「ん?嫌だよ、そんなの。誰だって楽しく楽に人生生きたいもんでしょ」
俺がそう言うと目の前の少女は口いっぱいに食べ物を入れ、嫌そうな顔をして、そう言った。
「いや、でも…じゃないとさ、発展していかないだろ?」
そう言うとまた少女は口を動かしながら答える
「嫌だって言ってるんだからいいじゃん。僕の人生くらい自分で決めさせてよ」
俺は、はあとため息をひとつつき、手元の1枚の紙を見る
「…なあ、本当にやらねぇの?」
「やらないってば。」
もぐもぐと効果音がつきそうなほど美味そうに食べ物を食するやつはこいつぐらいだろうと思う。あ、あとはグルメリポーターだな。
「じゃあ」
「ねぇ、なんでそんなに強要すんの?」
今度は俺の言葉を遮り、自分の主張をした。どんだけ自由なんだこいつは。
「そりゃ、強くなって欲しいって思ってるからだよ」
ありきたりな答えだがそれが本心。
「本当にそう思ってんの?」
その問に俺はああ。と短く返事をする。くっそ、なんでこんな目で見てくんだよこいつ。なんというか…その。冷めたというか表情がないというか…。
「俺は心の底からお前に強く速くなって欲しいと思っているー(棒)。だからここまでお前に尽くしていけるんだよ(棒)わかったらここに名前書けー(棒)」
…ごめん、なんというか。コイツの相手が面倒になっただけだ。
「ふーん、まあいっか。いいよ、1日だけならやるよ。あんたにはここのメシ代全部奢ってもらう予定だったし。」
というと、そばに置いてあったお茶をひと口飲み、俺の手から紙を奪うと内容をじっくりと記憶するように見る。
ってちょっと待て。
「今、俺に奢ってもらうって言ったか?」
「言ったさ?」
「なんの悪びれもなく言うなよ。」
「じゃなきゃやらないー。ついでに今度から僕の外食代出してくれないとやる気でないー」
「(こんのくそガキが…っ!!)」
「ニヤニヤ、さてどうするのかなー?僕専用の監督くん?」
「~っ!…はあ、わかったよ。ただし、3000円までな。それで契約しろ。でないとお前を外食なんかに連れてこない。どうだ」
「うん、いいよいいよ。その時は食べ放題行けばいいもんね。おっけ。契約成立ね」
こいつの悔しがる顔見てみたかったのに、くそー!俺は絶対こいつには勝てない気がする。うん。
「じゃあとりあえず僕らのホームに帰ろうよ。さっそくやろうか」
こいつは俺に伝票を渡し、店を出た。俺がその背中を見送ったあと伝票に目線を下ろす。すると…
「~~っ!あんのくそガキが!!」
ぴったり代金3000円
「おーいどうした?早く行くぞー」
店の外からそんな呑気な声が聞こえてくる。なんて性格の悪い…。とりあえず契約は契約だ。レジで会計を済まし外に出る。
「ここのメシは美味かったな。また機会があれば来よう。」
俺 は 何 も 食 っ て い ま せ ん け ど !!
「うまいのは当たり前だろ。ここどこだと思ってんだ。」
「そのくらいわかるさ。横浜中華街」
知ってるならいいや。さて、ホームに帰ろうか
「電車何時だ?」
隣の少女が俺のうでどけいを見ながら聞いてきた。俺も自分の時計をみながら考える。
「あ。あと5分で出るぞ!?急げ!」
「はああ!?なんだって君は時間の管理ができないんだ!」
「ちげえだろーが!お前がずっと食ってるからだろうが!!ふざけんな!契約放棄するぞ!」
「ああああ!それだけはやめてくれ!」
全速力で走ったのなんていつぶりだろうか(汗)
初投稿です
なんとなく思いついたのを書いただけです、はい。
すみません