7 エピローグ
『この話おもろないんじゃ、ボケ』とか、
『テメェ、なろうの機能使いこなせてねぇよ』とか、
小さな事でも感想がいただけたら幸いです。
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後日。
不破は約束通り、万引きを働いたコンビニと話し合いで解決し、更にノブコの前で土下座した後、彼女にしこたま殴られ、喜野に対しても先輩に対しても、深く謝罪した。
尾張教諭はいつの間にかひっそりと姿を消し、後に辞表を提出した事が、俺の耳にも届いた。
これで、四月からショーブを苦しめていた環境は、ある程度緩和されたと言っていいだろう。
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屋上にて、俺が何をするでもなく黄昏ていると、横にフッと人が現れる。
不破統司だった。
「何しに来たんだよ」
「君こそ、こんなところで何をしている? 授業時間だろう?」
「俺は不良生徒だからな。サボりぐらいやっちゃうんだよ。不破先輩こそ、こんなところに居ちゃまずいんじゃねぇの?」
「僕だってたまには息抜きしたいさ。それに、僕ぐらい優秀になると、これくらいの目溢しはもらえる」
「ケッ、面白くないね」
俺が悪態をつくのに、不破は柔和に笑うばかりだった。
しばらく黙って二人でグラウンドを見ていると、不破が口を開く。
「君はどうして、僕が万引きをした事を、学校に公表しない? 僕が君たちにした事を思えば、それぐらいは甘受するつもりだが?」
不破は確かにコンビニと話し合い解決をした。だが、それは学校の教職員でも一部にしか知られていない事である。
これを学校に公表すれば不破の名誉は地に落ち、校内でも後ろ指を差される存在になるであろう。
……だが、俺はそうはしなかった。
「ふん、アンタに自虐趣味があるってんなら、それも考えないでもないけどな」
「そうじゃない。純粋な疑問だよ」
またしばらくグラウンドを見つめた後、今度は俺が口を開く。
「別に、それをネタにアンタを強請ろうなんて思っちゃいない。安心しろよ」
「ああ、ありがたいね」
「俺がそれを公表しないのは……」
この時点で、ショーブが不破会長に勝利した事は、学校中に知れ渡っている。
そのお陰で、またショーブは学校中から一目置かれ、特別な存在として浮き立つ事になった。
俺はこの状況が気持ち良かったのかもしれない。
「俺たちショーブは完全無欠の生徒会長に勝った。そっちの方がハクがつくだろ? 万引き犯なんか倒したところで、面白くもない」
「……ははっ、なるほど。それは良い」
理由を聞いて、イケメンはイケメンらしく、爽やかに笑った。
と、その時、俺の電話が鳴る。
不破に断ってから、電話を取ると
『こぉらカツベぇ! 今日は学校サボって、ショーブのみんなで遊びに行く約束だろうがぁ! どこで何やってんだぁ!』
大音量でノブコの声が聞こえてきた。
反射的に電話を遠ざけてしまった。くそぅ、あのバカ女……。
「わかってるよ。今から行くところだ」
『早く来いよぉ! こちとら待ちぼうけ食らってるんだからねッ!』
『勝吾、早く来ないと、ホントに立風さんが怒るから、早めにね』
『カツベくん。私も待ってるから、早く来てね』
「ええ、すぐに行きます」
どうやら電話の先にはショーブメンバーが揃っているらしい。ホントに早く行かないと、ノブコが怖いな。
俺は電話を切り、不破に向き直る。
「じゃあ、またな」
「ああ、遊びに行くなら着替えてから行くんだね。学生服のままでは何を言われるかわからないよ」
「わかってるよ! ……ってか、サボりを取り締まらないのかよ、生徒会」
「生徒会としては学校を平気でサボるような巨悪を討つ方が、ハクがつくのさ」
「ケッ! 抜かせ!」
捨て台詞を吐き捨て、俺は屋上を出て行った。
こうして、ショーブ初夏の陣は終わりを告げたのだった。




