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かんちがい悪魔といじわる天使(4)
[A○]悪魔くんのターン
[T○]天使ちゃんのターン
[T4]
真っ白でまっすぐな彼、歪んでまっすぐな私
似ているようで似ていない、正反対なようで同じ方を向いている
そんな彼が大事
だから私は言うわ
「久しぶり」
彼のキョトンとした顔を見て思う
私のことは忘れてしまったのかと
なら、思い出させてあげると
[A4]
天使は真っ白、悪魔は真っ黒、人間は混ざっている
僕の心は真っ白で、悪魔には嫌われている
だからこそ、真っ黒になりたかった
せめて混沌とした色で居たかった
「久しぶり」
この言葉で我にかえり、思案して思い出す
そうだ、彼女は確か・・・
「あの時の・・・」
思い出したのが遅かったのか
僕は既に彼女の腕の中、強制的に締め落とされようとしていた
ああ、あの時の二の舞か
薄れ往く意識の中、僕は自分のおろかさをのろった