女とその男
掲載日:2026/03/17
外では先程から、少し絡まった雨が降り続けている
彼女はまるで、その事を知らないかのように一人踊り場に座り込む
段差には薄橙の足が飛び出していて、それを見ているぼくは赤みを抑えられずにいる
外では先程から、少しかたい風が吹き続けている
彼女はまるで、その事を知らないかのように一人ベランダでふかす
たばこには口紅がへばりついていて、それを見ているぼくは眉間の皺をのばしきれずにいる
そうして結局、彼女はぼくの元へともどってきて
「やっぱり此処が一番ね」なんてすかして言う
そうして結局、ぼくは彼女にそんな風に言われて
「そうだろう」なんてすかして言ってしまう




