表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢の猫  作者:
5/6

第五章 王都の夜明け


 秋。

 国王が急病に倒れた。

 王太子は王位継承の儀式を急ぐが、魔力不足が露呈。

 民衆の不満が高まる中セレステは「救世主の鏡」の預言を掲げ、王都の貧民街で演説を始めた。


「貴族だけが富を独占し、平民は命を削って働く。これでいいのですか? この国に正義はあるのですか?」


 彼女の言葉は魔法で拡散され、全王都に響き渡る。

 ルナスの戦略──「正義の悪役」の完成である。


「人々はシステムに反抗したいが、自分たちでは動けない。だから誰かが『悪者』になって、代わりに戦う必要がある」


 そして、ついに──王宮に反乱軍が迫った。

 平民たちが、セレステの旗を掲げて行軍する。

 王太子は逃げようとするが、ミランダに止められた。


「あなたにはもう、王になる資格がない。私たちの未来は彼女たちが作るのよ」


 王宮は血を流さずに降伏すふ。

 セレステが王座の間に立つと、その肩にルナスが飛び乗った。


「どうする? 国王になる?」

「いいえ。私は王じゃなくていい」


 セレステは壇上に立ち、全市民に宣言する。


「この国を『運命』に縛られる物語の舞台にするのは、終わりにする。これからは、誰もが自分の未来を選び取れる国を作る。そして──」


 彼女は肩のルナスを見つめた。


「この黒猫を、国家最高戦略顧問に任命する」


 人々は、驚き、笑い、そして拍手する。


 ──世界は変わった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ