俺ってある意味縛られてるよね
「あまり話したくないことでして…。」
お願い。これ以上踏み込んでこないで。
「あ、そか。ごめん、なんか聞きすぎたかも。じゃあ、俺にも質問して!」
「え?」
「だって、話し相手でしょ。今の状況だと一方的に話してるだけじゃん?」
あ、質問攻めしてること気づいてたのか…。
「え…っと…じゃあ何部ですか?」
「何だその入学式後とかに話しそうな質問(笑)
サッカー部だよ。てゆか、学校の人達はほとんど知ってるもんだと思ってた。」
確かに、ダブルキングを推す人達は多いし、推すことにおいてそういうことは一般常識ではあるのかもしれない。
「あ、あはは。て、てことは大学もサッカー続けるんですか?」
「そうだよ!スポーツ推薦でいくからね。勉強も得意じゃないし、俺にはサッカーしかないから。まあ怪我すれば終わりだけど(笑)」
「じゃあ今、部活もまだ引退されてないんですか?」
「んー、そうだね。もう決まっちゃったから。今年いっぱいは参加してるかな。」
ダブルキング・立花 菖。
頭脳で有名な蒼乃先輩と違い、スポーツが有名で特にサッカーにおいては多くの有名なチームに声をかけらるほどの逸材らしく、将来日本代表に選ばれるのではと多くのメディアから注目されている…らしい。
全て喜奈情報であるが。
「そうなんですね。でも好きなことをずっと続けられるって素敵なことですよね。それに色んな人から期待されてるし…」
ん…やばい。何言ってるんだろ。これじゃ妬んでるように聞こえてしまう。
「すみません!変なことを…」
「ん〜、そんなこともないかな。」
あれ、話し遮られた…。
「俺はさ勉強できない分、それ以外で頑張んなきゃいけないからさ。まぁ、それがサッカーだったってだけ。むしろサッカーしかできないって…
俺ってある意味縛られてるよね(笑)
スポーツだけじゃさ、怪我すれば終わりやん?だけど勉強だったらやれることの選択肢が広がる。俺は勉強も頑張っときゃよかったな〜って今更ながら思うよ〜。」
「サッカー嫌いなんですか?」
「いや、嫌いじゃないよ。
むしろめっちゃ好き(笑)」
めっちゃ好き…なんかい…。