第8回 VSオーク
青空の下の草原をイノシシ頭の獣人たちが闊歩していた。
こちらに気が付いたら向う見ずに突撃してくるのだろうか。
インターネットで似たような怪物を探してみるとオークっと名前が出てきた。
しかしこのサイトによるとオークはイノシシではなく豚と定義されていた。
いつものようにホームセンターで商品を眺めながら歩いていると防獣コーナーにイノシシ対策グッズが置かれていた。
始めに毒餌を探してしまったが、この国ではイノシシには毒餌が使うことが出来ず売られてないようだ。
ホームセンターに置いてある対策グッズは、電気柵と狼のおしっこ。使いどころが難しい。
ひとまず考えるを止めて食料品館で昼食の食材を買おう。
今日の特売はじゃがいもとツナ缶が目立っていた。昼食の主菜がツナじゃがに決まった瞬間だった。
特売には何かしら理由がある。
じゃがいもの皮を向くと理由が分かった。
少しばかり緑色に変色していたのだ。
そこらへんの老人のように毒を食わせる気かーっと怒りの感情を表に出したりはしない。
普通に特売に感謝しながら、変色した部分を剥いたあとその上から2mmほど芋を削った。
その時閃いた。
あの獣人の消化器官が人間と似通っているならこれでやれるはず。
1週間後準備が整った。1週間前に買って陽の光が良く当たる場所に置いておいたじゃがいもたちは、完全な緑色に染まり芽が出ている物もある。
ダンジョンに入り、イノシシ頭たちに気づかれないように、緑色のじゃがいもたちを撒いていく。
以前筋トレをしていたおかげか、10㎏ほど入っている箱を脇に抱えて持っているがぞうさもない。
人生、何が役に経つか分からないものだ。
昨日ダンジョンに確認に入り忘れたので2日後。
ダンジョンに入ると夕暮れの草原を、丁度100cmくらいの緑色の小人が闊歩していた。
自身が食中毒でもがき苦しむイノシシ頭の獣人たちの介錯をしなくてよくなった事に心底安堵していた。