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レインコート

作者: 伊藤 将徳

私が17歳の時の話です。


当時は日当8000の鳶仕事をしてました。

ある日○○県に出張が決まり、薄々嫌々承諾し、高速で7時間かけて夜中から出発しました。


当然夜中なので高速は運送トラックがチラホラで、先輩が眠たくならんように、音楽なんかかけて歌えと言ってきました。


めんどくさい。と思いながらも当時流行っていたAK69を爆音で流し、歌いました。意外とおもしろくてワイワイしながら朝に到着が間に合うように向かいました。


パーキングエリアで仮眠を2時間取ると言い出したので僕合わせて5人はハイエースの中で仮眠を取りました。



私はなかなか寝付けず、外にでてパーキングエリアのトイレに向かいました。


現在はパーキングエリアてどこも綺麗ですが、その当時は手入れが行き渡ってなく、汚いトイレでした。



本来はあまりよろしくない事なのでしょうがガキだった私はタバコを咥えながら用を足しに向かいました。


ちょうど立ちションをする前が鏡になっていて後ろが見えるようになっていました。電気が本来なら人に反応するはずがなかなか反応してくれず、寒気しながら入り、まじかよ。。て思いながら用を足していると、その前の鏡ごしから後ろの一番端のトイレのドアが開いたのです。


まさかな…と思いながら腕時計を見ると


2時02分頃だったのです。


嫌な予感はしていたのですが、無視することにし、トイレを出ようと思ったら、ガシャン、と奥から物音がして、その瞬間人工センサー感知器が作動したのかトイレにライトがついて振り向いて気になったので見に行ったら奥のトイレで見たのは首を吊った中年男性でした。



初めて見るので、つい


あの、なにしてんすか?て聞いてしまいました。


私は昔から見えないものを見るので時々、現実か、幻か、何か、を区別できないのです。


おーい、て言うと苦しそうにもがき出したのでどうしたらいいかわからず、とりあえず助けました。


その男性に肩を貸した時、何故か触れた手が濡れていたので気持ち悪いと思いながらも、とりあえずハイエースにいる先輩を起こしに救急車を呼ぼうとしました。先輩もただ事じゃないと走ってペットボトルの水をトイレにいる男性の所へもっていきました。


私もタオルを持って、何があったのか男性の話を聞こうと考えていました。


すると、そこには誰もいなくてトイレの上には男性が着ていたレインコートしかありませんでした。


先輩も


お前ふざけんなよ。と少しキレながら言いました。


私もいや、確かにいたんだけどと言ったものの、よく分からず、とりあえず現場に向かいました。


タイミングよく起こした時間帯が丁度よかったのかその後先輩には何も言われませんでしたが、気になった私はケータイであのパーキングエリアのトイレについてGoogleで検索したら3年前にそこでレインコートを着た男性の首吊り遺体が発見…と書かれていたのです。


読み上げた瞬間寒気がし、サイドミラーにたまたま目が行き、そこで見たのはレインコートの男性がハイエースにへばりついてる姿でした。


終わった。見ちゃダメと思ってたら


いきなり先輩にビンタされ目が覚めて、


おい、現場着いたぞ。起きろ。と言われて周りを見たら少し明るくなっていて現場に到着していたみたいで、あれから多分眠ってしまったのだと思いました。


その後先輩が


お前うなされてたけど大丈夫か?と聞かれ、とりあえずは忘れよてことで切り替えて大きな声で朝礼挨拶をしました。




…END

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