表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
霜月さんはモブが好き  作者: 八神鏡@幼女書籍化&『霜月さんはモブが好き』5巻
第五部

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

432/654

三百九十七話 クラス対抗スポーツ大会 その3


 キラリの話を聞いて『普通』とは何かを考えている時だった。


「おい、キラリ。何やってんだよ」


 俺の背後からあいつの声が聞こえた。

 ハッとして振り返ると、そこにはポケットに手を入れた竜崎がいた。


 あいつはムスッとした表情で俺とキラリを見ている。

 一方、キラリは竜崎が来た途端に表情を一段階明るくした。


「あ、りゅーくんだ。なんでいるの?」


「なんでって……トイレに行くって言っていつまでも帰ってこないから探しに来たんだよ」


「にゃははっ。そんなにアタシの行動を監視したいの? りゅーくんは結構束縛気質だねー」


「そんなんじゃねぇよ。暑いからどこかで倒れてないか心配しただけだ」


「心配性かっ。りゅーくんが思っている以上に女の子は頑丈にできてるんだから、そんなペットの小動物みたいな扱いしなくて良くない?」


「少し気にかけただけでそこまで言うか……まぁ、何も問題がないならいいんだよ」


 ……意外とフランクな会話にちょっとだけ驚いた。

 以前までは力関係が明確で、キラリは竜崎を否定することを絶対に言わなかったのに。


「それで、中山と何してたんだ?」


「浮気してた!」


 ……ほら。こんなこと、以前までのキラリが言うはずがない。

 竜崎が不快になる可能性がある発言なんて、彼女が絶対に避けていたことなのだから。


「マジかよ。中山、そうなのか?」


「違う。ありえない。なんで信じるんだよ」


 首を横に振ると、竜崎は苦笑を浮かべた。


「勘弁してくれ。中山はこの世で一番嫌いなやつだから、こいつと浮気されるとショックが大きいんだよ」


「嫉妬した?」


「した……ってか、そもそも付き合ってないから浮気でもないだろ」


「だから、アタシが他の男の子と話してても良くない?」


「その理論は正しいんだが、男心を弄ぶのはやめてくれ。なぁ、中山もそう思うだろ?」


 不意に竜崎が話を振ってくる。

 いやいや。俺のことが世界で一番嫌いなら、無視してくれてもいいのに……別に俺もイヤというわけじゃないんだけど、竜崎と普通に会話することに対して違和感がすごいのだ。


「俺は別に、大丈夫だけど」


「はぁ? こいつには独占欲がないのか?」


「こーくんはなさすぎるけど、りゅーくんはちょっと強すぎるんじゃない?」


 ……客観的に見ると、本当に不思議な状況だった。

 竜崎とキラリと俺が、とりとめのないような雑談を交わしているのだ。


 こんな状況、つい数ヵ月前には考えられなかった。

 それくらいみんなが変わった――と、そういうことなのだろうか。


「にゃははっ。別に大したことなんてしてないよ? ただ、トイレに行く途中で一人寂しそうなこーくんを見つけたから、飲み物を手土産に気まぐれに話しかけただけだから」


「そうか……いや、別に浮気をマジに思ってたわけじゃないから、いいんだがな。そもそも、中山が浮気なんてできるわけないだろ。こいつはそういう人間だからな」


「竜崎の中で俺はどんな人間なんだよ……」


 微かに、頬が緩む。

 竜崎の前では決して笑うことなどなかったのに、色々なことが起きたせいか、無意識に感情が緩んでいた。


 去年のこの時期は確か宿泊学習があったから……まさか一年後にこうやって雑談するなんて思っていなかった――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 竜崎から見た幸太郎か。以前と多少は認識変わっているのかな。
[一言] キラリはおかしなキャラ作り止められるようになってから話しかけろと思う。 変に気を遣わないといけなくて鬱陶しいので。 今の話し方だってまだ作り物でしょうに。 胡桃沢くらい普通に話せとまでは言わ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ