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霜月さんはモブが好き  作者: 八神鏡@幼女書籍化&『霜月さんはモブが好き』5巻
第四部

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ハロウィン特別企画 お菓子をくれなきゃイタズラ――してもいいの!? その1

遅くなりましたがハロウィン企画です。

すごく書きたかったので、息抜きにか書かせてください!

どうぞよろしくお願いしますm(__)m


 ――ハロウィンの数日ほど前だろうか。

 家で梓と一緒にテレビを見ていたら、ニュースに過去のハロウィンの映像が流れていた。


 場所は有名な繁華街で、ハロウィンを口実に仮装した若者たちが道を埋めつくしていた。それだけなら賑やかなお祭り……として強引に納得もできるのだが、足元に散乱するゴミや、駐車してある車に上って踊ったりしているのを見ると、なかなか衝撃的だった。


「うへぇ……梓、こうやって浮かれている人、あんまり好きじゃないなぁ」


 ソファの上で梓がぽつりとつぶやく。

 猫みたいにだらーんと寝そべってスマホを操作していると思っていたのだが、ちゃんとテレビも見ていたみたいだ。


「だいたい、ハロウィンって元々は収穫祭なんだから、お米とお野菜を作ってくれている農家の皆さんがやるべき行事なんだよ? ピーマンを生産している農家さん以外の皆さんに、幸せが訪れますように――って」


「ピーマンの農家さんも入れてあげないと」


「……あれは野菜じゃないよ? 毒だもん」


 私怨が若干入り混じって入るものの、言いたいことはよく分かった。

 梓は元々大人しい子なので、こうやって騒ぐ人のはあまり得意じゃないのかもしれない。


「ちなみに、ハロウィンは日本で言う『お盆』みたいな行事でもあって、悪霊さんや祖霊さんも来るんだって! だから悪霊さんと同じような仮装をして、見つからないようにしているらしいよ?」


「そうなのか? 梓、詳しいな」


 確か、学校の成績はしほといい勝負のポンコツ具合だったと思うけど。

 ハロウィンに関してはやけに物知りだ。


「うん、スマホで調べたから」


 ……道理で詳しいわけだ。

 便利な時代である。俺はいまいち、スマホに馴染まないんだよなぁ……未だに操作が覚束ないことがある。しほや梓は自分の手みたいに使いこなしているので、流石だった。


「勉強に関してもスマホでさせたら、もしかしてやる気が出たりするのか……?」


「おにーちゃん、何言ってるの? スマホは遊ぶためのものだから、勉強なんて絶対にやらないよ?」


 おっと。思考が漏れ出ていたみたいで、バッサリと否定されてしまった。

 兄としてはちょっと成績が心配だけど、かといって俺も強く言えるほどではないので、この件に関しては……各々、頑張るとしようか。


 閑話休題。

 とにかく梓は、ハロウィンというイベントをあまり好ましく思っていないようだ。


「我が家でも何かやろうか? 飾りつけして、仮装して、お菓子でも食べてもいいと思うけど」


「ぷぷーっ。おにーちゃん、もしかして子供なの? 梓はそういうのやりませーん。もう大人だし、そんな子供だましのイベントなんて興味ないも~ん」


 そう言われてしまっては、どうしようもなかった。

 こういうイベント、やってみたら意外と楽しいと思うんだけど……まぁ、本人が乗り気じゃないのなら、仕方ないか。


「じゃあ、いつも通りでいいか」


「……お菓子だけなら、ハロウィン仕様にしてもいいよ?」


 都合のいいハロウィンだなぁ。

 とはいえ、もしかしたらそれくらいがちょうどいいのかもしれない。


 そういうことなので、ハロウィンはお菓子だけたくさん用意することにした。

 あっという間に数日が過ぎて、当日になる。


 日曜日。どうせならいろんなお菓子があった方がいいかな?と思って、いつもは行かないような大きなショッピングモールに出かけた。

 お店はすっかりハロウィン一色で、期間限定の商品がたくさん並んでいた。時折見かける仮装した子供たちを見かけて、自然とほっぺたが緩んだ。


 繁華街の映像は衝撃的だったけど、地域ならこの程度の盛り上がりだよな。

 そう思って、お菓子を買い込んだ後、家に帰る。


 そして、扉を開けると――そこには猫娘と小悪魔がいた。


「がおー! ハッピーハロウィン♪」


「うぅ……し、しにたいっ。はずかしくて爆発する……っ!!」


 もちろんその正体は、しほと梓である。

 猫娘は梓。小悪魔はしほがそれぞれ仮装していて、びっくりした。


 でも、よくよく考えると……こういうイベントを、彼女がやらないわけがないのだ。


 だってしほは、そういう女の子だから。

 でも、梓までまさか参加しているとは思わなかったなぁ。


「梓……」


 思わず、呼びかけてしまう。


 たったそれだけで、別に何も言ってないけれど。


「違うの、おにーちゃん! 家でダラダラしてたらね、霜月さんがいきなりやってきて、梓にこのお洋服を強引に着せたんだよ!? べ、別に浮かれてないからっ……梓は被害者なんだからね!? 子供だましのイベントにウキウキしてないよ!? こんな猫ちゃんみたいなコスプレ、しても別に楽しくなんかないんだもん!!」


 彼女は聞いてもいないのに言い訳を始めた。

 顔を真っ赤にして、唇をプルプルと震わせながら、涙目で訴えかけている。

 そんな梓を見て、小悪魔のコスプレをしたしほはすごく楽しそうだった。


「ツンデレいもーと猫ちゃんも乙なものね」


「ツンデレって言わないで!」


 ……なんやかんやあったけれど。

 我が家のハロウィンが、始まったみたいだ――

続きます

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― 新着の感想 ―
[一言] まあ、こちらの路線は「安定」ですわね。 軛から解き放たれた妹としほと。
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