プロローグ
最近ホラーコメディと転生ものにはまったので、ちょっと挑戦してみました。…転生もの要素はユノギしかありませんが。
……なんか、頭がぼやっとする。ふわふわと、闇にまみれた世界を、僕は漂っていた。
「――ぃ」
誰かの、声が聞こえる。
「――い!」
何だろう?僕に、何か用事でもあるのだろうか。
「おい!」
「はい?!」
目が覚めると、そこは白い空間だった。僕に話しかけているらしき人は、白い着物のようなものを着て、真っ白い髪と、金色の目を持っていた。…まるで、人間じゃないみたいだ。
「起きたな。簡単に説明する。お前は、死んだ」
「えっ、ちょっ、な、何言ってるんですか?」
突然告げられる言葉は、何故かすぐ理解できた。理解できたけど、頭が理解したがらない。
「時間がないんだ。お前は、死んだ後に誰かさんによって復活させられそうなんだ」
んっ?待って、何で?というかここどこ?
「ここは死後の世界のようなもんだ。なんでかは知らん」
えっ、この人、僕の頭の中読んでる?!
「そもそも霊になってるからな」
what?!
「まあ、そういうわけで、お前は強制的にどっかに転生させることとなった」
「どういうわけで?!」
「だが、そうなると本人の了承が必要だし、お前の希望次第でどこに転生できるかも変えられる」
「そ、そういうもんなんですか?」
「非常事態だからな」
どうやら、今は非常事態らしい。
「どこに転生したい?」
「えっと、前の所で」
「転生させていいか?」
「は、はい」
「よし、じゃあ始める」
「え、まっ……」
どん、と強い衝撃が僕を襲った。まるで、奈落に落とされたみたいに。意識が、黒へと沈んでいく。
『っつぁっ?!』
一気に意識が目覚めた。頭がなんかがんがんなってて、痛い。二日酔いみたいだ。
『ここは…』
周りを見渡すと、そこはどうやらスクランブル交差点らしい。色んな人たちが行きかっている。ふと、仕事に向っているらしきおじさんとぶつかった。すぅ、とおじさんの中を通り抜ける。
『?!?!?!?』
うっわ、おじさんの中通り抜けちゃった。なんだろう、あまりいい気分しない。
…ああ、そういえば僕、よくわからん人(?)に転生?してもらったんだっけ。…で、なんでスクランブル交差点なのかな。普通、病院とかだよね。おかしいよね。それで、今も色んな人の中通り抜けてるけど……。うん、これ、あれだね。霊になった、ってやつだね。
『おーい、聞こえてるかい?』
頭の中に急に声が聞こえてきた。
『えっ?!っと…、転生させてくれた人(?)?!』
『ああ、そうだ。ま、神でも怪しいやつでもなんでも呼んで結構だよ』
『名前は、あるんですか?』
『一応ね。ユノギって呼ばれてるね』
『ま、本題に入ると、ごめん、転生失敗した』
この人、結構すぐ本題はいるよね……。っていうか、転生失敗したのに軽っ。
『やっぱりですか…』
これ見て、転生成功したと思う人なんていないだろうしね。
『ま、でも復活は阻止したから、ちゃんと転生し直す準備をこれからしようと思う』
なるほど。
『だから、君にはそれまで、せいぜい霊生活を楽しんでてほしい』
『あれ、時間かかるんですか?』
『うん。だいたい一か月くらい』
『長っ』
一か月って、流石に長すぎない?
『普通はそういうもんなんだよ』
『そ、そういうもんなんですか…』
なんかきっぱりと言われるから、答えづらい。なんなの、この人。…人じゃなそそうだけど。
『じゃ、待ってて』
そこで、ユノギさんからの通話?は途切れた。
『あ、オレんことはユノギって呼び捨てでいいからな』
『は、はい……』
この人、声が中性的だから分かんなかったけど、男性だったんだ…。
このようなユノギの失敗から、僕は一か月霊生活を体験することとなった。……霊生活って、ヒマそう…。




