(0話)地球の妹に関係の有る話
⚠️かなり過激な表現があります。
物語の中、演出の一環として、色々な聖典を破り様々な宗教を否定するシーンがあります。これからも、物語の中で沢山の思考や主義を揶揄するところが多くなっていくと思うので、そういったことを熱心に信じている方は十分に注意してください。
あくまで話の演出、空想上のキャラクターの戯言であって、私自身の意見ではないです。
グッ……
ビリッ
バリッ ビッ
バサッ……
破り捨てられた本が積み重なって、黒い山となっている。黒い山と。それほどまでに、その本だったものたちはビッシリと文字が書かれていた。
今となっては、ただのゴミとなった本たちだが、少し前までは立派な名前がついていた。
『聖書』『コーラン』『ハディース』『啓典』『仏典』『ヴェーダ』『バガヴァット・ギーター』『プラーナ文献』『タナハ』『タルムード』
まぁ他にも色々あったが、内容は似たようなもの…それもつまらなくて役に立たないものばかりなので、どれも割愛する」
「…あ。あぁ!ちょ、ちょっと待って!閉じないで、閉じないで!ページ閉じないで!!いやごめん、決して宗教を馬鹿にしたくてやったんじゃなくて!…あの、一旦、一旦さ?訳を聞いてくれ」
「…コホン。ご覧の通り、この世界は小説な訳で…。で、小説ってのはまず1話を見てもらわなくちゃいけない。…でも、この小説の1話は…」
「クッソつまらんのよ。というか、しばらく…つまらん。いや、ずっとつまらんかも。でも、読んで欲しい、だから、まずインパクトのある書き出しで物語を始めたろか と思った。だからああいう…さ?聖書とかをちぎっちゃったんだよ。反省してる…。まぁ、実際言うほど面白いもんじゃないけどね」
「ああ、自己紹介が遅れた。俺の名前はステイト。今は覚えなくて結構。別にこの世界の主人公って訳でもないしね」
「…うん。もうやること終わっちゃったな…何の話をしようか…。あ、この話でもするか。…いやね?この世界では力持ちのやつとか賢いやつとか魔法使えるやつとかがさ、神になるために他人とバトルするっていうありきたりな話なんだよ」
「神…大体、どこの宗教にも神っていう、もしくは神みたいな存在はいると思うんだけど…。そういうんじゃあないんだよなぁ…。要は、神になって、自分の願いを叶えちゃおう!っていう、週刊少年向け漫画雑誌的な神ね。きっと、素晴らしい話になるから、是非、これを読み終えたら次の話…1話に進んでみてくれないかな?」
「じゃ!」
(以下、次元フィルター有り)
-[彼]によって破り捨てられた本が積み重なって、黒い山となっている。黒い山と。それほどまでに、その本だったものたちはビッシリと文字が書かれていた。
今となっては、ただのゴミとなった本たちだが、少し前までは立派な名前がついていた。
『聖書』『コーラン』『ハディース』『啓典』『仏典』『ヴェーダ』『バガヴァット・ギーター』『プラーナ文献』『タナハ』『タルムード』
まぁ他にも色々あったが、
「内容は似たようなもの…それもつまらなくて役に立たないものばかり」
なので、どれも割愛する
黒く禍々しい山を見て、彼は呟く。
「やっぱつまらんな、こういう本は」
「何かを信じる…。基本的に良いことだけど、信じても意味のないものってのは信じたら無駄なだけだよなあ。宗教とかはそれの究極系な訳だけども…つまり、無駄の究極」
その山を「よいしょ」と重たそうに持ち上げて、ゴミ箱にぶち込む。
燃えるゴミ と書かれた、大きめのゴミ箱は瞬時に満タンになる。
「神なんかいるわけないのになぁ。いつも思うね!なんで聖書やらは『この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。』って最初に書かねーのかって」
ドカッとイスに座り、彼はホコリを払ってから本を取り出す。
「ああ、それは流石に言い過ぎか。地球にはいないかもしれないが…」
「ここにはいるんだった…。面倒な神が」
あまりに厚過ぎるために立方体のようになっている緑の本。それをパラパラとめくりながら、彼は憂いを漏らした。
「神…ね。いっそ居ない方がいいんだけど、もう戦いは始まる。嫌でも神が生まれちゃうか。ならせめて…」
「この物語をハッピーエンドに繋げてくれる奴を神にしたいもんだな」
「ああ、言い忘れていた。どうも、“この物語”は[こういった括弧]が出る毎に、視点が変わる。とりあえず0話…僕の視点は一旦、ここで終わりさ。次からは是非、彼女の世界観を共有してやってくれ」