表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

三題噺 お題:楽園、リンゴ、家の中の小学校

作者: 栗崎ナオ

 「今から授業を始めます」

 「お願いします」

 先生が号令をかけて、女の子がおじぎをしました。

 普通の学校の授業のように見えますが、ここは学校ではありません。

 女の子のお家なのです。

 体が弱く、学校に行けない女の子のために、先生が勉強を教えに来ています。

 女の子はとても楽しそうに先生の話を聞いています。

 しかし、少し寂しそうです。

 女の子と同い年のみんなは、一緒に勉強したり、運動したり、遊んだりしているのでしょう。

 しかし、体の弱い女の子にはそれができません。

 みんなと一緒にいろんなことをしてみたい。

 女の子はいつもそう夢みていました。

 授業終わりの日課は庭にあるリンゴの木の果実を先生と分け合って食べることです。

 少しすっぱいリンゴを食べ、先生は帰って行きました。

 女の子は明日の授業を楽しみに、ベッドに横になりました。


 次の日、授業の時間、いつもどおり先生がやって来ました。

 しかし、いつもと違うことがありました。

 先生がたくさんの子どもたちを連れてきたのです。

 「今から授業を始めます」

 「お願いします」

 みんなでおじぎをします。

 授業はみんなで話し合いをしながら進んでいきます。

 女の子にとって今日の授業は本当に楽しく、楽園のようでした。

 授業が終わり、リンゴをみんなと分け合ってべました。

 いつもより甘く感じるリンゴを女の子とみんなは美味しそうに食べます。

 子どもたちの一人が

 「ねえ、先生、これからここで授業しない?」

 と提案しました。 

 みんなは、いいね、ナイスアイディア!と大賛成です。

 先生もにっこり笑って

 「そうしましょう!」

 と言いました。

 その日から、家の中で小学校が始まり、女の子とみんなは楽しい授業をするようになりました。

読んでいただき、ありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ