ハスラー・ナイン―Hustler nine―
※ピクシブ版のサブタイトルである『NightMare』は被りタイトルになる為、サブタイトルを変更しております。
スターダスト本戦を前に、一つのニュースがネット上で騒ぎとなっていた。つぶやきサイト、その種のまとめブログでも取り上げられ、その広まり方は異常ともいえる。
【まとめブログ大手、超有名アイドル事務所から多額の賄賂を受け取っていたとして、家宅捜索】
ニュースとしては、超有名アイドル事務所から賄賂を受け取っていたまとめブログ運営が家宅捜索を受けている…という内容である。単純に、それだけであれば異常な広まり方はしないだろう。しかし、最後の文章が…。
〈ハンターズプロダクションの広報は「ワンウェイプロによる陰謀である」と疑惑を完全否定している〉
―掲載位置としてはスポーツ新聞の隅にあるような物で、一面記事では報じられない事情があるような位置にあった。これは明らかに、外部からの圧力を恐れているかのような気配さえ感じる。
【やはり、ハンターズだったのか】
【おそらく、向こうも同じように全銀河征服とか考えているだろう。それを悟られないようにワンウェイに押しつけているだけ】
【あるいは、まとめブログの方が自分達にとってもうけが出るような都合のよいネタを集め、それを炎上のきっかけにしているとか…】
【全ての元凶はハンターズの方だったのか…】
そんな話題で持ちきりになっていた。それが、スターダストと無縁の関係なのか…と言われると決して無縁とも言えるような状況ではなかった。
【やはり、スターダストも超有名アイドルに制圧されてしまうのか―】
【一連の不正スコア事件を思い出す流れだな】
【強硬手段で本戦の曲を超有名アイドルの曲に変えられたら…】
つぶやきサイト上ではわずかに、このような話題も拾える程度には無縁とは言い切れないようだ。しかし、その懸念も土曜日にはあっさりと消えてしまう事が起こったのである。
【本当の音楽―音を楽しむ為のスターダスト】
これは、ミスター・スターダストがスターダストのホームページでも掲載しているコメントである。これは、彼が音楽ゲームのインフレ気配を悟っていた物なのか、それとも超有名アイドルの宣伝や広告塔として利用されている音楽ゲームに対して釘を刺したのか…。どちらにしても、真の意味が判明していないコメントの一つだった。
【超有名アイドルが日本経済を立て直したと言うのは幻想…ファンが暴走行為そのものを正当化させるための口実に過ぎない事。そして、それをまとめブログ大手が便乗した事でエスカレートし、最終的に規制法案が完成し、スピード成立―】
つぶやきサイトで西雲がつぶやいた一言、これに共感した人物が次々と超有名アイドルその物が幻想だった。3次元アイドルで荒稼ぎをするような時代は終わった等と書き込みが広がり、次第に音楽業界は正常化していく事になる。規制法案が解除されるかどうかは、芸能事務所等の行動にかかっているのかもしれない。
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本戦前日の土曜日、組み合わせが発表された。30人を6人バトル5個の組み合わせに分割、抽選の結果…。
第1ステージ:プラチナ・エビル(29位)、女神アラストル(12位)、踊ってみたの人(17位)、?????(18位)、?????(19位)、?????(20位)
第2ステージ:セラフィム(6位)、オーディーン(2位)、パンツァー(13位)、カンフーマスター(21位)、フリーズ(22位)、?????(24位)
第3ステージ:疾風ナツキ(7位)、ルシファー(8位)、半蔵(14位)、ハスラー・ナイン(16位)、?????(25位)、?????(26位)
第4ステージ:西雲隼人(10位)、ラファエル(11位)、焔(15位)、?????(27位)、?????(28位)、?????(30位)
第5ステージ:ジェネラル(5位)、カシム(9位)、バルムンク(3位)、グングニル(4位)、剣咲エイジ(1位)、?????(22位)
各ステージで選曲された1曲で6人が争い、最終的にスコア上位2名が次に進めると言う仕組みになっている。その中でも激戦区は、第5ステージだった。
【無名プレイヤー1名が涙目な組み合わせだな】
【ジェネラルと言えば、ここ最近でスーパープレイ動画をアップしている人物じゃないか。あのプレイを見たが、あまりにも凄すぎて参考になりそうにもないように見えた】
【バルムンクとグングニルだけでもネームド激戦区なのに、そこにエイジとジェネラルもいるのか…。勝ち残るのは2名というのも―】
【ワイルドカードで敗者復活戦でも…要望を出してみるか?】
話題は第5ステージばかりだったが、それとは別に第1ステージにも注目されていた。
【あのプラチナ・エビルって、何者なんだろうな。成績は29位と決して良いとは言えないが…何か恐ろしい何かを感じる】
【アラストルの外見も凄いと思うが…。ブラジル水着にブレストプレート、SFアニメのようなヘルメットって…怪しさ爆発じゃないか?】
【あの外見でも、予選12位…恐ろしい物を感じる】
【結局1位はエイジだったからな…ある程度順位が分散されたとはいえ、10位以内のメンバーが第5ステージに固まり過ぎているんだ】
【バルムンクが3位、グングニルが4位、ジェネラルが5位、エイジが1位、カシムは9位だったか…唯一の1名が同着22位の片方…】
【それにしても有志が順位関係をまとめてくれたとはいえ、第5ステージのメンバーが意図的過ぎるな。それでも第2ステージと第4ステージも偏っているが】
【第2ステージは人選的には豪華に見えるな。カンフーマスターの物真似プレイヤー、銃火器使いのパンツァー、スタッフ勢で唯一の本戦入りしたセラフィム…】
【第3ステージは、経歴不明のハスラー・ナインもいるのか。これはひと波乱ありそうだ】
ネット上では、第5ステージばかりに集中しているように見えるが、実はどのステージもバランスが取れている事を物語るような発言が多く見られた。
本戦当日には他のイベントも目白押しだった。本戦には勝ち残れなかったものの、有名なネームドプレイヤーによる実演、初心者講習会、実際のアーティストをゲストに迎えたコンサート、物品販売等…まるでスーパー会議や同人誌即売会並みの規模である。
【本戦は11時から開始で2ステージ同時か…。第5ステージのみラストで、午後からファイナルステージ…今から楽しみだな】
【各ステージの模様はネットでも中継あり、その他のフォローもバッチリみたいだ。果たして、当日がどうなるのか―】
【他にも、各種コスチュームコンテストや武器デザインコンテスト、最新機種のお披露目会もあるそうだ。最新機種という部分が気になるが…】
それぞれの思い、考え、意思…。様々な物が交錯するスターダストバトルロイヤル、その開催は間近に迫っていた。
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日曜日の当日、会場は有明の展示場を…と言う予定だったのだが、場所の確保等が上手くいかなかった関係上で、急ではあるが草加市の全面バックアップのもとで草加市の公民館や公園、その他エリアを貸し切っての開催となった。
「有明とか幕張でなければ開催は厳しいと思われたが、まさか草加で開催するとは―」
「やっぱり、電車等の環境を考えると、主要都市の開催の方が正解だったのでは?」
そんな会話をしていた男性2人に割り込んで現れたのは、西雲だった。
「主要都市の場合、スターダストの武器としての側面もあって警察が出る騒ぎになっては大変だと判断したのでしょう」
一応、彼女の言う理由づけも合っている気配はする。
「まさか、会場が直前で変更になるとは…」
この事に対して若干の不満があったのはワンウェイプロの社長である。有明を指定したのは、彼なのだが…期待は裏切られたのである。
「しかし、ハンターズの一件が予想よりも早くネット上で察知されたおかげもあって、こちらは都合よく動けるのだがな」
彼の目の前には、とあるスーツの入ったコンテナが用意されていた。
「連中に嫌という程に分からせてやる。ハンターズプロではなく、アイドル界の頂点に立つのは我々であると」
『遂に始まりました! スターダストバトルロイヤル―』
司会の男性がバトルロイヤルの始まりを告げる。そして、簡単なルールに関しての説明が入った。
1、1バトルで6人が同時に同じ楽曲でスコアを競う。
2、バトルで使用する楽曲に関してはマッチングしたメンバーの予選順位は参考にせず、くじ引きで当たりを引いたプレイヤーに権利。
3、難易度に関してはハイパーオンリーで競う。なお、アナザーがない曲に関してはハイパーが最高難易度の為、強制的にノーマル難易度になる。
4、1ライフバトルモードを採用する。このモードは、ターゲットが攻撃を仕掛けてくるモードで、更にライフが0になった地点で演奏終了となる。
5、ライフが0になった地点でプレイヤーは失格になる。最終的に残ったプレイヤーが0人の場合は、スコア上位2名が次のステージへ進出する。
6、意図的と思われる相手プレイヤーに対する妨害行為等は審議対象となり、悪質度合いによっては失格になる。この場合、スコア上位に残ったとしても次ステージ進出権利は失われる。
7、使用する武器に関しては無制限。ただし、相手の武器を奪う行為は反則とみなす。
8、無気力プレイや八百長と判断されるプレイをした場合も審議対象となり、場合によっては失格になる。こちらも妨害行為同様、次ステージ進出権利を失う。
9、2位が同着スコアになった場合、撃破ターゲット数が多い方を次ステージ進出とする。
10、ルールを守って正しいスターダストのプレイを心掛ける。
…この他にも、バトル中のスーツが破ける等のアクシデントで中断される場合がある、フラッシュ撮影の禁止、レーザースポット等による外部からの妨害行為の禁止等が告知された。
既に各会場は超満員…と思われたが、第5ステージと第2ステージ以外は若干の空席も存在する。その理由に関しては諸説あり、はっきりとした理由は不明と言った方が正解なのかもしれない。
《今こそ、ハンターズに復讐を―》
第1ステージでは、既に悪魔を連想させる黒いパワードスーツの人物、プラチナ・エビルが準備をしていた。
「あれがプラチナ・エビル…。張子の虎ではない所を見せてもらいたい所だな」
プラチナを睨みつけていたのは、18位、19位、20位の男性と踊ってみたで有名なダンサーだった。ちなみに、この一言を言ったのは踊ってみたの人である。
(ハンターズ? もしかして…彼の正体は)
青をメインとしたヒモ水着、胸を隠す理由で装備した訳ではないブレストプレート、外見と矛盾するようなSFっぽいマスク…彼女が、女神アラストル―長髪か短髪かも不明で、スタイルが良い事しか詳細が分からない謎の人物である。
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「セラフィム以外で脅威になるのは…パンツァーだけか」
ガトリングガンとグレネードランチャーという二丁拳銃で現れたのは、オーディーンだった。
「まさか、上位2名と直接対決になろうとは―」
戦争映画で良くありそうな防弾チョッキに銃火器、サングラスと言う人物がオーディーンの方を振り向いた。彼こそがパンツァー―当然、この名前は本名ではなくプレイヤーネームである。
「大番狂わせは…他のステージでしょうか?」
少し余裕の笑みを浮かべていたのは、セラフィムである。彼は武器らしいものは一切持っていない。仕事用の背広にイヤーカフス、メガネをしているだけに見える。
『第1ステージ、第2ステージの楽曲は…何と違うカテゴリーの曲が選ばれたようです』
選択したのはプラチナ・エビル、カンフーマスターの2人である。その2名が選んだのは、意外にも…。
『第1ステージは《ポニーテールの彼女》、第2ステージはキサラギプロジェクトの《エンハンスド》に決まりました!』
プラチナ・エビルは超有名アイドルのミリオンにもなったカバー曲、カンフーマスターはオーディーンとは真逆の楽曲を作るキサラギプロジェクトの楽曲を選択した。
「第2ステージでなくてよかったと言うべきか―」
第1ステージにいた踊ってみたの人は第2ステージの楽曲に苦手意識を持っていた。そう言った点では、第1ステージがどの難易度でも比較的簡単な超有名アイドルの楽曲でも…と思っていた。
『では、第1ステージ、第2ステージ、プレイ開始です!』
司会の掛け声とともにステージは始まった。そして、ステージが始まる頃には空席の目立っていた第1ステージも万席になっていたのである。
「始まったみたいね…」
ふんどし、胸はサラシ巻きという異色とも言える恰好をした女性が、着替えをしながら第1ステージの観戦をしている。彼女こそ、疾風ナツキである。
『第3、第4ステージに参加するプレイヤーの方は会場の方へ集合して下さい―』
試合を観戦している途中でアナウンスが流れ、ナツキは巫女装束に着替えて日本刀を手にステージへと向かった。
「プラチナ・エビル。まさかと思うけど、彼の正体は―」
既にステージの方で観戦をしていたのは西雲だった。彼女の隣には、SFの重装甲型パワードスーツに右腕がビームガンになっている人物、ラファエルの姿があった。
「彼の正体は、おそらくワンウェイプロの社長―」
西雲の一言にラファエルが反応し、その言葉を聞いた西雲は驚いていた。
「それが正しいとすれば、このステージ…何かひと波乱ある気配がする」
『第1ステージ勝者はプラチナ・エビル、女神アラストルに決まりました!』
第1ステージは、予想外と言うよりは予定通りと言うべきか。プラチナとアラストルが次のラウンドへ駒を進めた。他の人物も健闘したが、わずかにポイント差で負ける結果となった。
『第2ステージはセラフィム、オーディーンが順当に勝ち残ったようです』
第2ステージは特に波乱もなく、セラフィムとオーディーンが勝ち残った。
「次のラウンドはランダムバトル。オーディーンと再び当たる事になれば―」
セラフィムは、何とかしてスコア差を縮めようと考えたが、結局は200万近く離される結果となった。
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『第3ステージはOdin《たった一つだけの歌》、第4ステージはムラサメ《サイバーゲート》に決まりました!』
25位の人物が選曲したのは、何とオーディーンの前名義でもあるOdinの楽曲だった。そして、ラファエルは最近になって追加配信されたばかりの楽曲を選択…。
「追加配信されたばかりの曲だが、特に反則と言う訳ではないだろう―」
ラファエルは何かを確信して選曲をしたのだが、特に審議となる事無く選曲はそのまま採用された。
「あの曲を選択する人物がいるとは。あの人物の狙いは何だ…と考え過ぎるのも駄目か。何故、前名義の曲に拒絶反応を示すようになったのか―」
着替え室で、下着を変えていたオーディーンは25位の人物が自分の過去に発表した楽曲を選択した事に疑問を抱いた。しかし…。
第3ステージでは、Odinの楽曲が聞けると言う事もあって若干の空席が出始めていた時よりも席が埋まり、気が付くと満席になっていた。席と言っても、立ち見専用スペースと言う気配もするが…。場所が草加駅より若干離れたアンテナショップと言う事もあるのかもしれない。
「この曲は得意中の得意。悪いが、曲を選んだ自分の事を呪うがいい!」
忍者を思わせるような黒装束に鎖帷子、所有武器は火縄銃に鎖鎌、他には手裏剣と言う半蔵。どうやら、彼が予選通過時に選曲していた曲が、この曲らしい。
「同じ事を考えようとしていたのは、私だけではないようですね」
赤いロボット、そのデザインは一昔と言うよりは最近のゲームを参考にしたような…左肩には9のローマ数字が刻まれている。どうやら、彼がハスラー・ナインのようだ。
『では、第3ステージ、第4ステージ、プレイ開始です!』
-あの時に消えてしまった物、それはどんな歌なのか-
第3ステージでは、既に曲が始まっており、それぞれが自分の武器の射程へと移動し始める。
-全ては欲深き投資家によって消されてしまった、たった一つだけの…-
観客たちは、オーディーンの楽曲を聞いて【何処が最近の作品と違うのか?】と疑問を抱く者もいた。
-ホーリーソング-
そして、上空から無数のターゲットが現れる。そう、この曲の最大のポイントは曲冒頭からターゲットが現れると言う箇所だったのである。最初とサビ部分のターゲットの大軍さえ撃破出来れば…と半蔵は思っているのかもしれない。
-あの空、あの雲、あの太陽。僕が落としてしまった歌は、それよりも輝かしいものだった-
冒頭の静かな雰囲気とは一転し、急に曲調が激しい物へと変化した。それと同時に半蔵が火縄銃、ハスラー・ナインはビームライフルを速射、ルシファーは斬艦刀、ナツキは日本刀を振り下ろす。
-今は奇跡さえも、記録さえも、心さえも、黄金を積みあげれば全てが実現してしまう。そんな世界に導いたのは投資家たちが作り上げた、機械仕掛けの神-
4人が激闘を繰り広げる中、残りの2名は彼らのスピードに追いつけるはずもなく、曲の途中でリタイヤとなった。それほどに、出現するターゲットの数がケタ違いなのである。
「さぁ、見せてくれ。お前達が信じていた音楽を!」
ハスラー・ナインが曲の台詞部分に合わせるかのようにミサイルランチャーを展開、一斉にミサイルを発射する。一部はジャミングで妨害されたが、ほぼ全弾命中と言っても良い程だった。
「こんな世界、私達は望んでいなかった!」
ナツキもハスラー・ナインに乗ったかのように、台詞部分に合わせて袴に隠していた薙刀を展開、薙刀と日本刀の二刀流で周囲のターゲットを撃破していく。
「しかし、全てを知る者はいなくなってしまった」
半蔵も台詞部分に合わせ、もう一方の短型火縄銃を持ち、二丁拳銃でターゲットを撃破する。まるで、全てが曲と同調するかのように…。
-この世界の歌は、どのように変わるのだろうか。そして、どのような未来が待っているのか?-
後半サビの猛攻が始まる。まるで、超有名アイドルに対して反抗するかのような光景が、そこにはあった。
-それでも、僕は探し続けるだろう。本当の意味で勝ちを持つ歌を―未来を-
曲が終了する頃には、既に他のメンバーも倒れかける状態だった。ナツキに関しては、汗で半分位は巫女装束が透けているようにも見える。
『第3ステージ勝者は…正確な集計を行いますので、しばらくお待ちください。1名はハスラー・ナインで決定のようですが…』
何と、第3ステージで波乱があった。トップスコアを出したのは、ハスラー・ナインだったのである。
『第4ステージは西雲隼人、ラファエルの2名で確定のようです。どうやら、残ったメンバーが―』
第4ステージは想像を絶するスコア合戦の結果、西雲隼人とラファエルに決まった。
「第3ステージの方が気になるな。もう一人の勝者は誰なのか―」
西雲がスポーツドリンクを口に含みながら、結果を見守る。ラファエルの方は、既に何処かへと姿を消したらしい。
【ハスラー・ナイン。経歴等は一切不明のようだが―】
【まさか、スターダストの作りだしたロボットとかだったりして?】
【何処かのゲームじゃないんだ。AI技術も発展はしているだろうが、無人の観光バスや電車、新幹線、輸送機を運行できる程に確実な物は存在していないだろう】
【そうなると、ラファエルも同じような物か?】
ネット上ではハスラー・ナインの話題が盛り上がっていたが、その話を切るかのようにラファエルを指して同じかと尋ねた。
【ラファエルは人が入っているのは確実だろう。誰かは不明だが…】
その質問に答えたのは、何とミスター・スターダストだったのである。
『お待たせしました。集計の結果、もう一人の第3ステージの勝者は…疾風ナツキに決まりました!』
第3ステージの会場からは歓声が上がった。集計をやり直した結果、ナツキが最終的にスコア2位となったのである。