第93話 親友にほどける、本音こぼれて
「蘭~、私どうしたらいい? もうほんとにわからないの~!」
パジャマ姿でベッドに並んで座る私たち。
私は半ば叫ぶように、昨日の兄の行動を一気にぶちまけた。
勢いよく蘭に抱きつくと、彼女は優しく頭を撫でてくれる。
「うーん、そっかあ。それはそれは」
しばらく考え込んだあと、真面目な表情に変わる。
「まあ、咲夜さんの気持ちがどうこうっていうのは、私の口からは言えないけど……。
唯は嬉しかったんでしょ?」
その問いに、私はぴたりと動きを止めた。
「う……ん。うれしかったよ。でも、急すぎるよ~」
「あーはいはい」
また泣きつく私を、蘭は苦笑しながらなだめてくれる。
「じゃあ、よかったじゃん。咲夜さんからキスされたってことは……咲夜さんも唯のこと!」
期待に満ちた目で蘭が私を見つめてくる。
「そう、なのかな?」
不安げに見つめ返すと、彼女がいきり立つ。
「何言ってんの! なんとも思ってない子にキスなんてする?
それに、あんた義理とはいえ、妹だよ? 相当な覚悟があってのことだと思う」
蘭は少しにやけながらも、真剣な眼差しでそう言った。
……ほんと、こういう話になるとテンション上がるんだよね。蘭って。
少女マンガの展開みたいで、楽しんでるんじゃないの?
少し訝しむように視線を向けながら、ためらいがちに口を開いた。
「でもさ……今まで私を好きっぽいこと、言ったことないし、態度でもそんな感じじゃなかった。
それに、お兄ちゃんには加奈さんがいるし。流斗さんと私が付き合うってなったときも――」
そこまで言って、口をつぐむ。
あれ……そういえば、あのとき少し嫌そうにしてたかも?
急に冷たくなった態度も、もしかして。
流斗さんのこと、応援してくれてたのもあると思うけど……あれって、妬いてたの?
黙り込む私に、蘭が顔をのぞき込んでくる。
「何か、思い当たることでも?」
「え! う、うーん……。
もしかして、お兄ちゃん。流斗さんに妬いてたのかなって思うときも……あった、かも」
そう口にした途端、蘭は飛び跳ねそうな勢いで喜んだ。




